「母が不満に思うこと」について、私はかなりくわしい。
まあ、子どもはそうじゃろ。
「お母さんのキゲン」というのは、子どもにとって重要なこと。
だから、小さいころから「お母さんがよろこぶこと、がっかりすること」は、よく研究しているはず。
いまだ「ガキンチョ」の私は、母のキゲンに一喜一憂する。
これまでにも何度か遭遇してきたが、「マンションの騒音問題」は、母の逆鱗に触れてしまう。
7月に引っ越してきたマンションだが、上の階から「ときどき」物音が聞こえるのだ。
その音のため、お母さまは「ぜんぜん眠れなかった」と、今日の朝、たいそうお怒りでございます。
母「ヒトが寝ようとしているのに、ずーっとガタガタゴトゴト非常識な音を立てる!」
そもそも母が寝るのは、夜8時45分。
7月ごろは夜9時だったが、少しずつ早まり、いまは8時45分就寝で、私もそれに合わせている。
で、昨夜はその騒音のため、寝付くのが遅くなり、今朝、母は5時50分に起床。
だが、母は「上のヤツのせいで、起きるのがこんなに遅くなった」と怒っている。
私は5時10分に目が覚めていたが、母より早く起き出すと、それこそ母のキゲンがよろしくない。
母は、自分より早く起きるヒトがいると、「自分はダメだ」と落ち込む。
だから私は、母が起き出してから2分後に、照明を付けて起きるようにしている。
と、できるだけ母の居心地がいいように気をつけてはいるものの、上の階の物音はどうしようもない。
ただし、騒音の頻度は10日に1度ほど。
私自身は、上階からはほとんどなにも聞こえない。
たまに、たしかにゴトゴトという音は聞こえるが、集合住宅なんだから、ま、そういう音もときには聞こえるよね、という程度。
だが、母は「音」に非常に敏感だ。
わずかな音でも気になり、怒りの感情をあらわにする。
過去にも、自分で直接投書したり、じかに苦情を言いに行ったりして、しかし、相手の反応は、たいてい母の望むとおりにはならないので、火に油を注ぐような結果になる。
母がそれほどに反応してしまうのは、やっぱり生い立ちが不幸だったせいだろう。
前々回住んでいたサ高住では、「隣室のテレビの音が大きい」「上階でイスを引きずる音がうるさい」と、その対応がタイヘンだった。
私がサ高住のスタッフさんにお願いしても、まあね、みなさん高齢者ばかりだし、そういうのピタッと止めてもらうのは至難の業。
前回のサ高住では、上の階のヒトが、1日数分体操するような物音に悩まされたらしい。
たかが数分、されど数分。
母にとっては「ガマンのならない数分」だったが、幸か不幸か、体操の主は他界してしまったのであっさり解決。
さて、現マンションの騒音問題も難題だ。
「10日に1度ほど、夜9時前後に、ゴトゴト音が聞こえて眠れなくなって迷惑」というのは、苦情の対象になるのだろうか?
もちろん、母にとっては「非常識きわまりない騒音」だ。
さいしょ私は母から「上のヤツに、すぐさま苦情を投書せよ」と命じられたのだが、「いやあ、まず管理会社に伝えたほうが穏便じゃない?」となだめた。
だもんで、近々管理会社宛に手紙を書かないといけないのだが、どうだろね?
私としては「苦情」というより、むしろ「お願い」のほうがいいような気がするんだけどねえ。