老化がどんどん進む、あらゆることが忘却のかなたへ

あらたな「老化現象」を語ろうと思う。人間ってのは、こんなふうに老いさらばえていくのだというリアルな記録を残していこうじゃないか。

いやあのさ、今日パートは別の支店に行くことになったんだよ。ほんとは明日だけ、その支店のシフト穴埋めに私が行けば済むらしい。けれども、私のアホさ加減が知れわたっとるから、勉強のために今日は事前に行かせてくれたのだ。

まあ、そんなのはお店にとったら時給のムダにすぎないのに、わざわざ下準備として配慮してくれたんだよねえ。ありがたいこってす。

それで、クルマで行くのは行けた。そりゃナビがあるから。しかしナビのねーちゃんがおらんかったら、私はどこへもたどりつけないよね。駐車場の場所は忘れ果てていたので、以前に作った備忘録で確かめる。よし、わかったぞ。


おそるおそる支店に入ったけど、モノの位置がさっぱりわからなくなっていた。ロッカーもトイレの場所すら忘れている。その店の先輩パートさんにぜんぶ訊かないとわからん。先輩といっても二十代のおねーさん。「春子さん、たしか2月にも来られましたよね」という。

それもねえ、さっぱり忘れていてなんの痕跡も残っとらんのよ。ほとんどすべて忘れていることに、先輩おねーさんはやはりびっくりしていた。だって、いま現在毎日行ってるお店でも、まだ電気スイッチの位置を覚えられてないもんね。

ただ、唯一覚えていたのは、「ここの店で、クレジット決済の手続きができなかったこと」だ。あれはものすごく困ったからよく覚えている。お客さんを長時間お待たせしてしまった。で、問題なのは、いまもまだそのクレジット決済をどうやるのか?がわかっていないということだ。

もうね、動画を撮らせてもらったよ。おねーさんがお手本でやってくれるのをスマホで撮影した。けど、見ていてもなんにもアタマに残らなかったわ。おねーさん、手際がいいものだからさーっとやっちゃう。そうすると、私のオツムはフリーズしてしまう。ん?いまどんな動作したっけ?


とりあえずその場で覚えるってのはまったく不可能なので、ぜんぶ撮影した。レジとかパソコンの操作を都度撮らせてもらったが、おねーさんはかなりふしぎそうにしていた。なぜこの程度のことを覚えていられないのか、やや不審げだった。

私はいま58才だけど、そうだな、中途半端なトシかなあ? これが六十なかばにでもなっていたら、ああしかたないねと周囲にあきらめてもらえるかもしれない。でもなあ、私の外見はかなり老けているものの、幸か不幸かそこまでりっぱなトシ寄りに見えないから、「おかしい」「覚える気がない」「努力が足りない」と叱られる。

けれども、私の脳ミソは48才以降、変質してしまったのだよ。その当時コンビニのパートをはじめたけど、店長さんがものすごくていねいに教えてくれるのに、まるっきり覚えられなかったね。そのときは「こんなハズじゃなかった!」と愕然とした。

そう、こんな私でも47才以前はまだ正常にモノゴトを覚えていられたのだ。なにも困らなかった。そもそも「忘れる」ことがほとんどなかったし、仕事もまちがえなかった。

三十代ごろ仕事の入力ミスを測定されたけど、4万回に1回のまちがいだった。まあ、手書き書類をパソコンで入力するだけの単純作業なのだが、それでもまだミスは少ないほうだった。


仕事の手順もまるまる覚えていられて、ウチに帰ってから思い出してのんびり備忘録を作ったりしていた。べつにどんなことでもころんとまるごとふつうに覚えていた。ヒトと会話していてもその内容を覚えていられた。そんなの、当たり前だった。

それがいまやこんなありさまだ。10回やると7回はまちがっている。

けれども、しかたないよね。だって自然現象だから。勝手にそういう脳ミソになっていくんだから。それを「悪いこと、いけないこと」と、なによりも私自身が考えないほうがいいよね。

きっと「なにか意味がある」んだよね。老いていくヒトたちの気もちがものすごくよくわかるとか。なにかを忘れたヒトを責めないとか。こんなにザルで水汲んでるみたいな脳ミソになってきて、それでもなおかつそのザルに残っているモノってなんでしょう?とか。

ね? けっこう恩恵があるよね。

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