そこに命懸けていますか?|セミナー「仕事への向き合い方を考える」その7

※セミナー「仕事への向き合い方を考える」その1はこちらです。

どよよ~んと沈み込んでいるうちに、先生のお話がはじまりました。
「さて、両親がどんな風に仕事をしてきたかを考えてもらいました。それで、コレが僕らの仕事に対する原型だなと思っていただいてもいいんですけど、あの~、だからウマくいかないとかだからウマくいくという根拠には別にならないので、まあそのへんはあんまり関係ないと思っていただいていいんです」

「確かに、両親の仕事に対する態度でネガティブなイメージとかポジティブなイメージってのは付きやすいんです。でも、そのイメージもずっとそのままではなくて、その後のお父さんとの関係、お母さんとの関係においては変わってきます」

「たとえば、働き者のお父ちゃんお母ちゃんだったら、コドモは働き者になるか怠け者になるかっていうと、まあどっちにもなりうるということになります。それを苦しそうだなあと思って見ていたひとは仕事がネガティブになりますし、それをスゴいなあ、憧れるなあって見ていたひとは自分もそうなりたいなと思うんです。けれども、そうならなきゃいけないと義務に思っちゃうひともいるんです」

「いまの日本の現状や閉塞感を考えると、働くスタイルそのものの選択肢があまり多くないんですよね。給料も低いですし、働きかたというのも非常に選択肢が少ない状態なので、そうするとどうしても自分を合わせていくしかないような感じになってしまうんです」

「でも、ホントウは自分の性格とか考えかたとかがまずあってこその仕事なんです。自分が好きか嫌いか? 自分に合うか合わないか? で、僕のカウンセリングだとけっこう生きかたというのが問われていて、どう生きたいの? それがまずあってこそ仕事なんです。これが重要です。だから、みなさんにとって大事なものって何なのよ?ということなんです

「たとえば僕の場合は、よくお話しますけど、ひとに会うことが自分にとってすごく大事なんです。それに旅が好き。ということで、いろんなところへ旅をしてひとに会いに行くというのが僕の好きなスタンスなので、だからじっと一ヵ所に留まることができずにやれどっちやこっちやみたいな感じで旅をし続けるということが、僕の生きかたになっているんです」

「そうかと思うと、同じ業界のひとでも自分は行くのがイヤだから来てもらいたいってひとがいて、自分の根拠地にデンと事務所をかまえて全国から来てもらう。で、来てくれたひとをもてなすっていうスタンスでやってるひともいます。たとえ同じ業界、同じ業種、同じ仕事をしていてもアプローチが当然ちがうわけなんですよね。当たり前っちゃ当たり前なんですけど」

「だから、みなさんにとってどういう風に仕事をするのが自分はいちばん楽しいんだろうか? 向いているんだろうか?っていうことを、やっぱり今日いちばん考えてもらいたいなと思うんです

「コレ、今日考えるというのがすごく大事なことなんです。なぜかというと、人間ってイヤなものから回避したいので、どんな風に仕事をしたいのかって考えるときに、自分が疲れているとやっぱり休みたいと思うのね。そうすると『あなたはどんなスタイルがいいですか?』って尋ねると『えっと、週休5日で~、週に2日だけちょこっと働いて、それでまあ、それなりの給料をもらえるのが自分に合った仕事スタイルだなあ』なんていう風に思いがちなんですけど、それはいま疲れているからでしょう?って言うんです」

「じつは週休5日がホントに自分に合ってるひとって、もうすでに働いていないはずです。そんなひとが週に5日も働けるわけがない。絶対ムリなんです。で、疲れの度合いとかいまの仕事がイヤな度合いだけそういう風な真逆の生活っていうものを描きます。だから、さっき『仕事が基本的に好きなひと』で手をあげたヒト、そんなヒトが週休5日なんて耐えられるわけがない」

「仕事が嫌いって言ったヒトはもしかしたら週休7日が理想かもしれない。でも大事なのは、さっきも言ったとおり、嫌いなら嫌いでラクしてお金を稼ぐことにどれくらい真剣なのかということが重要です。そこに命懸けていますか? それがいわゆる逃げから来るのか、自分の本質から出てくるのか、というのをこれはやっぱり見極める必要があるんじゃないかなと思うんですね」

 

うわ……これはキビしいわ。「そこに命懸けていますか?」と言われるなんて思ってもいませんでした。そもそも仕事に命がけってあり得るんでしょうか?

いやいや、ちがうな。これはきっと「生きること」そのものに対して真剣に向き合っていますか?ということなんですよね。あんたもう、生きることから逃げているんじゃないの? 私は先生からそう問いかけられているようでタジタジとなりました。

「逃げているでしょう?」と問われれば、私はやはり「はい」と答えます。いまの自分が生き生きと積極的に過ごしているとはとても思えません。しんどい。メンドくさい。寝ているのが極楽。もう苦労したくないから、もうトシだから、そんな言い訳で埋め尽くされています。

そのとき、私はふとピアニストB氏の妻を思い出しました。もう六十は過ぎていると見受けられますが、そのまなざしには思慮深さが宿り、人生と真剣に対峙しているかのような静かな情熱がたたえられていました。

そんなスゴいひとと自分を引き比べるわけではありませんが、B氏夫妻にしろカウンセラー先生にしろ、彼らは、私のような凡人であっても、そのひとの価値はまったく同じであって、その人生を真剣にまっとうすべきだと呼びかけてくれているのです。

私はいったいどう生きたいのだろうか?
私にとって大事なものって何だろう?
私は本当に仕事が嫌いなのだろうか?

※セミナーレポートは、尽きることなく明日も続きます。

※セミナー「仕事への向き合い方を考える」その1はこちらです。