44年ぶりのピアノ発表会、おかげさまでちょいマシ演奏

昨日もおとついも「睡眠第一」にしたら、ピアノほとんど練習できてまへん。あのさ、臨床心理学の河合隼雄さんが、むかしのハナシで「大学生との団交を控えているとき、教授にとっていちばん重要なのは、まず前夜にたっぷり睡眠を取ること」って書いてたから、ああさよかと思い出して、ワシも練習は放ったらかしで毎日7時間寝とった。

さて、今朝もたしかに体調はそんなに悪くない。でもウチで1回しか弾く時間がなかった。げ!ソイツもデキがよくない。しかし、発表会開始時刻の3時間まえにはウチを出た。クルマを運転しながら曲を歌ってみると、ところどころアヤしい。信号待ちのときも楽譜をのぞいて確認する。

で、会場付近に来たら、まずは駐車場探しだけで猛烈に緊張する。ようやく見つけて駐車したけど、げ!こんどは下腹に痛みが走る。うおっ!ヤバっ!紙パンツはいてくるべきやった。急いで会場にかけこんでトイレを探しまくりいちおう「決壊」はまぬがれる。暗譜どころか*が決壊してどーするっ?!

ま、だいたいこういう状況のときは過敏性腸症候群に見舞われる。なので、いつも持ち歩いているトランコロンを飲んでおく。う~ん、昨日から飲んどいたらよかった。



発表会って44年ぶりだ。前回は中学1年とき。なんの曲弾いたかさっぱり思い出せないけど、とちゅうで大失敗して動転してまったく立て直せず最後までテキトーに弾き飛ばしたのだけは覚えている。そのときのピアノの先生は、とてもイヤそうな表情を見せていたなあ。それはよく覚えている。その発表会後しばらくしてレッスンをやめることになった。

なので、ずーっと44年間も引きずりながら、おお、とうとう今日という日にたどりついたのか! 人生わからんもんじゃのう。

発表会は、第1部、第2部、第3部に分かれていた。第1部は小学生以下の子どもたちの演奏だったが、ワシ、それ聴いてるだけでも緊張しすぎて胸苦しくなってきた。とりあえず第1部のあとの休憩時に安定剤を1錠飲む。

つづいて第2部開始。くわしい内容の公開は控えさせてもらうね。まあもう、みなさんすごい演奏で、しかも大曲難曲ばかりで圧倒される。すごいすごいと聴いていたけど、とちゅうでこんどは低血糖の症状が出てきた。そういえば緊張しすぎて朝食しか食べてなかった。第2部で演奏者が変わるタイミングで会場を抜け出して、今度はブドウ糖をたっぷり取る。ついでにもう1錠安定剤を投下。

安定剤2錠はよく効いた。アタマがいい具合にポワンとしてきたので、第2部最後、地球外生命体かっ?!みたいなヒトの演奏を堪能できた。



んで、ワシは第3部の真ん中へんっス。ワシよりちょっとまえのヒトたちは、やっぱり太陽系外出身じゃのう。ワシのすぐあとのヒトたちも太陽系じゃねえな。なんでこの位置なのかよくわからん土着民のワシ。

▼演奏する曲は、シューベルト:楽興の時 第4番 D780/4 Op.94-4 嬰ハ短調。

ワシの出番は、第3部がはじまってからすぐじゃないから、しばらく客席で聴いてたらいいものの、ぜんっぜん落ち着かないので控室へ行ってみた。広い控室では、楽譜を熱心に見ているひとが何人もいた。ワシも一席についてすぐに譜面をながめてみた。

いやあ、見ているだけじゃダメだ。見ながらだったり暗譜したりだったりしつつヒザのうえで指を動かしてみる。だがっ!音がようわからん。

しゃーないんで、スマホにイヤホンブッ差して、はは、オノレのYouTube(シューベルト:楽興の時第4番)を再生してみたわ。でもぉ、緊張してるから指がついていかへんねん。自分のYouTube聴きながら、自分でついていかれへんっちゅーのが情けないやらオカしいやらで参ったわ。三日まえにダレが弾いとったんっ?!

とちゅうで何回も、え?いま何の音弾いた?!って聴き取れなくて、YouTubeの赤線を指でツーッてなぞって戻して再生して、そうしているうちにも、ありがたいことになぜかそのYouTubeに応援コメントを何件かいただいて、ついつい読みながら、いや、本人はいまぜんぜん弾かれへん最中でエラいことになっとるんですけどっ?!とかツッこみつつひたすら練習しとった。



エアピアノで通して10回は弾いたかのう。部分練習もしてみた。で、やっぱり自分が弾く曲をイヤホンで聞き続けているとホッとする。ああ、コレコレって思い出せる。ほかのヒトの演奏をずっと聴いていると、自分の暗譜がどこかに行ってしまいそうでスゴく怖かったけど、その不安がちょっとやわらいだ。

それに、みなさんのコメントや高評価にとても励まされた。自分じゃそこまで思えないけど、そうなんだ、そう思ってくれるヒトもいるんだ、ああ、なんとかいまから弾いてみないと!って気力が湧いてきた。

YouTube練習しているうちに、案内係のヒトに呼ばれたので、スマホの電源を切って舞台の袖に行った。ソコにはイスが用意されていて、ワシのあとの演奏者がすでに着席されていた。つまり、ワシはもうすぐつぎの演奏でございまして、う、ちょっと遅かった。

イスに座っているときは、カウンセラー先生に教えていただいた「イメージワーク」をやっていた。他人の存在を気にせず、かつコンタクトも取れるとてもうつくしいイメージがあり、ひたすらそのイメージを「紡ぐ」。

安定剤とイメージワークとYouTube練習でギリギリなんとか弾けそうになってきたが、最後の緊張を打ち破ってくれたのは、ピアノの先生のアドバイスと笑顔だった。具体的に書けなくてすまないけど、そのひと言でぱあっと解放された。ああ、それでいいんだってふわっと浮き上がった。



ワシのなまえと曲がアナウンスされ、先生が小さく「ハイっ」と言ってくださったので明るいステージに向かった。で、お辞儀をするまえに、ワシはあることをしようと心に決めていた。

それは、客席のひとたちみなさんをゆっくり見ることだった。そうしようと思っていた。まるで、山の頂きから周囲をほーっと見渡すかのように、自分の演奏を聴いてくれるひとたちを少しばかりゆっくり見させてもらいたかった。

もうほとんど緊張は解けていたので、ワシはちょっとヘラヘラしながら視線をゆっくりと右から左に移し、そして中央に戻して、それからできるだけていねいにアタマを下げた。お辞儀のしかたは心屋仁之助さんをマネさせてもらった。心屋さんのお辞儀はものすごいっ! かつて、お辞儀だけでも度肝を抜かれるほど感動した。とうていマネできるものじゃないけど、でも、聴いてくれるヒト、そして先生に感謝を込めてお辞儀をした。

拍手をいただいて、イスに腰かけても、ごく平静だった。あ、心臓ふつうやなあって思ったあと、すごいピアノだなあって感心して奥のほうをちょっとながめた。その瞬間、ピアニストB氏の姿を思い出した。ああ、89才を迎えて今日はちょうど一週間だねえ。



出だしの呼吸は先生に教えていただいたとおりにしたら、スッと集中して入ることができた。弾きはじめてから、あ、イスがだいぶん高かったな、調節まちがったなと思ったけど、まあいいかと流した。ただ、ピアノが響きすぎてかなりびっくりした。仰天しながらも、わあ、いい音だなあって楽しくなった。

あ、もういいや、はっちゃけちまおう!って思って、長調のところはホンマにヘラヘラしながら弾いた。うん、ホント、わ!こんなにきれいな音が出るんだあってはしゃぎながら弾いた。中間部のお花畠のところ、はは、こーんなに咲いてるんだよぉ!うっとり夢心地になるんだよぉ!って弾いた。

自分の出した音を聴ける余裕がそこそこあった。ペダルをゆっくり戻すとき、音の余韻がジワッとにじむのもよく聞こえた。あ、ウチでやってるとおりにできた。でも、できたことに気を取られず先へ先へ意識を送った。ミスは数ヵ所あったけどすぐ忘れた。



結局、最後の和音まで集中を切らすことなくたどりつけた。ふしぎだった。ピアノから離れて、また心屋さん式のお辞儀をして舞台の袖に戻った。先生が「すばらしかったですよ」と言ってくださった。

どうでしょう? せっかくのおことばなんだけど。ようけまちがえましたけん。それになによりも先生のおかげだしねえ。あ、でもYouTubeの録音よりものびのび自由に弾けたなあ。やっぱり「聴いてくれるヒトが目の前にいる」ってすごいことだな。う~ん、なんか勢いに乗れるような感じがした。

とはいえ! YouTubeにいただいたコメント、それからこのブログへのコメント、ランキングクリック、そしてこのブログを読んでくれるヒトたちのおかげでいまがある。いや、ホントにね、だれかに応援してもらえるってこと、それがいちばんうれしいね。いつもありがたく思ってます。

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