「向き不向きがすっごく重要」といまごろ悟る

「なにをやっても遅い」ということを昨日ひさしぶりに嘆いてみたが、しかしこれも個性といえば個性に過ぎなくて、この「遅い」ということはべつに悪いわけではない。

けれども、ふつうのヒトと時間の経過があまりにもちがいすぎるので、ヒトとリアルタイムにやり取りをするという場面で不都合が生じる。

ああそうか、といまごろになってわかったが、だから私は接客の仕事がとても苦手なんだな。私の感覚では、世の中の人々はなぜあのように高速で会話ができるのかふしぎでならない。瞬間的にパッパと状況を把握して適切な言葉を交わすということが、自分にはまったく不可能だ。

そういえばテレビを見ることができないのも同じ理由で、テレビで放送されていることばについていけないからだ。映画も見ることができない。どっちも自分には早すぎて途中でわけがわからなくなる。


では、自分がしゃべるときはどんな早さかというと、これはもう意識的にかなり早くしているつもりなのだが、それでもヒトからは「春子さん、話すのも遅い」とよく言われる。さらに間合いの取りかたもオカしいらしい。

てなことを総合的に判断すると、そうか、それで私がカウンセラー役をやると、とんでもなくへんてこな具合になるのだとよくわかった。

自分がカウンセラー役をやっているとき、まず相談者さんの話す内容を片っぱしから忘れてしまう。しょうがないから何度も聞きなおすけれども、やはり理解が遅い。そして反応そのものが一拍も二拍も遅れてしまう。

間合いということにおいては、もしかするとまだピアノのほうがマシかもしれない。音楽の呼吸のほうが会話よりもなんとかなっているような気がする。


なぜだろう?

それはもう、「向いているか? 向いていないか?」そのちがいだけかもしれない。おそらく私は、リアルタイムの会話が非常に苦手なんだろうね。ピアノもリアルタイム処理しないといけない要素がたくさんあるけれども、いやあ、きっとヒトとの会話より向いているんじゃないかね。

だってヒトと話しているとき、たいがい相手は怪訝な顔をするもんね。どこへパートに行っても、職場のヒトもお客さんもキナ臭い顔をする。こいつなんかヘンって感じで見られてしまう。それはカウンセリングの練習をしているときも同じで、私はごくふつうにしているつもりでもやっぱり妙な顔つきをされてしまう。

対してピアノのレッスンでは、先生がそんな反応をすることはめったにない。まあ練習不足で持っていって大崩壊したりするとたまに「どうしたんですか?」と言われることはあるけれども、なんだろう、ふつうの会話でいつも感じるような違和感や温度差はぜんぜんない。


もうすでに1年2ヵ月レッスンを受けているということもあるが、しかしかなり以前からまずは「多くのものを共有している」という前提らしきものを感じられる。

本当のところはそりゃ先生にお訊きしてみないとわからないが、私が演奏してヘタクソであっても「やりたいことはよくわかります」と言われる。あ、ちゃんと通じていると思う。

そして先生の指導も、なんのことかさっぱりわからんってのはほぼない。ふつうの会話やテレビはさっぱりついていけないのに、なぜかピアノの先生の言われることは、話半分でああそうか、あんな感じだなとわかる。一曲レッスンしてもらったあと、どこをどう指示されたかもほとんど覚えている。

結論。やっぱり向いている池でポチャポチャしとこう。

なんかさあ、がんばったらさあ、海でサーフィンできるかなあ?なんてカン違いしちゃったけど、いやムリっすね。私がカウンセラーになるなんてあまりにも向いていないような気がしてきた。


なので、カウンセラー養成講座事務局のヒトにこんなメールをしといた。

養成講座についていちばん困っていることは、せっかく受講しても内容をほとんど忘れてしまうことです。テキストもぜんぜん頭に入りません。課題図書も読む端から忘れてしまいます。自主トレでカウンセラー役をしているときも、クライアント役のヒトのお話をどんどん忘れてしまいます。しかたないのですが、いつも話の筋がわからなくなるのでカウンセラー役をするのがイヤになります。

ここ数年物忘れがひどくなってきています。いま58才なので年齢的なものもあるかもしれません。けれども、自分が強い関心のあるものはいまでもなんとか記憶に残ってくれます。しかし、仕事などはちっとも興味がないのでいつまでたっても覚えられません。覚える気も起きません。

カウンセリングに関することをこれほど忘れるのは、もしかして自分に向いていないからか?とも思いますが、「養成講座を受け身で受講するだけならなんとかできそう」なので、出席します。これからもどうかよろしくお願いいたします。

いけしゃあしゃあとよろしくもヘチマもないのだが、もうあきらめた。自分が苦手なことからはさっさと撤退しよう。

でも、自己探求の意味で講座はつづける。むしろ自己探求をいちばんの目標にかかげて、自分がカウンセリングを受ける体験を重ねていこう。

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