公開カウンセリング|遠方の心理学セミナー その4

そのあと、希望者をつのって公開カウンセリングが行なわれた。私は、公開でのカウンセリングを見るのははじめてだ。これがN先生おひとりでのセミナーだったら、たぶん平気で立候補するけれど、さすがに今回はあまりにも場違いなのでおとなしくしていた。「10日に1度しか風呂に入れませんがどうしましょう?」なんて相談でけへんがな。

一人目は、男性のかたで転職するかどうかの悩み。T先生がカウンセリングされたが、偉丈夫な見た目と違って、やはりソフトな感じで徐々に深堀りしていかれる。私はN先生しか知らないので新鮮だ。ただ、やっぱり核心は両親の問題だった。そうなんだよね、みんなソコに行きつくんだよね。

二人目は、結婚したばかりの女性。結婚したとたんに仕事の意欲がなくなったという。このひとの悩みを聞いていたら、ああ、なんか私にもわかるなあと思った。たぶんステージが変わったんだよね。いまの私もそうなんだが、他人軸→自分軸になったらホントにやる気が消えうせたから。

このひとをカウンセリングしたのはN先生で、やっぱり「昔のビジョンはもう通用しないんですよ。これからはパートナーシップのステージです」と言われた。そして「自分ひとりで生きているときは、1 + 1 = 1。でもこれからは、自分+ダンナさん+夫婦 = 3 の世界なんです。ふたりでビジョンを作っていくんです」

その相談者さんは、見るからに仕事がバリバリできそうな女性で、N先生の話を聞かれても、なかなかすぐには腑に落ちないような表情をされていた。なんとなくその気もちがわかるような気がする。私も急激に変わったから、え?なんでこうなったの?ととまどっている最中。

さてこのころになると、カウンセリングの深まりにみんな惹き込まれてきて、最後の希望者をつのると十数人が即座に手を挙げた。それでジャンケン。勝ち抜いた男性は「自分がやりたいことをいつも選べない」という悩み。

O先生がカウンセリングしたが、このかたのやりとりはとても論理的。具体的なコトバによるアプローチがきわだっている。かといって理詰めなわけではなく、感情にフォーカスするときは上手にタメを作ってくれる。なんかねえ、私が好きなピアニストB氏の演奏みたいだな。O先生が作曲家だけに、そんな連想が湧いてきた。

その男性相談者さんの悩みも、セッションが深まるにつれ、やはり最後は両親兄弟の問題に行きついた。そして、核心部分に触れたとき……そのひとの目から涙があふれた。私も思わず感極まってしまった。その場は緊張と緩和がないまぜになって、身動きするのがためらわれるほど濃密な空間になった。

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