「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」に行き、モリス熱再燃

私が突如として「壁紙」にめざめたのは、いまから5年半まえのことだった。

たまたま超狭小中古マンションを99万円で購入し、だが内装はボロボロでそのまま住める状態ではなかったので、全面リフォームすることになった。
マンションの中身全部をバリバリぶっ壊して、劇的にちがうヤツにするアレね。

そのときに壁紙をどうするかカーテンをどうするか、カーペット、巾木、建具とすべて自分でえらぶことにしたら、エラくハマッてしまって、結局壁紙なんか約7,000枚ほど見て、そのうちいちばん気に入ったヤツを貼ることにした。

都会のありとあらゆるショールームを頻回見に行って、そのうちに金持ち御用達のアソコのショールームなんか、なに?このおっさんかおばはんかわからんミョーなヤツ、また来たっちゅうことで、あいさつもされなくなったりした。

そんな仕打ちにもめげずに通いつめたあげく、私はウィリアム・モリスにうっかり惚れ込み、ウチのカーテンはモリスのハニーサックルとウィロー・ボウになってしまった。
5畳一間にモリスのカーテン吊ってどーすんだい? いや、下男部屋仕様ということで。

さて、田舎から電車を乗りついではるばる大阪の中心までおもむき、阪急うめだ本店でやっている「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」へ行く。
モリスも壁紙も大好きだからこれは見のがせない。

▼ギャラリーまえでウロウロしていたら、やや年配の女性が「余っているので」とチケットをくれた。ええっ?! 赤の他人なのにいただいていいの?
代金を差し出しても受け取っていただけないので、ありがたくちょうだいすることにした。感激!

再入場はできないそうなので、まずはメシにする。
▼イタリアンレストラン「イルデジデリオ・オルタッジョ」

▼前菜。サーモンとかハムとかすごく美味。こげなモン食べるのは北海道以来だね。

▼スパゲッティ 三重県産洞窟きのこのオイルソース。ズバ抜けて風味のいいきのこ。

▼カプチーノ。ワシ、カプチーノってどんなモンか今日まで知らなんだ。ああ、こーゆーヤツね。

▼では、いざ「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」へ。

「壁紙展」だから、当たり前だけど壁紙ばっかりで鼻血が止まらへんようなすっばらしい展示だ。

モリス以前の時代にさかのぼって、壁紙の歴史もよくわかる。
そもそも壁紙は壁画の代用という意味合いもあって、歴史的な建造物や大邸宅に、版画のような技法で一点ずつ手造りされていたとのこと。
なるほど、壁画に匹敵するようなエンボス加工や金箔をほどこした壁紙もあり、いやもう美術工芸品のようにうつくしく神々しい。

そして、モリス自身の作品も初期のものから目の当たりすることができてたいへん感慨深い。
私はこれまでモリスは、おもに売り物のカーテンばかり見ていたが、もともとのホンモノの壁紙を見たら、まったく印象がちがって仰天した。

壁紙の現物は、線描の太さの変化や色の微妙な濃淡により、とてもダイナミックで生き生きしている。
モリスは、イギリスの自然からインスピレーションを得て、花や草木や鳥などを描いたそうだが、その花や葉のモチーフは瑞々しさがあふれており、香りまで立ち昇ってくるかのようだ。

撮影可能なコーナーは2ヵ所。
▼「クラシック・モリス」。
“部屋に何を置くにしても、まず壁をどうするか考えよ。”

うむ、壁紙に狂って走り回って正解だったらしい。
でも、汚部屋になって久しい5畳さ。

▼そして、当時の(だから「クラシック」)モリス作品でコーディネートしたコーナーがこちら。

▼この壁紙は「バチェラーズ・バトン(やぐるまぎく)」。

▼もうひとつのコーナーは「ピュア・モリス」。
“役に立つかわからないもの、あるいは美しいと思えないものを、家の中においてはならない。”

うっ……、仰せのとおりカーテンはモリスなんすが、役に立たんゴミが床を埋め尽くしておるわい。

▼「ピュア・モリス」は、現代のインテリアに合うようにアレンジされたもの。色数をおさえてシックなおもむきだ。
私はピュア・モリスも大好きで、いっつもアマゾンと楽天市場で「ピュア・モリス」ばっかし検索しておるのよ。

▼ギャラリーを出たら、お約束のグッズ売り場で、ファイルを4種類全部買っちまった。ま、そんなに場所取らへんし。
いちばん手前のが、人気の高い柄「いちご泥棒」。
庭のイチゴを食べに来たツグミのデザインで、やっぱりかわええ。

久しぶりにうつくしいものを堪能したので、気分爽快だ。
モリス、さすがにええのう。
そしてやっぱり、まず、なんとしても、早々に、汚部屋をなんとかせえ!っちゅうことね。はい。

ちなみに、撮影可能コーナーを制作したM社は、私が去年採用面接を申し込んだけれど、あっという間に書類だけで不採用になった会社だ。
はは、M社のショールームも知っていたから働いてみたかったが、やっぱり身のほど知らずだったなあ。

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