ピアノレッスン第56回|トシ寄りだからこそできること

やたら道に迷うので、クルマを運転するときは必ずナビを使う。だいたい歩いているときでもしょっちゅう道に迷う。いまのパート先はウチから歩いて8分のところにあるが、ごくたまにちがうところへ出てしまう。

田んぼのあぜ道って曲がりくねっているから、うっかり曲がりそこなうとヨソの畑に行ってしまう。べつにあぜ道でなくても迷う。前に住んでいたところでも、駅からウチに帰るまでちょっとぼーっとしていたらぜんぜん知らないところを歩いていた。

そういえば以前山登りをしていたころ、一度遭難してヘリコプターを飛ばしてしまったが、そのときも道迷いによる遭難だった。去年の春、ピアノを習いはじめた時分も先生のお宅へクルマで行きつくだけでも非常に困難だった。ナビのねーちゃんがきちんと教えてくれるのにどうして行きつけないのだろうか?

けれども、これは脳ミソの造りがそうなっているからだそうだ。根本裕幸さんのセミナーでも「セミナー会場になかなかたどりつけない」というヒトが一定数存在するとわかった。


根本さん「そこをまっすぐ行くってスマホでもわかるのにどうして曲がるの?」
迷ったヒト「なんとなく曲がりたくなったからです」

うんうんそうそう、私がクルマ乗ってるときも、ナビのねーちゃんが無言なのになぜか左に曲がってみたくなる交差点ってのがあるんだよね。

さて、そんな私でも1年以上ピアノのレッスンに通っているので、たまたま今日はナビのねーちゃんなしで先生のところへクルマで行けるかどうか実験してみた。その結果、みごと迷うことなく無事にたどりつけたのだ。

レッスンは今日で56回目だ。なるほど、私は同じ道を50回ほど走ればたぶんねーちゃんなしでも行けるようになると判明した。だが緊張した。安定性を欠いていた。そう、まるで暗譜で弾くかのようにムダな神経を使ってしまった。なにも道なんか一所懸命覚える必要ないから、やっぱり次回からはねーちゃんに頼ろう。


今回までの平均練習時間は 2時間06分/日だった。先週は 2時間04分/日だったので、おお!2分も増えたじゃないか!とすなおによろこんでおく。

▼ハノン15番/ホ長調で → 1週間で合格。
▼ハノン/変ロ長調アルペジオ → これも1週間で合格。
おかしいっ! なんでこのところどれも1週間で合格するんだっ?! なんか不合格のほうが慣れているから気色わりい。

私がいぶかしげにしていたからだろうか、先生がこんなことを言われた。「あのう、ずっと長くピアノを弾いてきている人のほうが、弾きかたを治すのに苦労するんですよ」

それは、もしかすると私を気づかってくださったからかもしれない。親の都合で13才でピアノをやめてしまって、そのあと44年間ブランクだったということに対して、私はやっぱり屈託があるんだよね。けれども、その空白期間にきれいさっぱり更地にもどって、むしろいまはプラスじゃないか。それもそうだね。


▼ツェルニー30番の27番 → また不合格。

いやあ、ツェルニーまた後回しにしちゃってダメだった。さいしょのあたりはギリギリ踏みとどまっていたものの、先に進むにつれて崩壊が加速する。「どんどん崖っぷちに追いやられていってますね」と笑う先生。「すいません、練習不足です」「はい、しっかりさらってくださいね」

▼これが本命、バッハ:シンフォニア第7番 → 不合格。

これはねえ、指使いに苦労したね。シンフォニアで新しい課題が出たときは、レッスンから帰ったその日のうちに指使いを決めるというルールにしているけど、この曲は当日中に決めきれず、翌日に持ち越して、結局丸二日間指使いだけしかできなくてかなり落ち込んでいた。実質5日間しか練習していないが、それでもさいしょの3分の1程度まではまずまず弾けた。

▼けれども、19~21小節目はくずれまくり。きちゃない。ここんとこ、毎日50回は練習していたのにねえ。まだ足りない。



▼こちらもお初のハイドン:ピアノ・ソナタ Hob.XVI:37 op.30-3 ニ長調

まあ、ホントはまずこの冒頭の楽しい「チッキンライス、コロッケ、コロッケ」からよろこびいさんで練習したいところなのだが、いえいえ、さいしょのところと終わりのところには目もくれなかった。

▼ぜったい弾けないはずの41~50小節ばっかし、鬼のように片手練習しとったわい。
で、思ったんだけど、こういうのはトシ寄りだからできることだよねえ。だってコドモはさ、「この曲でいっちゃん弾けなさそうなのはこの部分だから、まずここから徹底的に練習しよう」なんて考える?

いや、そんなふうにやれるコドモもいるかもしれないけど、少なくとも私はぜんっぜんそうではなくて、たとえばブルクミュラー25の「アラベスク」の左手なんて、弾けなくてあったりまえっ! それがどーした?! 文句あっか?! みてーなガキだった。


けれどもババアになったいま、さすがにバックレはできない。なぜなら老い先がみじかいから。ココでいまのうちに弾けるモンは弾いとかないと、どうせそのうち強制終了が来よる。ババアのあせりがあるから、殊勝にチマチマ部分練習に励むのである。

しかし、ピアノのよろしいところはどんな練習であっても何回弾いていても「ずっとおもろい」という点である。とくにグランドピアノは、音出してるだけで弦の響きが心地よいからなんぼでも練習したくなる。なので、キズが入ったレコードのごとく、おんなじところばっかしちんたらちんたら弾きつづける。

チッキンライス・ソナタ、レッスンで通して弾いてみたら、まるで昭和の洋食屋みたいに陳腐で平凡だった。それを先生が丹念に味付けしなおしたら、あれま、上品でかわいらしく、一流シェフが腕をふるったさりげない前菜みたいに生まれ変わった。そんなに典雅な曲だったのねと崖っぷちババアは感心したよ。

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