本当に母をしあわせにしてあげたのはだれかというと

パート先でのごちゃごちゃは今日もつづいた。私はたいそう飽きっぽいので、「早くなんとかする」のなんかすっかりあきらめて、マイペースよりほんのちびっとだけ、メトロノームを3つか4つぐらい増やした程度で仕事をした。

どうがんばっても「早く」はできないな。不可能である。メトロノームをいきなり10上げるのが不可能なのといっしょだ。うう、メトロノームの話は一般的ではない。よし、やっぱりクルマの速さがいっちゃんわかりやすい。

だから、ふつうのヒトたちはふつうの道路を70キロぐらいでぴゃーっと走るけど、私は40キロとかがしっくり来る。べつに30キロでもよくて、そういえばそんなのはぜんぜん飽きずに、たぶんあたりを見回しながら日がな一日ちんたら走っていられる。

なので、仕事を人並みに「ぴゃーっと70キロ」は絶対できないしやりたくもない。けれども、いちおう給料をもらっているからには、なにかべつのモノで埋め合わせをしようかと考えている。店長さんが、ある資料をだれかに作ってもらいたいみたいなので、それやろうかな?と目論んでいる。


そういうのをやろうとしたら、もうサービス労働になってしまう。なにせ時間内に自分の仕事がまったく終わらないから。けれども、ここまで周りに迷惑をかけどおしだとさすがに分が悪い。またクビになるのもめんどくさい。

というわけで、まあ週に2~3時間ぐらいをメドに、とりあえずカッコだけでも「やる気があるフリ」を見せてしのごうかなあ。

そういえば、妹の就活はどうなってるかな?と思ってラインをしてみたら、まだ苦労している最中だった。私はおせっかいババアなので、ついあーだこーだ口出ししてしまった。ラインだとそれが一目瞭然で、なんか妹の2.5倍はしゃべってるよ。

妹は元カレの話には饒舌になる。いや、彼女は働くのが好きだからちゃんと仕事も探しているけど、いまのところ必ず「わたしが彼にしたことを思うと、申し訳なくて泣ける。彼が早くいい女性と巡り会って幸せになってほしくて」という話になる。

まだ毎日泣いているらしい。そしたら、妹が飼っているオカメインコは「不思議にだま〜ってるんだ」という。まあ泣いてばかりだと、元カレもインコも楽しくなれないんじゃないか。「まず、自分からしあわせになってみる」ってのもいいと思うなあ。


などといろいろ話していたら、私の中に突然「降ってきたモノ」があった。それは「妹が母にしてあげたこと」である。ウチラの母ちゃんは生い立ちが不幸だったせいか、「ヒトからホメてもらえるわかりやすいなにか」をすっごく欲しがっていたのだ。

具体的には「コドモをいい大学に進学させること」だ。陳腐だなあ。でも、母ちゃんは「『そういう大学に行けるコドモ』の母」という勲章が欲しかったのだ。私は、その候補から早々に脱落して高卒と決められたが、妹はもともとアタマがよかったから母の希望にかなう大学に進んだ。学費はすべて妹自身が捻出した。

今日ふいに思い出したが、結局母が心置きなく満足していたのは「妹が進学した大学」だったんだよねえ。それをだれかにしゃべって、相手のヒトが感心してくれる瞬間がいちばんうれしそうだった。老人ホームでも「ああ、だれかに自慢したい」って目を輝かせていたよ。

母ちゃんは365日怒りまくっている壮絶なヒトだったけど、よく考えたら「妹の大学」だけは永遠不変に母をしあわせにしてあげられていた。それほどのモノを妹は母にプレゼントしてあげたのだ。それはもう、なんとすばらしい愛のかたちだろう!


てなことに気がついたのだよ。いろんな愛のかたちがあるだろうけど、「そのヒトがいちばん欲しがっていたモノを与えて、一生しあわせな気分にしてあげられる」ってものすごいことだなあ。最上級の親孝行だよ。

父ちゃんも私も、母にしあわせを感じてほしいとそれなりに努力したけどね。いやあ、妹の前では惨敗だ。父も私も、そこまで母がよろこぶモノはなにひとつ与えてあげられなかった。

それとさ、案外にもね、べつに「こまやかな愛情」とか効果が持続しないもんだね。どーんと「大学」がひとつあるだけで、一生ほくそえんでいられるものだね。なので、最終的に母をしあわせにしてあげられたのは妹なんだとわかった。ひゃあ。

あ、でもせっかくそんな大学出たのに、成れの果てはダメンズコレクターだけどね。いまからでも挽回できるんだから、つぎがんばれ。はよ就職してはよアプリで探せ。

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