さて、ピアノのレッスンを再開して、今日で7ヵ月間経過した。
さてさて、では上達したのだろうか?
まあね、いっちゃんさいしょのころよりはほんの少し指が動くようになったかもしれない。
でもなあ、そんなにはかばかしくないね。「ウマくなってきた」っつーような実感はあまりない。
「だんだん弾けるようになってきてうれしい」なんて、みじんも思えない。
毎日「ああ、昨日よりヘタクソやん」とか、「やってもやっても変わらへん」とか、ため息ついてるだけ。
レッスン行っても、相変わらずミスタッチまみれ、音抜けテンコ盛り、弾き直しごまかし満載で、自己嫌悪にどっぷり浸る。
あらためてよくよく考えると、「ピアノを弾くことそのもの」って決して楽しいものじゃない。
だって、ウマく弾けないんだもん。要するに「プロみたいにうつくしい演奏」から百光年ほど遠いからゲンナリするだけなんだもん。
じゃあ、なにが楽しみでピアノやってるか?っつったら、いまのところ「先生のレッスンがすばらしいから」ってのがいちばんの理由である。
名人芸を目の当たりにできて、どうしたらそう弾けるのかを理論的に説明してもらえる。プロの隠し味がどう調味されているのかをあきらかにしてもらえたり、音楽にまつわる秘話をこっそり教えてもらえたりする。
まあ、いまはソレがいっちゃん楽しい。
ただ、そもそもワシは「名人芸見て、そのヒトのハナシ聞いて、ほとほと感心する」ってパターンが大好きなのだ。
それはむかしから好きで、だからあちこち心理学セミナーとかに通い詰めておって、うん、それだけでじゅうぶん満足する生きものなんじゃよ。
心理学セミナーは、ピアノの公開レッスンとよく似ている。
セミナーの最中にだれか希望者をつのって、カウンセラー先生がじっさいにカウンセリングをやったりする。で、そのあざやかな手腕にみんなでホーッと感嘆するわけだ。
あ、すんません、ワシピアノの公開レッスンなんて一回も行ったことないけど、ま、YouTubeとかで見たことあって、心理学セミナーとよう似てるなあと思っただけね。
ちなみに心理学セミナーは泊りがけの合宿セミナーもある。毎日たっぷり公開カウンセリングを堪能できる垂涎モンなんやけど、そんなんがおもろくてたまらんってやっぱりヘンタイなんやろか?
さて、オノレが7ヵ月ピアノをやってきてツラツラ考えたけど、「ピアノの趣味」ってヒトにすすめられるものだろうか?
いやあ……、あんまり積極的にオススメできそうにない。
理由は「短期間では、上達をまったく実感できない」からである。
むしろ、先に進めば進むほど「奥深さ」がわかるようになってきて、まあ、ソコをおもしろいと感じるものの、「ひええ、ソコまでやらんとあかんのかいな?」と絶望的になったりもする。
なので、あくまでもワシの考えやけど、「楽器はじめたい」ってヒトがいたとしたら、「うん、好きならやったら? ホントに好きならね。好きでないとつづかないよ。好きでないとイヤになるよ。ものすげえ根気いるよ。とにかく毎日練習せんとあかんよ。いつまでたってもヘタクソでうんざりするよ。それでも、よかったらね」としか言えない。
それよりオススメなのは「ハイキング」だなあ。
あっちのほうが「天気さえ良ければ、確実にしあわせになれる」。ホンマ、完璧に保証できるわ。
歩くのがしんどかったら、ロープウェイやゴンドラもある。なにひとつ「練習」せんでも、ぞんぶんに楽しめる。
手ごろな山をのんびり歩いて、弁当たいらげて、下りてきたら温泉浸かって、どこぞで晩メシ食ったら、最高にしあわせな気分になれるぜ。
それに比べて、ピアノのタイヘンさってなんなん?!
そりゃま、ワシ練習も好きでやってるけど、「ウマくならない」ことにおもくそゲンナリしまっせ。
ワシ、「初心者にオススメの山、百山」とかって、その気になったらピックアップできるけど、「ピアノのオススメ、ホニャララ」なんて永遠にできへんわ。
あ、ちゃうちゃう。オススメ、あることはある。
それは「ハノンとツェルニー」だ。
アレはやっといたほうがええと思うわ。アレやっとくと、結局あとでラクやと思うねん。
まだまだ初心者のワシがエラそうですまんけど、ふつうの「曲」で部分練習するよりも、その「部分練習寄せ集め特化」みたいなハノン・ツェルニーをやっといたほうがラクなような気がする。
まあでも「芸事」はタイヘンっス。
ハイキングとか旅行とかのほうがオススメっス。心理学も実用的っス。あ、「ストアカ/シンが教える記憶術」セミナーなんて即つぎの日から使えるのう。
それでもピアノやりたいって思うのは、毎回レッスンで先生が「はい、どうぞ!」って「音楽の花束」を渡してくれるからだなあ。