今日は、ピアニストB氏(ワシが好きなピアニスト)の誕生日である。89才を迎える。B氏の公式サイトを見ると、今年6月までのスケジュール(講演とか公開レッスンとか)が掲載されているのでまだまだ健在なのだが、B氏次女のツイッターをウォッチしててもなにもつぶやいてくれない。少々心配。
1月5日はピアニスト誕生の「特異日」だそうだ。ほかに、ミケランジェリ(1920年)、ポリーニ(1942年)の誕生日でもある。今年はしかもベートーベン生誕250周年の年。ああ、なんだかずっしり重みのある特別な今日という日。
なのに、とうとう暗譜ができそうもないと判明した。一週間後の発表会に間に合わない。いやあ、ここしばらく毎日がんばってたんだけどねえ。
▼シューベルト:楽興の時 第4番 D780/4 Op.94-4 嬰ハ短調。
どこか必ず崩壊しよります。ぜんぶで6ページ、でもA-B-A形式の曲だから実質4ページ覚えたらええだけやのに、それができへん。
まあ、アホなんやと思う。それだけ。トシの言い訳はせえへんねん。
昨日あたりから、ほんのちょびっとだけ「まだら暗譜ができた感」が出てきたけど、通して弾くとどこかで雪崩が発生する。しかも予測不可能。まんべんなくぜんぶ危ない。弾くたんびに遭難しとる。
それに予想外だったのは、崩壊したあと「復帰」できない場合があるってこと。完全に止まってしまって、はれ?どの音からソコはじまるんだっけ?ってなる。ウチで練習しててそうなって唖然とした。それまでに何十回も不完全ながらいちおう暗譜して弾いてるのに、だ。
う~ん、ホンマに山で遭難したときですら、自力で稜線までよじ登って、ちゃんと登山道に復帰できたのにね。地形図とコンパスでめざした方向はまちがっていなかった。だいたい山は稜線まで出たらほぼ道がある。でもさあ、ピアノで遭難したら方角すらわかんねーんだっ! ホワイトアウト(猛吹雪で視界ゼロ)じゃん! おっそろしー!
だったら、「譜面を立てる」(という言いかたをするんだね、こないだのレッスンでわかった)というやりかたでもかまわないんだよね。まあ、目の前にヘリコプター待機させながら弾くってことが可能なんだよ。
なので、今日の夕方、あまりにも毎回遭難しよるから、ああもう、暗譜やめようかなってちょっと思った。安全第一にしよか?
しかし、楽譜見て弾くのと暗譜で弾くのと、どっちがおもろいかなあ?ってぼーっと考えてたら、なんか暗譜のほうがリスキーでおもろいような気がしてきた。はじめての発表会でどのぐれえ緊張してどんだけ雪崩やら崩壊やら滑落すんのか、見届けてみたい気ィがムラムラと湧いてきた。
なんかオノレ的に「今回の発表会は、とりあえず命綱つけといて……」ってのが生ぬるい。
「んなもん、ノーロープでいてこませっ!」ってほうが向いてる。落ちようが重症だろうが這い上がるってどう?
じゃ、完全に遭難したらどーすんねん?
まるっきり一音も思い出されへんかったら?
ま、そんときゃオノレでヘリコプター取りに行ったらええんちゃう? 楽譜取りに行くってあかんの?