北海道放浪72日目|有島記念館を訪れたのち、またまたねぐらジプシー

7:30起床。車内温度19.0度。道の駅「ニセコビュープラザ」にいる限り、野菜とパンと乳製品には困らない。むしろ震災前の朝食よりごちそうになっている。

石窯のくるみパン、ミニトマト、飲むヨーグルト、ゆで玉子。

私は料理が非常に苦手で、唯一作れるのがゆで玉子だけ。それもかなりめんどくさかった。

今日は一日くもっているようなので、「有島記念館」へ行く。小説家有島武郎の記念館だ。

けれども、私は有島武郎をまったく読んだことがない。

入館すると、まず映像を観るようにすすめられたので15分ほど視聴。やっぱり映像はわかりやすいね。

それから、常設展示室へ。

レンガの内装が重厚で、落ち着いて見やすい展示だ。

有島武郎はニセコに農場を所有していたが、みずからの思想にもとづいて、のちに小作人全員の共有として無償開放したそうだ。
農地をゆずりうけたひとたちが、有島の没後も謝恩の意を寄せ、資料を継承していまの有島記念館にいたるという。

小説「カインの末裔」はニセコを舞台としているし、ほかに「生まれ出づる悩み」「親子」もニセコにちなむ作品。
「カインの末裔」は、自然とも社会とも調和できず、本能のまま野性的に生きる農夫の姿を描いたとのことで、とても読んでみたくなった。

今日、本来はここで合唱コンサートが開かれる予定で、ちょっとまえから楽しみにしていたのだが、震災のためやはり中止だった。

それでも、しゃれたブックカフェが併設されていて、

全面ガラス張りの心地よい空間でゆったりくつろげる。

有島武郎の著作などを自由に読める。

昼どきだったが軽食はないので、スコーンとコーヒー。

もちろん、羊蹄山も添えて。いいねえ。

特別展示室は、六花亭のパッケージで有名な藤倉英幸の切り絵など。

北海道らしい情景が描かれていてすばらしい。

気に入ったのは、まず「若い夏」。ひとめで北海道だとわかるねえ。

「遠い海」。岬の魅力が凝縮されているかのよう。

そしてやっぱりいちばん好きなのは、羊蹄山がある「中山峠から」。

この記念館には展望台もある。でもエレベーターがないから階段を使ってふうふう。

タワーの上からは、また羊蹄山。どれだけ見ても見飽きない。

となりにはニセコアンヌプリ。

記念館の公園もとてもきれいだ。う~ん、ニセコに移住しようかな?

ひさしぶりにミュージアムを楽しんだあとは、ニセコ昆布川温泉「幽泉閣」へ。

地元のひとがほとんどの施設。天井が高くて明るいエントランス。

そういえば昼にスコーンしか食べていなかったので、玄米パンを食べておく。もっちもち。

休憩室は節電のため半分しか照明がついていなかった。

温泉のあと、いくつかコンビニに寄ってみたが、営業していても商品が入荷してこないようだ。

ここも売り切れたままからっぽ。
コンビニ3店舗はどこも同じで、すぐに食べられるものはほとんどない。

道の駅「ニセコビュープラザ」にずっと居たら食べ物には困らないが、そこに停滞しつづけるのもどうかなあ?
ハプニングを楽しむのも放浪の醍醐味なので、今日からはあえて移動しよう。

まず道の駅「らんこし・ふるさとの丘」にやって来た。ここは台風の翌日、9月5日に通過したところ。また同じところをぐるぐる回っている。
小さな道の駅でおそらく車中泊するクルマはほとんどいないだろう。

裏の公園は荒れたままだが、

遠くに羊蹄山がまだ見えてうれしくなる。

「らんこし・ふるさとの丘」をパスして、つぎの道の駅「くろまつない」、ここはどうかな?

う……地震の影響で夜間はトイレを使えない。

けれども、きれいなレストランは夕方6時まで営業していて、

トマトソーススパゲティを食べられた。助かったなあ。しかもおいしい。
道の駅「くろまつない」にはスパゲティを食べに来たわけだ。

とっぷり日が暮れて真っ暗になってしまったが、どうせクルマはほとんど走っていないので、道の駅「らんこし・ふるさとの丘」までゆるゆる15kmほど引き返した。

やっぱり停車しているクルマは見当たらないが、気にせずここで車中泊。

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