まずはクルマでお迎えに行ったのだが|パートの先輩と大ゲンカ その1

私が、世間一般のかたがたをどう思っているかというと、おおむね「ふつう」なのである。正直なところ、あんまり「好き」とか「いいなあ」とは思えず、もっぱら「ふつう」なのである。しかし、自分の希望としては「もうちょい、いろんなひとに対して『好感』を持てたらいいなあ。そしたら楽しそうだなあ」と思っている。

ま、心理学を当てはめたら、また例のアレですな。「投影」っすね。

つまり「自分自身」を「ふつう」と思っているから、世間一般が「ふつう」に見えるのだ。で、ほんまは「自分自身」を「もっと好きになりたい」ってわけだよねえ。「自分をもっと好きになりたい」んだったら、こつこつビリーフリセットをやるべきなんだろうが、それねえ、もう何ヵ月もやっとらんから、あらかた忘れてしもうてね。

今年3月から「ビリーフリセット・リーダーズ講座(BRC)」通ってるのはだれやねん?!って、また「こんな自分はダメだ教」の扉を叩いてしまったよ。


まあ、いずれにしても「ビリーフリセットを勉強しに行ってる」のにぜんぜん練習できていない。たぶんコレって、ピアノで言うたら「レッスン行って、先生の前でしかピアノ弾かへん」に相当する。そんなんで弾けるようになるひと、めったにおらんわな。

今月のうちに、カウンセリング自主トレを4回分お願いできたので、かろうじてスレスレで修了できそうなものの、実践はまったくダメである。当然の結果として、相変わらず「ひとがー、自分がー、なんか好きになれへん」っていつまでたっても文句垂れてる。

そのうちなんとかしようと思いながらも、「日常の生活」は進行していく。そして、いつも火花が散るのは「ひと付き合い」である。

今夜は、パート先の会社で宴会があった。私がいつも通勤しているお店でのちっちゃい飲み会は、これまで3回ほどあったかな。飲み会、めちゃくそキラいなんだが、クビになりたくないんでガマンして出席してきた。


そして、今夜のヤツはほかの店舗も合同で、全員そろってのわりとデカい宴会らしい。イヤだけど行くよ。しゃーない。

私は、店長さんから「春子さん、お酒飲めないよね。Fさんを送り迎えしてあげてね」と頼まれた。Fさんは先輩パートさんだ。先輩いうても私よりだいぶん年下で、けどかなり「おばはん」寄りの女性だ。めっちゃしゃべるひと。

Fさんのことは、やっぱり「ふつう」なんだよね。好きでも嫌いでもない。ふつう。ちょくちょく同じシフトに入っているけど、ずっとふつう。ええひとなんやけど、ふつう。

仕事が終わったあと、そのふつうのFさんを駅まで迎えに行った。Fさんはいつものように満面の笑みを浮かべて、私のクルマに近寄ってきた。

Fさん「春子ちゃん、ぴったりちょうどに来てくれてありがと。あ、あたし運転するわ、席替わって」


私にとって今年は特別な年らしい。なぜなら「自分のクルマにだれかを乗せる」という異常事態が3度も発生しているからだ。

ま、免許取ったんがおそくてね、40才なんだよ。山登りの足に困ってクルマ買った。例によって雷に打たれたかのように衝動買いした。注文してから教習所に通いはじめたので、納車のときはまだ免許持ってなかった。間に合わなかったのだ。

なんとか免許取って、すぐに全国あちこちの山に出かけた。そういうことだったから、ええと、妹を一度乗せただけかな。ほら、金沢で。T子ちゃん、1回だけいっしょにスーパーに行ったやん。だれかが助手席に座ったのって、あれがはじめてやってん。たぶん私が42才ぐらいのとき。

なので、その後16年間だれも乗せたことが、……いやあったわ。数年前に母ちゃんを病院へ2回乗せて行った。あと、寝たきり父ちゃんを車イスごと乗せて、病院から自分のマンションへ移送した。そのときはレンタカーだった。車イス乗せられるヤツね。


よく考えたら、人並み?に家族は4回乗せているものの、さすがに他人を乗せたことがない。そもそも友だちがいないし、そんな機会がまったくなかった。

だのに、今年は6月に妹を、9月にはBRC受講生のAさんをクルマに乗せたんだよね。いやあ、どっちも緊張したわ。なにせ自損事故5回やってるんだよ、私。去年はドアミラーぶっち切れたんだよね。翌日ピアノのレッスンでさ、ディーラーに泣きついて代車借りて行ったよなあ。

で、今日のFさんである。他人を乗せるの、人生で2回目。
そしたらさあ、Fさん「あたし、運転するわ」って、なんなんっ?! このひとっ!

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