父が亡くなってもう2年

11時に目が覚めた。外はいい天気だった。ちょうど2年前、父が亡くなった日も抜けるような青空だった。死亡時刻の11時42分、べつに今日は思い出さずに過ぎてしまった。でも、やっぱり今日という日は特別だ。

1ヵ月ほど前、地元の合唱団の演奏は、モーツァルトとフォーレのレクイエムだったが、父の命日が近かったので感慨深かった。演奏者もみんな黒の衣装。隣に座っていた60代くらいの女性は途中で泣いていた。だれか近しいひとを亡くしたのかしらと気になった。

休憩時間に、その女性は「すみません、オペラグラスをちょっと貸してもらえますか? 知り合いが合唱団にいるので」と言うので、「どうぞどうぞ」と差し出して少し話をした。そのひとは去年にご主人を亡くしたという。「主人の指輪をね、ほら、ネックレスにしているんですよ」と見せてくれた。

いいご主人だったのだなあ。まだ一年では傷が癒えないよね。これからひとりの人生はつらいよね。

そんなことを思い出しながら、合唱練習の2回目に出かけた。日中にとりあえずソプラノⅡの部分をマーカーで塗っておいた。1回目のとき、周りのひとがそうしていたからだ。ブレスはどこでするのかようわからん。

どの曲を練習するのかナゾだったが、今日も第1曲目のおさらいだった。私は合唱の経験がほぼゼロなので、1回目のときは自分の声すらぜんぜん聞き取れなかった。けれども、今日はかろうじて自分の出している音ぐらいはわかるようになってきた。

昨日と今日、ウチでちょびっと発声練習もしたので、少しばかり声も出るようになってきた。むう、これから毎日練習するべ。でも、やりすぎには注意しなきゃ。

練習場であるホワイエのシャンデリアがきれいだなあとか、外の夜桜もライトできれいだなあとか、何よりも先生の話に萌えちまうなあとか、今日も感動することしきり。先生「バッハの意味って知ってますか?」 うん、知ってる、小川さんだ。バッハって「小川」という意味だ。

「バッハは最初の奥さんに死なれて、でも再婚して、合計20人の子どもをなして……」 うんうん、知ってる。てか、私はオトナ向けのバッハの伝記がむずかしすぎて読めなくて、コドモ向けの伝記を読んだだけだが、やっぱりバッハは大好きなのでよく覚えている。ええなあ、バッハの話がてんこ盛りで。

先生もバッハ愛があふれていて、途中で「やっぱりバッハが好きだ~!」とか「ぼくは前世はドイツ人だったんです」とかむっちゃウケるんですけど。ああ、ココでは年末に紅白を見ないことを恥じなくてもよいのね。ココの変態集団はすべからく第九を聴いているにちがいない。

今夜はNさんと席が離れていたが、帰りに見つけて話しかけた。「パイプオルガンのレッスン、どうですか?」「あ、まだ説明を受けただけで楽譜もらったばかりです。バッハのパストラーレですよ」「BWVの何番ですか?」「5XX番ですよ。平均律よりかんたんです」

そっか~、Nさん、きっとピアノで平均律まで弾けるんだなあ。ふうん、こんな話をリアル世界でできるとは夢にも思っていなかった。ネットではね、ピアノブログをやっていたとき、ブロ友さんとできたんだけどね。まさか、このクソ田舎に150人もこげなヒトが群れなしているとは!

う~ん、これも父ちゃんのおかげかもしれん。きっとそうだ。私がこどものころ、父ちゃんはレコードばかりかけていて、私を音楽漬けにしてくれたしね。そういう子ども時代を過ごさせてくれたことに本当に感謝しているよ。これからも父ちゃんと同じく音楽を大切にして生きていくよ。

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