スネていると「ほんとうにやりたいこと」がわからなくなる

お、ちょっとめまいが治ってきたぞ。

昨日まではピアノを弾くとアタマがぶわんぶわんするので、一日1時間半ほどしか練習できなかった。が、今日はぶわぶわがマシなので、だいぶん落ち着いてさらうことができた。

前回レッスンのとき、ふいに速く弾く感覚がわかって、そうだ、ちょうど逆上がりがはじめてできたみたいだった。

ただ、その感覚がわかる前の段階で、自分の「気もち」がまず変わっていたんだよなあ。

それまでずっと「速く弾くことはできないはずだし、べつに速く弾けなくていいや。ずっとママチャリでええねん」と思っていた。だれど、なぜかふっと「う~ん、速く弾いてみたいかな? いつかせめて軽自動車ぐらいのスピード出したいよな」と心変わりしたのだ。


いや、待てよ。

「変わった」というより、厳密に考えると「自分のほんとうの望みにすなおになった」んだなあ。「アタマで理屈を考えるのではなく、すっかりアホになって、ただただ自分がやってみたいことにすなおになった」とも言える。

「自分がやってみたいこと」というのは、「ちゃんとソレらしいテンポでりっぱに弾けるようになること」である。やっぱりその曲にふさわしいテンポで弾いてみたいってのがホンネだった。

じゃあ、さいしょからそのホンネにすなおになって、速く弾くための練習をしていたらよかったのに、なぜにどうして私はそうできなかったんだろう?

その理由は、またしても「恨みつらみ」であった。


恨みの対象は、むかしのピアノの先生だった。小学生のときに習っていたピアノの先生が、ちっとも弾きかたを教えてくれなくて、それだのに怒られてばかりいたからだ。いつも「遅い、遅すぎる」と叱られた。

私は、ピアノだろうが仕事だろうが、つねに「遅い」と責められつづけている。それなら、本人に問題あるやんけっちゅー話にもなるが、まあピアノでも仕事でも、「私にわかるように」ゆっくりちゃんとていねいになんべんも教えてもらわんと困るわ。

私は、なにかできないことやわからないことがあると、それは「相手が悪い」としか思えない。てめえらの教えかたが悪いんじゃ。私は悪くない。

なので、よく思い出してみると、私はむかしの先生をかなり恨んでいた。先生が、速く弾くやりかたを子どもにもわかるように具体的にちゃんと教えてくれないから、速く弾けないじゃん。それなのに「遅い」と怒るなよ。


あまりにも根に持っていたので、とうとういまになっても「速く弾くなんてやりとうないわ」と私はふてくされていたと判明した。

なんだ、速く弾けない根本原因は「スネていたから」だった。またかよぉ。

で、そんなスネだの恨みだのを横に置いといて、ごくごくすなおになったらば、おお、ほんまは速く弾きたいわ!と目覚めて、そしたらちょこっと速めに弾けるようになったのだ。

こないだのレッスンでは、先生が「速く弾くときの動き」をものすごくゆっくりと、まるでスローモーションのように見せてくれた。ほらほら、いまの先生はこんなにわかりやすく説明してくれるのに、いったい私はいつまでスネてるんだろうね。


今日は、ツェルニーをゆっくりゆっくり→ときどき速くお試し→それをフィードバックしてまたゆっくりゆっくり→速くする実験→またゆっくり、ってのをずっとやっていた。だんだんと「手にハマる」感じになってきて、それはツェルニーだけではなくバッハでもしっくりなじみつつある。

おもろいな、楽しいなとちまちま練習していたが、まあね、そういう練習って子どものときはまったくやらなかったからね。いちおう毎日は弾くんだけど、部分練習はしたことがなかった。あかん、ナメすぎとる。

むかし習っていた先生は、もしかするとがっかりしていたのかな。この子、なーんもわかっとらんわって思っていたかもしれない。

先生はいつも怒っていたけれど、怒るのもしんどいもんだ。
あんなに怒ってくれたなんて、ほんとは「ちゃんとしてね。ちゃんと弾けるようになってね」という願いがあったからかなあ。


いまは、だいぶんちゃんと練習してるよ。ちょっとずつ弾けるようになってきたよ。

むかしの先生に習っていたころ、私は小学5年~中学1年で、そのとき先生はたしか五十代だった。お顔も髪型もよく覚えている。でもね、あの先生はもう他界されているよね。

なので、私があの世へ行ったら、まず先生にあやまらないといけないか。

「むかしは練習してなくてすいませんでした。なにもわかっていませんでした。あれから44年後、ちゃんとやり直しました」

そしたら先生はきっと「そうなの。またピアノやったのね。そう、よかったね」と、はじめて笑ってくれるような気がする。

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