全然知らないのに「大丈夫」と言ってくれるやさしさ

昨日、合唱団の受付のひとに「春子さんは音程がはずれているかもしれない」とこっそり教えてもらったあと、ありゃりゃと思いながら駅に向かってポテポテ歩いていた。すると、バス停のところに合唱団員のひとたちが3人いた。そのうちひとりは、先日発表会に出ていたSさん。3人ともベテランでたぶん20年以上やっている年配女性だ。

私はさっそく声をかけて、これまたすぐに「さっき受付のひとに注意されましたよ」と訴えた。ここらへんが私のコドモじみているところで、なんか深く考えずにすぐ話してしまう。私「そういえば、よく先生と目が合うなあと思っていたんです。でも、それが音程がまちがっているという合図とは気がつかなくて……」

すると、ひとりのひとがすぐに「あ、それは、先生がそのときのパートのほうを見ているだけで、私も見られているといつも思いますよ」と言ってくれた。もうひとりのひとも「そうそう、先生はみんなの顔を見ているだけですよ」と言う。

Sさんは「う~ん、春子さんはいつもMさんの横に座っているでしょう? Mさんのことじゃないかしら?」とまで言う。え? 音程がちがっているのがMさんだって? いやいや、Mさんはいつも正確な音程だ。声量もあるしビブラートをかけるのでよく聞こえる。

3人が3人とも「そんなことないでしょう。気にしないでいいですよ」と口々に言ってくれた。私はなんだか恥ずかしくなってきて、早々にお別れした。

歩きながら考えたけれど、いや、やっぱり私の音程がはずれているにちがいないと確信する。私はいつも前から2列目で歌っているし、きっと先生はコイツだとわかるはず。そして先生は、コイツは毎回はずれているし初心者だから自分で気づけないし、いまのうちになんとかしようと思って、受付のひとに伝えたんだろう。

そのことは教えてもらって本当によかった。言いにくいことを言ってくれた受付のひとにも感謝している。だから、いよいよ個人レッスンとかも考えたほうがええやん!

それにしても、私がすごくうれしかったのは、ベテラン3人のだれもが、私がまちがっていないとずっと言ってくれたことだ。本当ならば、初心者がヘタクソなのは当たり前で、そういうオンチのおかげで合唱が台無しになるのをイヤがって当然なのにね。私のヘタさ加減をちっともご存じないのに「そんなことないですよ」と言い切ってくれるってスゴいことだなあ。

みなさんの思いやりがうれしかった。これまで全然気が回らなかったけれど、長年合唱団を維持しようと思ったら古参のひとたちが相当苦労してきたはずだ。私はなにも考えずにホイホイ参加しただけなんだが、古くからいるひとのおかげでこんな風に楽しめるんだよねえ。当たり前じゃないってことを意識しよう。

で、今日の練習から「音程を正確に取る」ことをめちゃくそがんばっている。ボイトレのCDとかデジタルピアノの音量を大きめにして、その音と自分の声がズレていないか、かなり集中して聴くようにした。

声を伸ばすとよくわかる。ピアノの音とズレていると、うぁんうぁんとウナリが発生するからだ。ウナリとは、振動数が少しだけちがう音どおしが干渉しあって、周期的に強くなったり弱くなったりする現象のことだ。うぁんうぁんうぁんうぁんってヤツ。

それで……いやあ、ようズレとります。やっぱり先生はわかってたんだな。スゴいわ! ひぃぃ、オンチ、治るんかいな?

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