老後に発生する医療費をぜんぜん心配していない理由

むかしむかしは、トシ取ってからかかる医療費のことをちょっと心配していた。そういえば、三十代のころ「がん保険」に入っていたこともあった。でも、四十過ぎに解約した。べつにいらんかな?と思ってやめた。

そもそも、ワシの父ちゃんが保険をキラいでね。たとえば生命保険もかけていなかった。父ちゃんいわく「自分がもらえへんからイヤや」。なので、民間の医療保険もまったく入っていなかった。

それだのに、父ちゃんは脳梗塞になりよった。半身不随で寝たきりになった。急性期を過ぎたあとも、老人病院にずっと入院していておよそ2年後に亡くなった。それまでにだいたい400万円ほどかかった。費用の半分は妹が負担した。残りは母ちゃんのへそくりで。ワシは3ヵ月分しか払っていない。

さて、入院しているのだったら「高額療養費制度」で上限が抑えられるのかと思っていたが、ぜんぜんそうじゃなかった。老人病院はいろいろな名目で費用を請求してきた。たとえば「布おむつ代」として7~8万円ほどかかった。なぜ紙オムツを使用しないのかナゾなんだが、結局月15万円ほど請求されてしまう。



ただし、いちがいに病院を責めるつもりはない。寝たきり人間ひとりを衣食住+介護しているのだから、それはやっぱりなんらかのカタチで負担しないと採算が合わない。15万ならむしろ安すぎる。

たまたま父ちゃんは2年でケリをつけてくれたが、コレ、いつまでつづくかなかなか怖かった。後半ほとんど妹がメンドウ見てくれて、見舞いもお金もぜんぶ引き受けてくれたものの、妹に申し訳なくてすごく困ったね。

で、父ちゃんが身をもって示してくれたけど、つまり脳梗塞なんぞ患うと年間200万円はかかっちまう。それが何年つづくかわからん。

なので、ワシはあっさり「ああ、コレはもう、老後の医療費なんかぜったい準備できへんな」と丸っきりあきらめた。それでなくても貯金してないんだけど、もし仮に貯めようとしても不可能だよね。どのぐらい用意したらいいのかまったくわからん。

だからね、将来医療費がうんとこさかかったら、分割払いにしてもらったらいい。父ちゃんのときも一時そうしていた。年金収入しかないでしょ? ないソデは振れんでしょ?



いろんな考えかたがあると思うけど、ワシは「老後のなんとか」でゼニを貯めるつもりがない。ゼニを作る算段はこれからする予定だが、それはカウンセリング習得費用や大学学費に充てる。老後だの医療費だの介護費用だのは「圏外」なのだ。

ってなことを堂々と書いたらどっかから石とか飛んできそうだね。けれども、いますでにグランドピアノ買ったしね。下流老人がなにやっとんねん?!ってどつかれるかのう?

でもなあ、かかるかどうかわからん医療費のためにお金を置いておくという発想がどうしてもできない。

もし本格的にそういう対策を取るとしたら、そもそもグランドピアノを買ってはいけないし、レッスンに通うこともよろしくない。知ってるヒトはわかると思うけど、音大受験前提のレッスンはなかなか高額である。下流でポチャポチャやってるババアは、ホンマはそんなことにゼニをつこたらあかんかもしれん。

「世間の常識」はそんなあたりだろう。



しかし、どうしても「やりたいこと」に忠実になったら、非常識になってしまうのだよ。やりたいようにやってたら、ソコソコで収まらなくて、ダーッと行っちまうんだよ。そこまでピアノ弾いてどうすんねん?って自分でも困惑するけど、まあどうしようもなくてねえ。

思えば、山登りも世間にはなんの役にも立たないもんだけどね。どうも世の中に迷惑をまき散らして生きてるみたいで後ろめたいのう。山とピアノでお金を使い果たして、老後の費用がぜんぜんないというのは、う、やっぱり問題なんだろうか?

いやあ、どうだろう? オノレの魂が欲することに正直になったらいいんじゃないか? そんなふうにしか生きられなくてもしかたないだろう?

これからカウンセラーをめざすけれども、「ライフワーク」をテーマにしたいんだよね。クライアントさんの「生きがい」を見つける手助けをしたいと思っている。「常識のカベ」とかを破れなくて、どう生きたらいいのかわからないヒトたちをフォローしたいんだよね。

だからこそ、「不安=発生するかわからん医療費」を前提にした「後ろ向き貯金」はやっぱりしない。「自分のいのちの炎」を燃やすために「前向き貯金」しかやらない。

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