どうやら「ゾーンに入る」とピアノをマシに弾ける

ゾーンに入る」ということばは、スポーツでよく使われている印象がある。ワシは、スポーツ全般ちっとも関心がないけど、それでも「極度の集中状態である『ゾーン』に入ると、最高のパフォーマンスを発揮できる」とか「ボールが止まって見える」だったり「スイカほどの大きさに見える」だの、どこかで読んだことがある。

で、その「ゾーンに入ったときにいだく感情」なのだが、「多幸感、高揚感、恍惚感」などがあげられていた。

え? じゃあこないだのピアノ発表会は、まさにその「ゾーンに入った状態」だったよね。いちばん強烈に感じたのは「多幸感」。さいしょの一小節を弾いたときから、その音の鳴り響きかたに仰天して、笑いが止まらないほどうれしくなってしまった。ホント「しあわせにどっぷり浸かって、コレ以上のよろこびはありえへんっ!」って感じた。

「高揚感」ももちろんあった。でも、う~ん、正確には「万能感」のほうが近い。いや、もちろん「万能」になんかこれっぽっちも弾けないけど、オノレの奥底から湧き出てきたのは「万能感」だった。どうにでも弾ける自信がいくらでも湧いてきたので、愉悦がこみ上げてきた。



そういうのが「ゾーンに入る」感覚だとするならば、いや、ワシはそんなのさんざん経験してきたから、おおっ!まったくいっしょじゃのうとあらためてわかっただけだった。

「山登り」してたら、そんなのしょっちゅうだから。てか、ソレを味わいたいがために山に登る。もう当たり前すぎていままで気がつかなかったけど、山へ入ったら「多幸感、恍惚感、万能感」に思う存分ひたれる。ああ、そうかそうか、ソレを「ゾーン」っちゅーねんな。

発表会で感じたのは「多幸感と万能感」だった。さすがに「恍惚感」はなかった。しかし、ああ、山といっしょやな、なるほど、あんな感じにオノレを調整したらええねんなとよくわかった。

ヘタクソなピアノ弾いといて「万能」もヘチマもあったもんじゃないけど、ま、山で感じてた「全身すみずみまで満たしていた万能感」とおんなじヤツだったから、やっぱり名まえを付けるとしたら「万能感」っス。



さて、ではその「ゾーンへの入り方」ってどうすんねん?
検索結果をちょっと読んでみたが、けっこう小難しいことばかり書いてある。情報多すぎ。ようわからん。

ええと、「集中しようと努力して」→「集中できる」んじゃなくて、「好きなコトやりすぎたら」→「勝手に集中してた」んじゃないか?
「おもしろくてたまらんコトやる」だけで、自動的にゾーンに入るんじゃないかなあ、とワシは思った。

それと、「ゾーンに入っているヒトを実際に見る」っていうのもすごく効果的だ。
見た見た見た見たっ! 発表会で「異彩を放っている」ヒトたちがおりましたねえ。とくにあるヒトがスゴすぎた。難曲を弾きこなすとかそういうのではなく、音色を作るのに異様に没入しているさまを目の当たりにして、はあ、なるほど、ピアノってこうして弾くんやねえと教えられた。

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