下流老人が「フランス貴族の踊り」を研究してみる

ふつう「カウンセリングでも受けたいなあ」って思うのは、なにかしら「問題」を抱えているときだ。

あ、そういえば、べつに「ふつうのヒト」は、そうそう「うん、カウンセリング受けよう!」なんて思い立たない。そんなホイホイ気軽に心理学のセミナーへ出かけたり、カウンセリングの予約抽せんが当たるだのハズれるだの、ふつうのヒトは言わないな。

「困ったこと」があったとしても、ふつうは家族や友だちに相談するかもね。「その家族がややこしいねん」とか「そんなん話せる友だちおらんねん」みたいなヒトがカウンセリングに行くのかなあ? 少なくとも私はそんなのが理由で、カウンセリングやセミナーしか解決方法が思い浮かばない。

で、私がたまたま習ってきた心理学では、つぎのようなプロセスが一般的だった。


1.「現在」、なにか「問題」があってしんどい。

2.「現在の問題」は過去が作っているから、まず「過去」を整理する。だいたい母ちゃん父ちゃんを掘り返す。

3.そうすると、「現在」がいったん「更地」になる。

4.新しい「やりたいこと」があらわれる。

5.「未来」は、やりたいことをやって「本来の自分」を生きられるようになる。

そもそも、いま現在「ものすげーやりたいことやってて、それに夢中」なんてヒトは、べつに「問題」なんか出てこない。他人から見たら「問題」に思えるようなことでも、本人は好きこのんでやってるから、「ちっとぐらい手ごたえがあるほうがおもろい」「余計やる気が出る」とかよろこんでたりする。

特段「やりたいこと」がなくても、日々の生活がそのまま楽しいヒトもいるだろう。ひと昔まえの主婦なんか、平穏に家事をしているだけで生きがいを感じていたかな。そんなしあわせを汲み取れるヒトっていいなあと思うよ。自分がそうなれないからね。


さて、上のようなプロセスをよく見聞きしてきたものの、カウンセラー根本裕幸さんは、数年ほど前から「別のアプローチ」を考えはじめた。根本さんいわく、「『やりたいこと』見つけて、それをやっていくほうが早いんちゃう? おおぜいのヒトを見てきましたが、案外『やりたいこと』やっていると、『現在の問題』がいつの間にかなくなるヒトがけっこういてるんですよね」

ということで、根本さんとこでは「ライフワークを探そう」セミナーがぎょーさん開催されていた。私もたくさん通ったよ。合宿セミナーにも行って、朝の4時までみんなであーだこーだ話し合ったりしたよ。

でもまあ、そのセミナー中にはピアノのピの字も出て来なくて、しかしその数ヵ月後に、まるで地下からマグマが噴出してきたかのように「ピアノ」が湧いてきた。セミナーの効果、ちゃんとあったじゃん。

私の場合、長年の「問題」って「働きたくない」ということなのだ。18才のときから「働くの、イヤじゃーっ!」ってわめきつづけて40年、まああとちょっとしたら年金もらえるんだけど、その数年間も耐えられないほど、マジで働くのがいっちゃんイヤやわ。

けれども、去年4月からピアノを再開して以来、なるほど、たしかに「働きたくない問題」は第1位ではなくなっている。いま現在の第1位は「バッハ」である。なんか寝ても覚めても「どうしたらバッハをマシに弾けるか?」しか考えていない。


こないだからバッハのフランス組曲第5番をはじめた。そしたら、そもそも「舞曲ってなんなん?」問題が勃発して、いまはとうとう「バロック・ダンス」(17世紀~18世紀半ば)にどハマりしてしまった。とりあえずバロック・ダンスのDVD2枚を買ってめちゃくそ観てる。

もともとダンス好きなんだよね。コンテンポラリーダンスとかバレエとかYouTubeでよく観てたけど、いやあ、舞踊の歴史をちょちょっとしらべていたら、おもろくてたまらんわ。バロック・ダンスは、フランスのルイ14世が発展させたんだね。

5才で即位したルイ14世は、自身もバレエを踊り、「太陽王」と言われるのも元はバレエで太陽(太陽神)に扮したことに由来するらしい。宮廷のだれよりも優雅に踊ったってさ。バレエがうまい人物が出世してヘタだと左遷だった。みんな踊るのに必死やん?

そんなん読んでたらすっごくおもしろくて、いま練習しているフランス組曲って、あああ、ほんとは王侯貴族が踊る舞曲がもとになっているんだーとか思うと、えーっ?! そげなモンを下流老人がどないして弾いたらええねんっ?!って悩みまくるわ。

うん、楽しい悩みだ。それを解決するために「舞踊譜」とかながめたり、DVDでステップを凝視したり、フランスの歴史をしらべたり、まあ見れば見るほどいろいろわかってきて楽しさが増すばかり。


てか、じっさいにバロック・ダンスを見ておかないと、ぜったい舞曲なんか弾けないよー。1拍目のステップは、必ず「上方」にスイッ!と上がる! ほんとスンッ!って上に上がる! それをイメージしないと舞曲ダメじゃんってよくわかる。

メヌエットはフランスの民族舞踊で、それをはじめて宮廷舞踊に取り入れたのもルイ14世だ。メヌエットも「舞踊譜」がある。私、楽譜と舞踊譜とDVDの画面と首っ引きで見比べて、生まれてはじめてメヌエットわかったわ。ま、わかったような気がしたわ。だーかーらー、メヌエットも踊ってるとこ見なかったらわからんかったわっ! はあはあ。

で、ここ数日でたいそう「宮廷舞踊」にくわしくなりつつある。極東の下流老人が、なぜにどうして350年前のフランス貴族の踊りを勉強せなあかんのかさっぱりわからんのだが、こんなんばっかりやってたら、たしかに「働きたくない問題」はどっかヨソに行ってしまうな。

ピアノから派生しておもろいことばっかしで、ほんま根本さんが言うとおり、「やりたいこと」やってたら思いがけない楽しみが降ってくるもんだねえ。

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