ひとり浮いている私|遠方の心理学セミナー その5

公開カウンセリングが終わると、急に夢から醒めたかのように現実に引き戻された。セミナーは終了。そのあと、懇親会が海辺にあるレストランで開かれるというので、三々五々海に向かって歩いて行く。海を見るのは8年ぶりで、目の前が開けてあたり一面が砂浜になった。いきなりこの光景はないだろうと違和感を覚える。

こういうところへは、ひとりで来てぼーっと過ごすのがいちばん良いのに、あいにくうっかり受講生のひとりとしゃべりながら歩いていたので、アタマのなかはごちゃごちゃでせっかくの景色が台無し。

じつは、セミナー後の懇親会に参加するのははじめてだ。なんとなく懇親会に苦手意識があって、いままでは行ったことがなかった。しかし今回は泊りがけで来ているので、時間つぶしに参加してみることにした。

海の近くのレストランはロケーションはいいけれど、BGMが大音量で落ち着かない。テーブルごとに4人座り、料理は適当に取りに行く。大声でしゃべっても伝わりにくいし聞き取りにくい。

それにあらためて感じたけれど、私はこういう場での会話がたいへん苦手だ。みんな初対面なのに、じょうずに軽めの話題を口にして、笑いを誘うように盛り上げる。だれが何を言っても、冗談で返してみんなでドッと笑い合う。それが延々と続くわけだが、私にはなぜそういう会話が必要なのかがよくわからない。

たぶん、みなさんオトナだからそれができるのだと思うけど、私は居心地悪く、作り笑いを浮かべて黙って聞いていた。ああ、こんな思いをするのは、以前勤めていた会社の宴会以来だから、もう13年ぶりだよね。引きこもりにはなかなか過酷なシチュエーションである。

と、そのとき、T先生が私たちのテーブルに回って来られた。先生は快活に話しておられたが、私は、ひええ、このひとが年間1,000万PVを誇るプロブロガーなんだよねと、隣で緊張していた。でも、直接お話が聞ける最初で最後のチャンスだ。

間合いを見計らって、私は思い切ってT先生に「あの~、私は雑記ブログをしているんですが、アクセスがちっとも増えなくて……」と話しかけてみた。

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