ピアノレッスン第27回|「あの透明な美酒のような幸福」はレッスンにも宿る

この一週間はバッハ/シンフォニア1番に明け暮れた。パート先が「干して」くれてるおかげもあって、エア練習もみっちりできた。たぶん100回ぐらいはナゾッてるかも。ゆっくりだったらもう暗譜で弾けるときもある。

なんだけど、レッスン行ったら、いきなりハノンでつまづく。
▼ハノン6番 → また不合格。
やっぱり右手のフォームがまちがっている。とくに下りがヒドい。
先生のお手本演奏見てもぜんぜんできなくてマゴマゴしていたら、ひさしぶりに、先生がワシの右手全体をよっこらしょと持ち上げて、文字通り手取り足取りで弾きかたを教わった。この6番だけでも15分ぐらい指導していただくハメになる。

でも、左手はだいじょうぶなんよ。先生にもたまに「左利きですか?」とたずねられる。いやあ、利き手は右だけど、そういえば音階も右手のほうがはるかにヘタクソ。バッハも左手のほうが安定している。

んで、ふと思い出したのが、母ちゃんが「隠れ左利き」だったってこと。母ちゃんは小さいころ右利きに矯正させられたらしいが、本来左のほうが便利らしく、ケツ拭くのは左手やと言うとった。案外そいつが遺伝してるんかもしれん。

なので、こんど先生に「まだ右手ができてないですね」って言われたら、「母ちゃん、左手でケツ拭くんで、そのせいです」って言い訳しよう。

▼ハノン/ロ短調音階 → 合格。いまのところ音階はまずまず順調。あ、でもつぎの変ロ長調はむずかしそー。

▼ツェルニー30番の12番 → 不合格。
「ソ・ソ・ソ」1拍の弾き方について、これも10分ほどかけてじっくり解説していただく。「通るべき正しい道」があるのだ。「ソ・ソ・ソ」の音が出てたらいいわけじゃない。

コレって当たり前のことだろうか? いや、どうなんだろう? 先生によってかなりちがいがあるんじゃないだろうか?
おこがましいけど、先生の手の動きを見ていると、う~ん、やっぱりピアニストの手さばきだよねえとか思って見とれてしまう。で、マネしたくなるわあ。

▼バッハ/シンフォニア1番 → 不合格。
いやもう、うなされそうなほど練習したのに、先生のまえではウマく弾けなかった。ウチで弾いてるときの7割ぐらいのデキやった。とくに音抜け多発。

だのに、演奏が終わると先生は小さく拍手してくださった。「いまの段階でそこまで弾けたらいいですよ。ちゃんと三声に聴こえました」
へえええ、そおおお? てか、先週に「三声の練習のしかた」を具体的に教えていただいて、そのとおりにしただけなんだよね。

なので、やっぱり先生に感心したわ。先週ぜんぜん三声になってなかった → 先生に教わったとおり練習 → ちゃんと三声になりましたって、そのほうが仰天するわっ!

▼ソナチネ5番/クーラウ Op.55,No.2 第1楽章と第2楽章 → どちらも不合格。そりゃそうだと思う。なんせシンフォニアにかかりっきりでソナチネまで手が回らなかった。第2楽章なんて、グランドピアノで練習したのが3回だけ。3日弾いたんじゃない。通して3回弾いただけ。あとは電子ピアノでちょっとだけしかやってないというていたらく。
で、第1楽章を弾き終わったとき、先生に笑われてしまった。
ワシって大仰に弾きすぎる傾向がおまして、まあそうだよねって自分でも思うけど、ついつい感情込めすぎてしまう。その結果リズムが崩れたり、主旋律が聞こえなくなったりする。

そしたら先生「それじゃあ、こう弾くヒトに負けますよ」、とココで先生がドッタンバッタン、いかにも音だけ並べましたふうに弾いて見せて、「こんなふうに弾くヒトに負けたら悔しいじゃないですか? ふふふ」と言われてニヤニヤされている。

ワシ、その「負けたら悔しい」に大ウケしてもうたわ。笑いが止まりまへん。そうそう、先生はけっこうユーモアがあってよく大笑いさせてもらってる。ワシがウマく弾けなくてヨタヨタしてたら、先生「ふふんっ」ってハナで笑ったりするときがあるけど、うん、笑われるとほっとしてウマく弾けたりするなあ。

不埒な第2楽章もていねいに教えていただいた。
レッスンが終わりごあいさつをして、レッスンルームを出て玄関でクツを履いていると、先生の歌声が聞こえた。

それはいまさっきレッスンしてもらったソナチネ5番の第1楽章だった。先生はその旋律をとても楽しそうに口ずさんでおられた。
ふいに涙が出てきて、あわてて先生のお宅をあとにした。

帰りのクルマのなかでは、やっぱりまたしあわせを噛みしめる。うん、ホントしあわせ。
「あの透明な美酒のような幸福」って、「山」にだけじゃなく「音楽」にもたしかにあるんだよね。

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