あなたにとって「仕事」とは?|セミナー「仕事への向き合い方を考える」その2

※その1はこちらです。

さて、ここで実習になりました。
先生「あなたにとって『仕事』とはなんでしょう? 仕事=〇〇。この〇〇に当てはまることばをできるだけたくさん書き出してみましょう。これが仕事に対するあなたの『観念』です」

ええと「観念」って聞きなれないことばですよね。でも心理学セミナーではしょっちゅう使われます。この「観念」とは「固定観念」のことで「思い込み」とも言えます。自分なりの「定義付け」ですね。

心理学的にモノゴトを考える場合、まずこの観念を洗い出すやりかたはとてもポピュラーです。「自分の思い込み」を洗いざらい書き出すと、それを客観的に眺めて考えることができるからです。

この「自分の」思い込みというのがポイントで、なんか知らんうちに自分だけがかたくなに思い込んでいることがすごくたくさんあるんですよね。だいたいは親が原因でそういう観念を持っていたり、過去の経験がもとでそんな観念になっていたりします。

私の「仕事=〇〇」は次のようになりました。

・仕事=お金を得るための手段
・仕事=根気・努力が必要なもの
・仕事=できるだけやりたくない
・仕事=しんどい
・仕事=好きでやっているひとはごく少数
・仕事=自分の能力を高められるもの
・仕事=社会との接点
・仕事=オフをより楽しくするもの
・仕事=手ごたえがあるもの
・仕事=最大のヒマつぶし
・仕事=創造力を活かせるもの

5分後に先生が声をかけられました。「みなさん、どうでしたか? ポジティブなもの、ネガティブなもの、どちらが多かったですか? では、周りのひと2~3人でシェアしてみましょう。で、おんなじおんなじとか、こいつオカしいとか(笑)、言ってみましょう」

セミナーってこういうのも楽しいんですよね。私は友だちがいないのでとくにそう思います。まあ仮にいたとしてもこんな「〇〇とは?」なんて話題をしょっちゅう持ち出せないでしょう? 私はもう昔からこの手の「〇〇とはなんぞや?」が大好物なんです。

それで、二人のひとの考えを聞きましたが、ひとりのひとがスゴかったなあ。「自分のリソースを社会に還元するものである」「自分が輝く舞台である」「理不尽さに耐えることもある」「自分の見識を広めるものである」「社会のしくみを知ることができる」、で最後にひと言「戦場である」。すっげ~な~! 四十代くらいの女性ですが、バリバリのキャリアウーマン(死語)ですな。さすがに引け目を感じましたよ。このひとは営業の仕事をしているそうですが、私、ポイント稼ぎやってますとはさすがに言えませんでしたね。ホレ、ここらへんが自己攻撃です。

私の仕事に対する観念がポジティブかネガティブかというと、最初にパパッと思い浮かんだのはほとんどネガティブなものばかりでした。ひと通り自然に出尽くしたあと、アタマでう~んと考えて出てきたのがポジティブなもの。まあ、私にとって仕事はネガティブなものなんですよね。

先生「どうでしたか? ネガティブが多かったひとってショックだったりちょっとヘコむでしょ? でも考えてみてください。それだけネガティブが多くても仕事してるんでしょ? そんな自分ってスゴくない? だから、ネガティブが多かったからって自分を責めないでくださいね。
あの~、自己嫌悪クンってつねにみなさんのハートを狙っていますからね。ネガが多かったからといって自分を責めるパターンにハマらないようにしてください。『そんな自分はダメだ教』に入信しないでくださいね」

「じゃあ、ポジティブが出てきたから大丈夫かというと、じつはそこにも落とし穴があるんです。『理想』を掲げているヒトってポジティブが出やすいんです。男性に多いんですが、思考と実体が分離してしまっていることがあるんです。『理想としてこうあるべき』というカタチに自分をはめ込んでしまって、ネガティブなものをカットしてしまう場合があるんです。
そんなヒトと話をしていると、こうあるべきとかそうあるべきというベキベキ論が出てきたりとか、ちょっと『がんばってる感』が出ちゃったりとかします。女性でも思考型のひとはそうなりやすい。
だから、ポジティブが出てきた場合、それってちゃんと実体をともなっているのかがすごく重要です」

なるほど~! なんかすっごく腑に落ちるハナシですね。うんうん、こういうのを聞けるのが心理学セミナーの醍醐味だわあ。で、ここでこっそりホンネですが、さっきのキャリアウーマンさんがちょいとそんな香りがしていました。なんかしんどそうだったし。

先生「ぶっちゃけ、仕事って好きですか? あ、いまの仕事に限らず、いわゆる『仕事』って好きなものなのか、嫌いなものなのかどっちですか? ハイ、好きなヒト、手あげて……わ、けっこういるな。じゃ、嫌いなヒト」

ここでいきおいよく右手を高々と突き上げる私。うへっ、ほかに数人しかいないじゃん。

先生「ハイ、いま手をあげたヒト、自分を責めるモードに入りましたよね? え~すぐにそういうモードに入るんですけど、でもね、嫌いで働けるって逆にスゴいんですよ」

「働くのが嫌いなヒトはね、いかに働かずにラクして生きるかってことを真剣に考えないといけないんですよ。ね? 考えてる?」
先生はなぜか、というかやっぱり私の顔を見てそう言われました。

先生「あのね、ラクしてお金を稼ぐってことが悪いわけじゃないんです。日本人はコレなんですけど」そしてホワイトボードに「清貧」と書かれました。
「清く貧しくなきゃいけないの? 別にコレでもいいじゃん」と今度は「清富」と書きました。

先生「なんかね、汗水たらして働くことを良しとするみたいですが、別にラクして稼いでまったくかまわないんです。まあ日本人は江戸時代から丁稚奉公で給金をもらわない生活をずっとしていましたからね。それから戦争で一気に貧しくなったという歴史もありますしね」

「で、自分は本質的に仕事が嫌いだな、ナマケモノだなと思うひとは、いかにラクして儲けるかを考えたほうがいいですよ。コレ、真剣にね。真剣にラクすることを考えてください」

をを! これが私に対するメッセージなんですね! はいっ! まだなんのことかよくわかりませんが、はいっ!と私は張り子のトラみたいに首を振っていました。

※セミナーレポートはまだ明日に続きます。