「もの忘れ外来」で2時間半もテストを受ける

午後から夜まではパートでさ、午前が空いてたから、また「もの忘れ外来」に行って、またまたテストやってん。

今日のは長かったわ。ぜんぶで2時間半かかった。テストの正式名称はとくに教えてくれなかった。ええと、「認知機能全般のテスト」らしくて、「優劣」を見るというよりも、「機能別にどのくらいデコボコがあるのか?」を明らかにするためのテストらしい。

「認知機能」とは、厚生労働省サイトを見ると「理解、判断、論理などの知的機能のこと」で、具体的にはつぎのとおり。
●精神医学的 → 知能に類似した意味
●心理学的 → 知覚・判断・想像・推論・決定・記憶・言語理解

ふうん、要するに「知能検査」やったんかね。
なんでもええけど、臨床心理士さんとサシでガッチリ検査っス。けっこうおもろかったわ。

いっちゃんさいしょは「コトバの意味」を説明する検査。
なにがあったっけ? もうほとんど忘れてるけど、「森羅万象」「婉曲」「DNA」「バリアフリー」「人権蹂躙」とか20単語ほど。

ワシ、DNAだけは「デオキシリボ核酸!」って叫ぶ。ついで「遺伝情報。アデニン、グアニン、シトシン、チミンの塩基配列3つがひとつの『タンパク質』をあらわす」なんちって調子こいたけど、ちゃいます、アレは「アミノ酸の配列」が正解どす。高校のとき生物好きでな、ネズミの解剖とかもしたなあ。もひとり生物好きのコがおって、ふたりで解剖しよったわ。変態。

あ、ハナシがそれた。検査は延々つづいて、図を見て欠けている部分を指摘するとか、イラストが描かれている数枚のカードを時系列に並べるとか、立方体を9つ使って見本どおりに配置するとか、うん、たしかに知能検査っぽいよね。

困ったヤツは、やっぱり計算。算数も数学もすっごく苦手だから暗算ができない。それなのに、口頭で「算数の文章題」を出題されちまう。しかも2回しか言ってくれへんイケズなテストや。つくづく自分は計算できへんと思い知らされた。

そういえば、臨床心理士さん「学校で好きだった科目はなんですか?」
「理科と国語です」
「理系も文系も得意なんですね」
「いや、ワシ高校は『就職系』ですねん」就職する連中なんてとっつも勉強せえへんよ。高校時代ヒマでヒマでしょーがなかったわ。

いろいろテスト責めやったけど、「一般常識」を試すみたいなクイズもあった。

「江戸幕府を開いた人物は?→○徳川家康」「広島原爆投下日は?→×1945年8月9日。正しくは6日。」「クリミア戦争での負傷兵たちを看護した人物は?→○ナイチンゲール」「ラジウムを発見したノーベル賞受賞者は?→○キュリー夫人」「『荒城の月』の作曲者は→○滝廉太郎」「日本三景とは?→天橋立しか知らんわ。正解はあと松島、宮島」等々。

そのクイズのさいごのヤツが「植物が光合成を行なうときに必要なものは?」 これうっかり「二酸化炭素と水」って言うたけど肝心の「光」を忘れとったわ。くやしい。

ひととおり終わって、自分の反応を振り返るとやっぱり理科関連の食いつきがよろしいとわかる。地理も大好きなんだけど、日本三景しか出なくてがっかり。山出してっ! 歴史は興味ねーなー。算数もいらんな。音楽、滝廉太郎だけってのがさびしいやん。バッハ出してくれ。絵画はまったく出題なし。ま、好きなのはシュルレアリスムだけなんだが。

さて、臨床心理士さんが「テストの結果から、これからどういう職業が向いているのかを考察します」とおっしゃる。
まあ、そのためにこげなテストをやっとるんだわね。現にクビ宣告されたわけだし。

でもさあ、57のババアがいまから職探すのに適性もヘチマもねーじゃん?
ハロワ行ったら「介護、清掃」しか勧められへんし。そーゆーヤツは手が痛いからやりとうないし。

となると、わざわざ健康保険使って、こんなテストするのってどうなんやろ?ってちょっと思ってしまった。いや、主治医の先生にはなにかお考えがあるんだろうけどね。

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