そして原点に戻ってきた

「怒りを出せない人は、夢や目標ややりたいことが見つからない」とは、カウンセラーN先生の名言っス。
ワシは長~いあいだ、自分がホントウにやりたいことがわからなかったんでね。

「自分探しジプシー歴」が四十年以上だったかねえ。
母ちゃんにもよく言われたなあ。「あんたはいつもなにかを探してる」って。

ホンマ、探しつづけてた。
ワシがホントウにやりたいことってなんやろう?って、延々悩みつづけてきた。

ま、いちおう見つかってホッとしていた時期もあったんよ。
それは「山登り」ね。

阪神大震災でウチがつぶれて住めなくなって、ようやく親から離れて、会社の寮に一時住まわせてもらってたとき、いろんなご縁で山に登ることになった。
山、大好き。ハイキングからはじめて、2年後には日本百名山めざして、いつのまにか日本三百名山をぜんぶ踏んづけたくなった。

だから、ワシは「山ヤ」で一生終わるつもりやった。
泥のように熟睡してるときに叩き起こされて、「おまえ、何者っ?!」って訊かれても、「へえ、山ヤです」と即答できる自信があった。

だのに、雲行きが怪しくなってきたのは、いまから9年ぐらい前かね。
ネットで、ピアノブログをやっているヒトたちを見たら、すっごく気もちがザワザワしてきた。

だから、すぐに電子ピアノを買ってバイエルの練習をはじめたけど、手が痛くてうまくいかなかった。

そうこうしているうちに、ピアニストB氏(ワシが好きなピアニスト)にドはまりしてしまった。
以前からたまに聴いていたけど、やにわにとんでもなくハマッちまって、年がら年中聴いていた。著作も読みまくった。

そのころはコンビニでパートしてたけど、レジ打ってても、突然B氏の演奏がアタマで鳴り出していきなり涙が出たりした。よく泣きながら作り笑顔で応対していた。

だんだんオカしくなってたけど、まだ「ホントウにやりたいこと」はわからなかった。
その当時は、なにかの職業が生きがいになるはずだと思い込んでいた。

どうしても手がかりが欲しかったので、カウンセラーN先生がやってる「仕事・ライフワーク」関連のセミナーはぜんぶ出席した。
去年11月には、合宿のライフワーク・セミナーも行って、深夜3時50分までグループワークをやったりした。でも、そのときも決定的なモノは出てこなかった。

しかし、年が明けてしばらくして、ココロの奥底からマグマのようなものが噴出してきた。
それが「ピアノ」だった。

今年3月、音楽家でもあるカウンセラーO先生のカウンセリングを受けて、「いいじゃない、やったら?」と言われて、ピアノの先生をネットで探し、4月からレッスンを再開した。


昨日のレッスンのとき、先生のまえでワシはあるフレーズを弾いてみた。
それを聞かれた先生が、ご自身のある経験について話された。

そのお話をうかがっているうちに、ああそうか、もしかするとワシにもそういうものがあるかもしれないと思った。
そして、先生も「きっとそうかもしれませんね」と言われた。

そのことばをうかがって、一瞬寂しい気もちも湧いたけど、でも「起きていることは必然」なのだから、これでよかったとも思った。


結局、ワシは親を恨んでいたんだよね。
13才の冬にいきなりピアノをやめさせられたけど、ホントはやめたくなかったんだと気づいた。

でも、それを親に言うことはできなかった。親に逆らうことはできなかった。
だから「怒りや悲しみ」を封印してしまった。「ピアノ」もいっしょにね。

そしたら、やりたいことがわからなくなっちまった。


いま現在、親に対してもう恨みはない。
むしろ感謝している。

だって、自分でも覚えていないほど小さいときからピアノをやらせてくれたから。
レコードも、ピアノ曲はもちろん、交響曲、ピアノ協奏曲、弦楽四重奏曲、オペラとか、年がら年中かけていてくれたから。

そして、なによりも「作曲家や演奏家を尊崇する姿勢」をいつも見せてくれたから。

父ちゃんは、ベートーベンのピアノソナタ、最後の第32番を「ヒャクジュウイチ」と作品番号で呼んでいた。そのレコードを父ちゃんがかけているときは、足音も立ててはいけないような気になった。「ヒャクジュウイチ」が鳴っているとき、ボロ家は厳粛な雰囲気で満たされた。

亡くなるまえに認知症になった父ちゃんは「あのヒトはかわいそうなヒトや」とポロポロ涙をこぼしていた。あのヒトとはベートーベンである。作曲家でありながら耳が聞こえなくなってしまったことを想い泣いていた。


だとしたら、ワシがいまピアノを再開したことをいっちゃんよろこんでくれるのは父ちゃんだね。
これまでいろいろあったけどね、またピアノに戻ってきたよ。

ワシがまだ母ちゃんのお腹ンなかにいたころ、ふたりは「女の子が生まれたらピアノ習わせよう」とよく話していたそうだ。

結局、ワシは父ちゃんも母ちゃんも大好きなんだなあ。
だから、あのふたりの子どもの証としてピアノを弾くのかもしれない。

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