天賦の才に魅了されるのは、ごく自然なことだから

繊細で敏感なひとほど、新しい環境になじむのはたいへんだろう。
Kさんが、今月からまったくはじめてのことに取り組んでいる。

そのことをはじめるまでに、Kさんが慎重に念入りに検討をかさねてきた経緯も知っていた。
だから、Kさんのことだしきっと大丈夫だと思っていたけど、お疲れもあるだろうからしばらくラインを控えていた。

ところが今日になって、ワンノートでKさんの書き込みを見ることができた。
ワンノート(OneNote)というのは、マイクロソフトのメモアプリで、エバーノートとほぼ同じようなソフトだ。
このワンノートは、特定のページをブラウザで共有できるので、私とKさんのあいだで、共有ページを介してときどき情報のやりとりをしている。

おかげで、KさんがおすすめのポップスをすぐにYouTubeで紹介してもらえたり、ワードファイルまでそのページに保管できるので、大きなものをやりとりしたり整理できたり、なかなか重宝している。

だが、今日のKさんの書き込みを見て、私はやはり心配になった。
彼女らしく、冷静に近況と心情を書きつづってくれているのだが、ひと一倍繊細なだけに苦労も多いんじゃないか?

結局、私がどうしてもKさんの声を聞きたくなって、電話をかけた。
Kさんは少し小さな声だったけど、直接声を聞けて私はほっとした。

そして、そんなにたいへんな状況であっても、Kさん自身のライフワークを継続していて、しかもさらに範囲を広げることを計画していた。
その話を聞かせてもらって、なんとすばらしいことだろう!と私は感嘆した。

おそらくKさんは、自分の魂の呼びかけに忠実なのだ。
こころの深い部分につながることがどういうことであるのか? それを知っているひとなのだ。

Kさんはいま、辛い境遇にあるというのに、私はついうっかり、ああ、こういうひとと友だちになりたかったんだよねと思ってしまった。

そうしたら、Kさんがふいに「友だちって年齢は関係ないですね」と言ってくれた。
二十才以上年下のKさんにそう言われて、私はまたとまどい、信じられない思いがわいてきた。

しかし、自分自身のホンネにすなおにしたがい、私は「そう? Kさんを友だちと思っていいの? それは本当にうれしいな。私は、才能あふれるKさんに輝いてもらいたいといつも思ってるよ」と本心を明かした。

もしかすると、私とKさんは「共鳴」する部分があるのかもしれない。
私はその「共鳴」をとても欲していて、これまではカウンセラーの先生がたにソレを求めていた。そして、じっさいにいくばくかは与えてもらっていた。

でも、Kさんはカウンセラーたちとは少しちがう。
彼らよりももっとピュアで繊細で誠実ななにかをきらめかせている。

私は、そのきらめきの行く末を見届けたいのだ。

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