新人はとうぶん土日祝が休みのようだ。私はべつに曜日は関係ない。関係があるのは天気だけで、移動性高気圧が来たら休みっちゅうのが理想的だ。
運よく今日は晴れているし、2回目の早起きも成功したし、いそいそと二上山へ向かう。
土日祝だと、こういう人気のある山はけっこうヒトが多くなる。
山では、だれかと出会ったときに「こんにちは」とあいさつするのが一般的だ。これもヒトが多いときはなかなかめんどくさい。
それで、ふと思ったんだけど、そのあいさつってぜったいやらなあかんの? べつにやりたいヒトだけやったらエエんちゃう?
よくよく考えたら、私自身はぜんぜんあいさつしたくなかったんだよね。めんどくさくてわずらわしい。あいさつしても無言のヒトもいるし。
自分ひとりでのんびり楽しみたくて山に来ているのに、なんで他人にいらん気をつかわなあかんねん?
そうだ、やりたくないことはやめようと思って、今日からあいさつをやめにした。
それで黙々と登りはじめて、たまにすれちがうヒトにもあいさつしなかったが、おどろいたことにほとんどのヒトが無言だった!
十人にひとりかふたり、向こうからあいさつするので、そのときは私も「っちは」とボソッと返す。
でも、たいがいのヒトがなにも言わなかった。なあんだ、あいさつしないヒトが大半なんだとはじめて気がついた。
じゃあ、これまで二十年以上、出会うヒトにはモレなく必ずあいさつしておった私がおかしかったんや!
いやあ、しんどかったわ。で、コレもやっぱり自分がカン違いして好きこのんで苦労しておったわけやね。ふう。
あいさつは、したかったらしたらいい。したくないヒトはしなくていい。
私はいままで、だれにでもあいさつしていたけど、相手のヒトは、ホントはあいさつをしたくなくても、気をつかってシブシブ返事してくれたヒトがおおぜいいたんだろうと、逆に悪かったなあと思った。
まったくもってナゾの義務感でやりたくないことばっかりムリしてやってるから、だんだんしんどくなるんだよね。またひとつ、やりたくないことをやめにしてラクになった。
▼「馬の背」からこの斜面をひと登りして、
▼ようやく「二上山・雌岳」山頂に到着。やっぱり山頂まで来られるとうれしいね。
▼おおぜいのヒトでにぎわっている日時計のある広場。
▼この日時計のデザイン、シンプルで好きなんだ。
▼日時計の北側にある広場もいごこち抜群。あったかい。
とうとう雌岳の山頂まで余裕をもって登れたし、あいさつのストレスもなくなったし、申し分のない快晴だし、うむ、すばらしい日だ。
▼雌岳頂上から降りてきて、雄岳をながめる。冬枯れでベージュ一色になっている山容もきれいだなあ。
ポテポテ下りながら考えたけど、ナゾの思い込みで自分を苦しめるって、ホンマにアホや。
カウンセラー先生がしょっちゅう「すべての問題は自作自演」と言っているが、ホントそのとおりで、あいさつ問題にしても、私が勝手に「みんなにあいさつをしなければならない」と思い込んでいただけだった。
だれかに強制されたわけでもないのに、好きこのんで自分を縛るルールをつくって、そんで勝手に「アイツはあいさつを返さへんかった」とハラを立てていた。
はああ、もうホンマにやりたくないことはやめよう。そんなんやめたらだれかをウラむこともなくなる。
きっとほかにもまだまだナゾの義務感でやってることがあるはずだ。もっと自分の気もちに正直になって、義務だの見栄だのでやってることはすべて排除しよう。