好きこのんでイバラの道を歩まないでいい

新しいパートは今日で三日目だが、たいへんゆっくり「研修中」でいいそうで、まだずっと見ているだけがほとんどだ。
ベテランのヒトばかりで、といっても三十代のヒトが多いかな?

みなさん、とてもていねいにやさしく教えてくれるので、なんにも心配いらない。
ココの会社で欠員があったから募集していたのかと思っていたが、そうではなくて増員らしい。

なので、引継ぎがあるわけでもない。仕事の内容もべつに複雑怪奇じゃない。常識でわかることばかりだ。
ただ、モノの位置がわからんとか、常連のお客さんがわからんとか、そういうのに困っているけど、「そのうち慣れますから、いまはなにもしなくていいですよ」と言ってくれる。

べつに電話ぐらい取ってみたいんだけど、やらなくていいそうだからおとなしくしてる。
ぼーっと備忘録とか作ったりしてるけど、パートさんだけでなく社員のヒトも気を使って話しかけてくれたりする。

う~ん、これまでの人生でいっちゃん待遇のいい会社かもしれん。雰囲気がとてもなごやかなんだよね。
だいたいドコのパートも、入ったらいきなり馬車馬みたいに働いとったけどな。ソレが当たり前やった。

それでしかも音楽関連のことが多いでしょ?
今日も、はあ、バッハのこの曲が、ああそうなんやとか眺めていて、え?ふつうの会社でそんなモン目にすることぜったいないよな?

なんかおかしい。
こんなにしあわせな仕事が降ってわいてくるなんて、なんかのマチガイじゃねえかよ?

だから、落ち着かない。
いつかきっと、いきなりクビになるんじゃないかとすっごく心配になる。

ワシ、こき使われてサービス労働やるのに慣れ過ぎてるから、こんなトコはなじめない。
ホント、「不幸」なほうが落ち着く。うっかり「いい会社でよかった」なんて思ったら、たちまち天罰が下るような気がしてならない。

むかし勤めてた会社は残業代が出なかった。でもみんな平気で残業してたから、そんなモンだ思ってたし、残業多いヒトほどホメられてたからワシもやってた。
月150~200時間ぐらいサービス労働してたな。朝7時に出勤して夜10時に退社の毎日。休日出勤もやってて半年ぐらい休みなしとかもあった。

なんでそんなに働いていたのか? なんでタダ働きをがんばっていたのか?

それは「ホメられたかったから」だ。
そのころのワシのモットーは「エサをもらえなくても芸をする犬になる」ってことだった。

当時は、自分がどうしてそんな行動に走るのか、まったく理由がわからなかった。ただ、そうしたいからやっていただけ。で、たまにホメられたら、そりゃうれしかったけど、だからといって満足することはなかった。

いまは、その理由がよくわかる。心理学を勉強したからね。
「ホメられたい」って、モトを正せば「親にホメられたい」ってこと。「親に認めてもらいたい」ってことにすぎない。

ただ、さらにもっと深掘りすると、「自分が『自分の価値』を認めていない」ということに行き着く。
自分が自分自身のすばらしさを認めていないから、親や他人に「いや、そんなことないよ。あんたはスゴいよ」って言ってもらいたくなるのだ。

さて、こんどの会社に雇ってもらえたのはなぜだろう?
それはたぶん、「自分を許す」ということを学ぶためかもしれない。

なにを許すのかというと、いやべつにゴリゴリ働かなくてええよとか、ラクな仕事してかめへんよとか、好きなコトに関わる仕事してええよとか。

なんかずっと「苦労してないと、自分に値打ちがない」と思い込んできたけど、そりゃちがうよな。

ワシでなくてもだれでも「そこにいるだけ」でじゅうぶんなんだよね。
「ただ生きて存在しているだけ」でええんですわ。

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