カウンセラー先生の仕事観|セミナー「仕事への向き合い方を考える」その10

※セミナー「仕事への向き合い方を考える」その1はこちらです。

濃厚なセミナーもそろそろ終わりに近づいてきました。

先生「ということで、まあ、ちょっと僕の話をしようかなと思っていますが、あまり時間がないんですけど、ちょっとお話すると、僕は親が自営業だったので、最初サラリーマンになったんですけど、ホントに向いてなくて」

「よくこの話するんですが、僕が会社員になって理解できなかったことっていうのは、有給制度とボーナスのシステムと固定給制度っていうのが理解できなくて、人事部に配属されたんですけど、新人歓迎会があって、だけど新人だからさ、迎え入れられるわけで隣が部長さんなんですよ」

「部長さんに『あのちょっと有給制度がよくわかんないですけど。ボーナスってなんなんですかね? 仕事してもしなくても同じ給料っていうのあまり納得できないですよね、不思議なんですよね』ってハナシをしたら、『キミはおもしろいこと言うね』って言われてそれ以上会話が続かなかったんで、あ、こういうこと訊いちゃいけないんだっていうこと、何十年前の四月に体験しました」

「で、さっきもお話しましたけど、先輩たちが、まあ僕から見るとスーパーサラリーマンだったので、ああ、こうはなれねえなあと思って。あ、そうそう、もう一個あったんですね、同じ時間に行かなきゃいけないっていうのが納得できなかったんですよね。その日の気分によって行きたい時間って変わるじゃんと思ってたから(笑)、なんで9時10時までにね、会社に行かないといけないのかっていうこと自体が納得できなかった」

「そりゃもう、ウチのオヤジとオフクロがそういう自営業っていうか、会社を経営してたので、だから気ままですよね。平日勝手に休んでるし。そういうのを見て育っているので、そういうモノだと思ってるんですよね。束縛されるのがダメっていうのがあって、コレなんかいいように聞こえますけど、協調性がないっていうか、わがままな性格っていうか、もうダメなものはダメなんです、ホントに」

「ヒトもそうなんですけど、仕事とかもそう。ダメなもんはダメ。逆に、イイと思うものは利益とか関係なくイイと思うタイプなんで、要は組織の中で向いてないんです。だから、そういう親の影響があったので、毎月同じ給料をもらえるっていうことがホントに合わないんですよね」

「働いても働かなくても同じ給料だったら、僕絶対働かないタイプなんです。さっきのいかに手を抜くかを真剣に考えるタイプです。だから確実に出世はしないと思います。まあ、一応与えられたことはやりますよ、一所懸命。やりますけど、いかに手を抜いてラクをするかに研究熱心なんです」

「お金との葛藤というのは、これはずっとあって、これは家の問題もけっこうあったんですけど、だからお金の問題がずーっと僕は長くって、ええと、けっこうアップダウンあります。お金がないという葛藤とか、どんだけ稼いでも出ていくっていうんで、まあそのへんが仕事とお金っていうのも関係性をじつはすごく研究をしてきているんです」

「で、わかったのはその、自分の性格上わがままで、ダメなものはダメなので、束縛されるのがイヤでダメなものはダメなので、ストレスが全部お金になって出て行っちゃうんですね。お金を使うことでストレス解消する」

「だから、僕ずっと給料安くなかったんですけど、いまフリーですが、フリーになる前も給料安くなかったんですけど、なんでこんなにもらってんのにこんなにないんだろうって思ったら、あのー、要は喜びで仕事をしてなかった部分があってね、100パーじゃなかったんです。だからそのストレスがすごい大きかったんです」

「だからフリーになったとき、ものすごいラクになりましたもんね。それで、束縛されてたのがダメなんだなあって、ホントダメだったんだなあって、けっこう自由にやらしてもらってると思ってたんですけど、それでもダメだったなあということで、すごい葛藤がありましたけど」

「まあ、2010年ぐらいからお金のこと信頼できるようになってマシにはなりましたけど。でも不思議でした。家計簿つけてたときもありましたけどね。なんで出ていくんだろう、なんで足りないんだろうなあって思ってたんですけど、心の充足感が足りなかったということだったんです」

「起業めざしてるってかた、今日いらっしゃると思うんですけど、メリットっていうのはみなさんも感じているとおりです。自由です。やりたいことができます。ただやりたいことができるためには条件があって、これデメリットなんですけど、フリーでやってるときお客さんがいないと意味がないってことで、集客とか営業とかもそうですし、経理関係は絶対必須になってくる。要は事務作業ですね」

「だからその営業経理という部分が確実にフリーランスにはついて回ってきます。それをアウトソーシングすることも可能ですけど、当然その分お金はかかるわけですよね。なので、そのやりくりみたいなものっていうとこについては問題としておく」

「で、不安定っていうか、もう水商売ですから月単位で収入がガンガン変わるわけですから、それに耐えられるような、たとえば財力とか気力みたいなものがないとむずかしいです」

「Aさんというカウンセラーと去年コラボしたんですけど、たぶん知ってるかたもいらっしゃると思いますが、じつは彼、ずーっとサラリーマンやってて売れっ子営業マンなんですね。で、なんかの打ち合わせのときにAさんが『じつはサラリーマンを辞められてないんだ』って話をされてて、『ホントはいまの仕事のほうにコミットメントしたいんだけども』って」

「僕が『でも大丈夫じゃないの?』すると『Nさんにはわからないと思うんですけど、四十過ぎまでずっとサラリーマンやってた人間が辞めて独立するってことがどんなに怖いことかって、Nさんには絶対わかんないと思いますけど』って、何度も『Nさんにはわかんない』って言われて、ちょっと『ああ……そう……』って」

「僕フリーになったのは2年前ですけど、フリーみたいな仕事って二十代からしてるので。同じように二十代からフリーで仕事している、会社経営している知り合いにその話をしたら、『う~ん、僕らにはわからないですよね、それは』っていうハナシで」

「男のひとはとくにそうですよね、家庭を支えるってなると。Aさんのとこは子どもが生まれたばっかりですし、奥さんが仕事しててもなんか家庭を支えないといけないと思うので、ただそうすると男性の場合はとくにこれは強いと思うんですけど、やりたいことがあったとしても独立してやっていく、しかもそれが何十年とその固定給とかある程度のインセンティブがあったとしても、会社って組織の中でやってきたかたが、ま、四十過ぎて独立するっていうことがすごい怖いというのもあります」

「僕はあんまり独立起業っていうことは勧めるほうではないと思います。やってる人間にしては。まあ、したきゃすればいいじゃんみたいなハナシです。で、デメリットちゃんと考えてね。リスクを考えてほしいなと思います」

「あと、いま僕すごい大事にしているのは、休むのも遊ぶのも仕事のうち。で、仕事で、とくにフリーランスに限らず企業内でも成功しているひとってみんな遊んでます。遊ばないとパフォーマンスが上がらないんですよ。オフがないと」

「で、最近の研究の成果で恐ろしいのがあって、人間の機能として仕事に集中できるのって何時間ぐらいだと思います? 一日4時間ぐらいだそうです。だから7時間労働ってのがムリなんですって。人間の集中力で考えると。日本企業には絶望しかない数字でございますけど。脳科学系の話だったと思いますが、休憩時間は抜いて4時間です」

「ヨーロッパのほうで昼休みが3時間とか、フランスとかだと3週間以上バカンスを取らせないと会社が罰せられるとか、早く帰るひとほど評価されるとか、ドイツとかって早く帰るひとほど効率よく仕事してるってことだから、残業してるひとのほうがバカにされるのね。だから早く帰るひとほど出世するってシステムらしくて日本も取り入れてほしいですよね」

「それで、まだいま未処理になっている問題についてですが、みなさんそうだと思いますが、フリーのひとはそうだと思いますけど、やりたいこととやれることのギャップがまだ折り合いがついていないことですね。だからスケジュール気が付けば詰め詰めにしてしまうとか」

「マネージャーが欲しいんだけど見つかってないとか。秘書が欲しいんですけど、秘書に頼みたい仕事をリストアップしていったらあんまり給料払えるほどの仕事量でなかったみたいなね。月に5日間ぐらいの出勤で、だからヒマな専業主婦探してるんです。前いたんですよ、スタッフでヒマな専業主婦が。そしたら妊娠しよって(笑)。子ども産みよって(笑)。せっかくヒマなうえにね、大阪に友だちがいない主婦がいたの」

「あと僕は仕事好きなんで働き過ぎるという問題もあるんですけど、ま、昔は遊ぶのも仕事のうちと思ってなかった。いま休みと仕事がけっこうくっついて来ている。遊びと仕事がくっついて来ているところがあるんで、エッ?と思います。仕事で沖縄に行ってるんだけど、遊びに行くのと同じような感覚で行ってるので、アレ全部経費ですけど。こないだハワイ行ったんですけど、ハワイでもちょっとカウンセリングしたので、あとから税理士に恐る恐る訊いたら『仕事をした事実があるんなら経費です』。しまった、飛行機、ビジネスにしときゃよかった!(笑)」

 

この先生の話はホントおもしろくって、もういくらでも聞いていたくなります。いちばん印象的だったのは、やっぱり自営業の感覚ですね。私は典型的なサラリーマン家庭で育ったし、自営の知り合いもいない。自分自身もOLを24年やっていましたから、自営のひとの仕事観をまったく知りません。

「固定給がなじめない」ってある意味スゴいですね。このあたりもっと突っ込んで聞いてみたいところですが、なんでしょう、自分の仕事の采配によって報酬が変動するほうがやりがいを感じるのかもしれませんね。まあでも、サラリーマンも長期的にはポジションが上がって給料も変わるんですけどね。ただ、仕事の内容はもちろん選べないし転勤があって当たり前だし、自営のひとから見たら、これもすごく不自由なものですね。

たしか河合隼雄さんが「カウンセリングはアート(芸術)だ」と言っていましたが、この先生のセミナーから受ける感じも一種のパフォーマンスだなあとよく思います。ちょうどコンサートを楽しむのと同じ感じですよね。名人芸をたっぷり楽しめます。この先生にしかできないパフォーマンスですから、まあもう芸術寄りの仕事だと思います。

先生が前に所属していた会社でストレスを感じていたとは驚きました。それがお金の問題にもなっていて、しかも先生ご自身もすぐにはわからなかったとはびっくりです。あんな先生でもご自身のことはわからないものなんですね。それでちょっと思ったことなんですが、まあ、先生はダレを見たとしてもそのひとがなにかガマンしているとか、きっと一発でわかるんでしょうね。ご自分のことはともかく、他人に関してはそれこそプロだからすぐにわかると思います。

いまから2年前、2015年3月に私はこの先生の個人カウンセリングを受けたことがあります。そのときセッションのいちばん最後に「春子さんには、強い束縛があったように感じましたね」と言われたんです。でも、自分ではちっともピンと来ませんでした。そのころもずっとのんびり自由に過ごしていたつもりだったからです。

いまの私を、先生はご覧になってどう感じておられるでしょうか? う~ん、まだまだ自分に許していないことがたくさんあるようにも思います。

※セミナーレポートは明日が最後です。

※セミナー「仕事への向き合い方を考える」その1はこちらです。