昨日の夕方、会社から電話があった。「台風が来ますが、明日出勤どうされますか?」
え? 台風来たって会社は行くモンだろ?って思って「いや、行きます」と答えたが、電話口の正社員のヒトはなんとなく歯切れ悪く「そうですか」と言われていた。
電話が終わってから、あれ?もしかして行かへんほうがよかったん?
そうや! 来てほしくないからわざわざ電話して来たんやっ!
なので、も一度ワシから電話して「すんません、やっぱり行きません」って言ったら、「それでけっこうですよ。シフトがあるのにこちらからはなにも言えませんからね」とのこと。つまり、やっぱり出勤してほしくなかったんだとハッキリわかった。
てか、台風なんて関係ねーんだっ!
もうクビにするとわかっとるヤツが出勤したら、その給料分を会社が大損するだけやんかっ!
ああ、ホントはもうすぐにでも辞めてほしいんだと、いま気がついたわ。
それなのに、会社はワシのフトコロ具合を案じて、ちゃんと「11月末までは勤めていいですよ」と配慮してくれたんだね。
だけど、ワシ自身も、そりゃすぐにつぎの勤め先探さんといかんなと思って、いちおうつぎのトコを探して面接を取り付けてある。いや、近場にあるコンビニだよ。
解雇を言い渡された翌日、そのコンビニのサイトからパート応募しておいた。そしたら、その日のうちにその店の店長さんから電話がかかってきた。
「そのご年齢じゃムリだと思います。いま、コンビニの仕事はものすごくむずかしくなってるんですよ」とおっしゃる。
ふうん、いきなり門前払いか。
そういえば、去年の暮れにべつのコンビニの面接でも一回不採用食らってる。
だのに、ワシはフテブテしくも粘ってみることにした。まずはどうするか?
うん、そういうときはだな、まず「傾聴」すべし。先方さまの言い分にじっくり耳を傾けて、適切な相づちを打ってみようじゃないか。
店長さんのお話を聴いていると、つまり「学生でも勤まらないヒトがおおぜいいる。仕事についていけなくて辞めていく。いま残っているコはかろうじてそれに耐えられたコだけ。それなのに、還暦近いヒトにはとうていムリ」ということらしい。
そうそう、ウチの近所のコンビニやスーパーは若いヒトが圧倒的に多くてね。そりゃまその某芸大生のバイトさんなんだよね。
で、ワシふと思ったんだけど、そのコンビニに向いてなかったコって芸大生だからちゃうん?
たとえばさ、カウンセラー先生とかもさ、「事務作業」が不得意なヒトが多いんだよね。アッチ系とかソッチ系のヒトたちって、事務とか販売とか接客とか向いてへんみたい。
てなことを、接客でクビ確定のテメエが言うなよっ!て四方八方からツッコまれそうやけど、しばらくひと通り店長さんのお話をうかがったあと、ワシはおもむろにこう言った。
「なるほど、ご事情はたいへんよくわかりました。つきましては恐れ入りますが、ほんの数分でけっこうですので、いちどお会いしていただけませんでしょうか?」
うん、ニンゲン、借金かかえとると強うなる。ズーズーしくなる。押しの一手しかあらへん。だって、グランドピアノ取り上げられたら、春子、困っちゃう。(にわかにオカマ)
店長さん「わかりました。では14日に履歴書を持ってきてください」
よっしゃ! 第一関門突破!