またひとつ「新しい世界」を知ってしまった|バイオリン伴奏の練習

良い意味で、ココロが乱れている。

今日は、バイオリン伴奏の練習に行った。まあもう、す、す、すばらしいですねえ、バイオリンっ! もともとバイオリンの音色は大好きで、楽器の音色としてはピアノより好きかもしれない。

ピアノの音色というのは、そもそもニュートラルに思えて、でもだから、他の楽器をイメージして多彩な音をつくれるのだろうけど、バイオリンはいかにもバイオリンの音だ。しかもピアノとちがって減衰しないので、「バイオリンで、自在に歌う」というのが可能だ。

ええと、バイオリニストのYさんは、私なんかが伴奏をつとめるのが大まちがいなほどのベテランだ。なんでこんなお話が降って湧いてきたのか、いまだに信じられない。私、なにか伴奏するってのが生まれてはじめてなんだけど。


けれどもYさんが超安定して(当たり前だ)余裕で演奏されるので、ふへえ、まるっきりはじめてでもギリギリ崩壊せずに通して弾けた。私はまちがえまくっとったけどね。しかしこの曲の伴奏ってほぼアルペジオでペダル踏みっぱなしが多い。音まちがえよーが抜けよーが、かなりゴマかしやすい。

んで、テンポについて。もともとゆったりした曲なのだが、やっぱり私は遅すぎた。曲本来の適正なテンポまで上げることになる。イケるのかっ?! まあこれも崩落寸前で持ちこたえて、とにかく最後まで行きつかせる。

伴奏って、拍子の基本になるのかな? なにがあっても一定のテンポを正確に保ち、要所要所でリタルダンドを入れる。どこでどう間を取るのかは、Yさんがていねいに教えてくださる。合わせにくいところは部分練習する。

そうこうしているうちに、つまりYさんがすごいので、練習を重ねるごとにうまく弾けるようになってきた。短時間でもこんなに変化するんだーっ!と感激。


それに、バイオリンのお話をいろいろ聞かせてもらえて、これが超絶おもしろかった。バイオリンって、弾くヒトの身体が共鳴するんだって! Yさん、基本的に調弦は、音叉を一度鳴らすだけらしい。そして、自分の身体が記憶している音と、バイオリンの音が、ぴったり共鳴するように調弦するという。なので、電子チューナーでは気もち悪くて調弦できない。

そして、バイオリンの演奏というのは、まるで声楽のように、自分の身体を共鳴させて響かせるのだ。たしかに、バイオリン本体がからだに密着しているからそうなるんだな。Yさん「ピアノのヒトは、ピアノから遠いでしょ?」

それはそうだね。ピアノを弾いていて自分の身体が共鳴するかどうかなんてまったく考えたことがない。しかし、それに類することはピアノの先生がおっしゃっていた。なにせ楽器なんだから。最終的に放つ音がどう響くのか? それを追求したら、ピアノであっても身体の共鳴を含めて考えたほうがいいね。

バイオリンのお話をうかがっていると、自分がいかに無神経にピアノの鍵盤を「とりあえず押していた」のか思い知らされた。まあ、これでもいちおう1年4ヵ月習ってきて、「打鍵→押している→離鍵」についてかなり考えてきたつもりだけど、まだまだぬるかった。


ただ、私がピアノの離鍵のタイミングについて、「鍵盤が上に戻ってくる感触をつねに感じ取る。離鍵をコントロールして、レガートやスタッカートなどを表現する。音を『切る』と『離す』はちがう」とかクソエラそうにしゃべったら、Yさんはいたく感心してくれた。

そしてたいそう興味深いことを話してくれた。「身体に対して施術をするとき、一流の施術者は、身体に『触れるとき』ではなく、身体から『手を離す瞬間』をもっとも大切にするそうよ。いまピアノの離鍵の話を聞いて、それを思い出したわ」

なるほどねえ、それもまた非常に考えさせられるね。てか、Yさんのお話は、ちょうどそのバイオリンの演奏とおなじく、イメージが豊かでとてもふくらみがあって、どんな話題でも興味が尽きなかった。バッハの話もどっさりしたよー。

私が言うのもおこがましいけど、ちがう楽器奏者のお話もすごく勉強になるね。それに、演奏を間近で聴くのもいいし、「音楽にまつわる話」をするのも楽しくてしょうがない。なんだか、また新しい世界が開けてしまったなあ。ほんと、このセッティングをしてくださったかたにもあらためて感謝。

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