求職者支援訓練に通いはじめて10日ほどたったが、あまりに居心地がいいのでびっくりしている。やはり一番の理由は、この訓練校の運営体制がりっぱだからだろう。私なんかがおこがましいけれど、去年の訓練校と比べると本当にちがいが大きい。
講師の方々もすばらしいし、ある程度厳しさはあるものの、訓練生に対して温かいサポートを提供しようというホスピタリティをしばしば感じる。訓練生もまじめに勉強に励んでいるひとばかりで、それでいて和やかな雰囲気だ。
私の席近くのひとは、20代前半のひとたちだけど、なんの気兼ねもなくいつも話の輪に入れてくれる。こんなに若いひとと話が合うか心配だったが、彼女たちのほうが私よりもずっとしっかりしていて、私は教えられることばかりだ。
私はこれまで事務職、コンビニ、清掃の仕事しか経験がない。しかし、このクラスはデザイナー養成コースなので、私にとってはまったく未知の世界だ。すでにかなり絵を描いてきている才能のあるひとたちは、クリエイターとアーティストの狭間を意識していろいろ考えている。
休み時間にそんな話を熱く語っているのを聞いていると、こっちまで気もちが高揚してくる。すごいなあ、自分のやりたいことと仕事とをどう折り合いつけるか、もうちゃんと見据えているんだね。
今日は、まったくの初心者の私にも真剣にアドバイスをしてくれた。ふたりのひとが、それも上級者のひとがそんな風に言ってくれたので、私はひどく心動かされた。見た目はハタチ過ぎのかわいらしい女のコなのに、もうすでに長年絵の修練を積んできているので、そのアドバイスは確かに的を得ていた。
それに、彼女たちの絵に賭ける情熱がすばらしかった。若さもまぶしい。私は思わず自分のトシを忘れて、ああ、そうか、それならアドバイスにしたがってもっと真剣にがんばってみようか、とはじめて思った。