北海道放浪49日目|いろんな意味でヘヴィーだった網走監獄

7:30起床。車内温度14.0度。なかなかしぶとい雨風で、結局一晩中ゴウゴウザアザア続いてもまだ足りず、今朝も盛大に降っている。
それでは、網走監獄を見に行こうか。お盆をすぎていくぶんかはヒトも少なくなっているだろう。

道の駅「しゃり」で車中泊していたので、西へ西へと網走に戻る。なにせどしゃ降りの雨なので慎重に50キロ程度で走る。そんなに交通量はないが、うしろにぴったり張りつかれたらすぐに道をゆずり、つねに後方を気にして緊張しっぱなし。

途中で事故らしき現場にも出くわし、うわ、やっぱり気をつけないとエラいことになると、ますます負荷がかかる。パトカーが何台も停まっていたが、どんな事故かわからずじまい。ソコでわき見をするとあかんのやと思い、前しか見とらんかったからね。

ようやく「博物館 網走監獄」に到着。412台停められる駐車場はけっこう埋まっている。

これは「正門」。雨が強くて建物の写真はこれ一枚きり。

そもそも、北海道の開拓は「監獄開拓」→「屯田兵開拓」→「移住民開拓」の3段階で進められたそうだ。

まずは監獄の囚人によって、道が開かれ、家が建てられ、原生林が農耕地としてひらかれたとのこと。そんなことはまったく知らなかった。

どこの展示もたいへんわかりやすく示されている。

もっとも有名な「五翼放射状平屋舎房」。5棟が放射状に広がる舎房。

そのなかの「雑居房」。9.9㎡。こういった囚人の人形があちこちにある。かなりリアルなのでまじまじと見てしまう。

「独居房」。4.9㎡。

「浴場」。15分しか入れなかったらしい。「くりからもんもん」の説明書きまであった。

「二見ヶ岡刑務支所」の舎房。こちらは農園作業をしていた施設。1896年に建てられたものを移築。床も当時のままなのですごい。

二見ヶ岡刑務支所の食堂。やっぱり人形がリアルで、ひとりひとりどうしてこのポーズなのか考えてしまう。

「監獄歴史館」では、監獄の歴史や資料、そして現在の刑務所についてもくわしくわかる。

森を切り開いて幹線道路を作るのがきわめて過酷だったそうだ。

明治時代の北海道地図などもあって興味深い。

美唄市国道12号線、日本一長い直線道路(29km)で知られているが、これも直線路にせよという命により囚人らが開削したからだという。

体感シアターとして、道路開削について7分の上映。しだいに気が重くなる。

当時は囚人といっても軍事犯や政治犯が多かったというし、開拓ではアイヌのひとたちを強制労働させていたこともある。そういうひとたちの犠牲によって北海道がひらかれたのだ。

「休泊所」という仮の宿舎。道路開削のとき、移動のたびに建てた仮小屋。

朝、木のまくらを叩いていっせいに起こしたらしい。のちにタコ部屋にも引き継がれた。

生々しい寝顔。こういう生活を余儀なくされていたなんて。

「罪を憎んで人を憎まず」ということばがあるけど、当時はそんな考えかたもなかったんだ。

「監獄歴史館」で、現在の網走刑務所も再現されていて、

「共同室」は16畳半に6名が収容され、83室あり、

「単独室」は4畳半の個室。これが938室あり、いまは個室がほとんど。

こんなに居住空間が改善されていてほっとした。
あくまでも個人的な考えだが、快適な環境があってこそ矯正が可能になるのではないか。

「監獄食堂」というレストランも併設されていて、これはごくふつうの明るくきれいな建物で、

メニューに、現在の網走刑務所で出されている監獄食そのものがある。

ほっけを食べてみた。麦飯もおいしいし、おかずもヘルシーですごくいい献立だ。

しかし監獄の歴史を知るにつれ、だんだん気もちが沈んでしまった。
さらに、この施設はじつに広大で東京ドーム3.5個分もあり、その敷地に25もの建物があり、全部をめぐるのにたいへん時間がかかる。しかも移動のたびに雨風に容赦なくさらされる。
心身ともにかなり疲れるミュージアムだ。

おやつにはイモモチ。揚げたてでおいしくてちょっと元気が出た。

なんだかフラフラになってしまったので、温泉に行こう。4日まえにも行った「ホテル網走湖荘」。

今日は空いていて露天風呂もひとりきりだった。

ホテルを出ると、おお! ようやく雨があがったね。でも、まだ風は吹いている。

網走に来たから、今夜は道の駅「流氷街道網走」で車中泊。もうクルマの数はずいぶん少なくなっていた。

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「北海道80日間放浪」1日目から読むには、こちらから
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