いちばん大切なものはなに?

4年ほど前に行った職業訓練で、「気球の話」があった。私は過去2回職業訓練に行ったが、その1回目のときね。

ところで、1回目はWebプログラミングの勉強だった。2回目はデザインだった。どっちもなんの役にも立っていない。ほんと丸々税金のムダ使いになっとる。あのー、職業訓練ってそれを活かしてちゃんと就職して、そのまま長くつづけられるひともいるが、私のようにすぐさまケツ割るひともわりかしいてる。

就活できないひともいるし、どうかすると学校そのものも来なくなるひともいる。そんなことになると学校(専門学校とか)が困るらしい。お金がどーのこーので。だから、職業訓練校では「働くこと」にまつわる授業もたくさんある。授業の名まえ忘れたけど。

けっこう心理っぽい話も多くておもしろいのだが、「これまでの人生を振り返る」とかもあって、どよーんってなってた。なにせ仕事がずーっとうまくいかない(と当時は思っていた)からどん底なんだよね。


んで、その心理寄りのワークとして「気球」が出てきた。就活?の先生が「気球に乗っているとします。ところが、その気球がどんどん落ちていきます。なので、軽くしないといけません。いらないものをどんどん捨てましょう。さて、あなたはなにから捨てますか? そしてなにを残しますか?」

私はとっさに「親、いらねー」って思った。あんまり興味ないけど食べ物はいるな。水もいるな。え?何日分いるん? そっか、空気もいるな。トイレットペーパーも欲しいな。フロはいらんな。うん? そういうワークじゃねーか。なんかめんどくさいワークだな。

みんなでぼそぼそ話し合ってみたが、ぼやーっとしたシェアだった。いや、べつに心理学セミナーじゃないし、こういうワークに慣れてないよね。みなさん盛り上がらない。てか、もともとプログラミングの受講生は盛り上がらないひとばっかりだった。2回目のデザイン受講生とは大違い。

もやーっとしたまま、先生のお話になった。「いちばん最後に残ったものはなんでしたか? ひとそれぞれちがいますよね。家族というひともいればお金というひともいます。でも、そのひとにとってそれがいちばん大切なものになります。前にはね、そうですね、『音楽』って答えたひともいましたね」


私はそれを聞いて、ふうんって思った。ふうん、ふうん、なんかイライラするなあ。そいつ、空気とかいらんのん? ええかっこしいやな。とまあ、妙にザワついたので、そのとき私が最後まで残したモノは忘れてしまった。それよりも「音楽」って言ったヤツが気に食わんかった。その場におるヤツじゃないのに。

さて、いまは心理の勉強をちょっとやったから、なんでイライラしたのかよくわかる。

私にとって「音楽」は地雷だったんだよねえ。自分にとって「タブー」として封印してきたから、そこをつつかれると過剰反応してしまう。

たとえばさ、ダイエットやってるひとはさ、目の前でだれかがケーキ食ってたらイライラするじゃん? 自分が「禁止」していることをだれかがやってたら、そいつにイライラするよね。私は長年「ピアノを弾くこと」を禁止してきたから、「音楽がいちばん大事」なんて言うヤツにイライラしたんだよね。


しかし、いまはもう「解禁」された。ずいぶん時がたってしまったが、そういうタイミングが降ってきたらしく、潜在意識の奥底から引っ張り出してきて、晴れて毎日ピアノを弾いている。

楽しいかね?
それはまあ、多少なりとも弾けたらね。で、毎日やってたら1ミリずつは進んでいるかもしれない。

楽しいというよりも、当たり前って感じかな。さぁてハノンやってスケールやっての毎日が、ああこれこれって感じ。これやりたかったんよ。つづきがやりたかった。あの13才のつづきをやってみたかったんだよね。

いまなら、気球に「音楽」を残すかもしれない。トイレットペーパーといっしょに。ないと困るから。

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