人生の残り時間がどんどん減っていくというのに|砂時計の楽しみ

もともと私はなにをやっても遅い。これまでずっとパートを転々としてきたけれども、どこに勤めても「遅すぎる」「まだできていないのか?」「どうしてこんなに時間がかかるのか?」とそんなことばかり言われてきた。

たぶんふつうのヒトと時間の感覚が大幅に異なっているのだと思う。ふつうのヒトが30分でできることは、私がやるとだいたい1時間から1時間半はかかる。スピードを上げて処理しているつもりなんだが、気がつくととっくに1、2時間が過ぎている。

そして、基本的になにもしないでぼーっとしているのが好きだ。ウチにいるときはただイスに腰かけているだけで、気がついたら3時間経っていたとかザラにある。なにかを考えているわけでもない。ぼんやりぶわーっと散漫しているだけだ。

きっとなにかの特殊能力かもしれない。このけったいな能力がたいへん役に立つのは、どこかでなにかを待っているときである。大きな病院で5、6時間待たされてもあっという間に時間が過ぎてくれる。


クルマに乗っているときは、信号待ちも渋滞もぜんぜん気にならない。もうちょっとぼーっとしていたいのに信号が青になってしまってがっかりする。

かように本人はしごくのんびりだらだらたいそうマイペースで過ごして快適なのだが、周りのヒトたちはきっとイライラの極みだろうね。まあもう仕事ではすっかりあきらめた。急ぐとしんどいので自分にとってやや早めぐらいにとどめている。職場のヒトたちもそのうちきっとあきらめるだろう。いや、あきらめてくれ。

仕事や家事はちんたらダレダレやっていてかまわないのだが、困るのはピアノだ。ピアノを弾くときもやっぱり超低速が大好きなんだが、そもそもどの曲にもその曲にふさわしいテンポというのがおよそ決められている。

そこからあまりにも逸脱して遅すぎると、いったいなんの曲だかわからなくなってしまう。とくにバッハのシンフォニアは異様に遅くなってしまうので、これだけはちっと努力してテンポを上げるようにがんばっている。


ここしばらくピアノの練習時間は毎日およそ2時間確保できている。そのうち1時間以上がシンフォニアに消えてしまう。今日は仕事が休みだったので、さらにねちねちシンフォニアをこねくり回していたら1時間半ほどあっちゅー間に過ぎてしまった。

ネチョネチョ練習でなかなか重宝しているのはこの砂時計(5分)である。

こいつは容器がわりかしスリムなので、ピアノの譜面台にちょうどうまく立ってくれる。砂がベージュというのも気に入っている。なによりもこの5分という区切りが具合いい。1~2小節ぐらいの部分練習をするとき、この5分というのが私にはぴったりだ。


シンフォニアだと1小節を5分間反復練習したら、おや? ちょっとマシになったかな?という程度まで練習できる。5分たってまだ指になじんでいないようならば、クルリンとひっくり返してもう5分追加すればよい。

さらさら流れ落ちる砂を目の端に入れながら、ゆっくりていねいに練習しているととてもしあわせな気分になれる。ことにバッハでほんのわずかずつ音がつながっていくと、おうおう、火曜日のレッスンになんとか間に合いそうだねといっそううれしくなる。

ホントはね、砂時計がひっくり返るたんびにね、確実に5分ずつ人生の終わりが近づいているんだけどね。なんだかバッハを弾いていると、むしろ寿命が延びていくような感じになってしまうよ。

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