小さい花束をつくるための練習

さすがに大塚あやこさんの個人コンサルは超弩級だった。ばっさばっさナタをふるわれて、はあ、大手術だよー。なので、コンサル記事その3を書く気力が出ない。

ついピアノに逃げてしまう。ピアノ、ラクだからね。フタ開けて弾くだけでいいからね。開けたらハノン弾くじゃん。いまはリズム練習やってるからとくに楽しいじゃん? たーたたた、たーたたた、たーたたた、たーたたた、ってやってるうちにしんどさ忘れるよね。

でも、タダの「たーたたた」じゃない。一拍目がスイッと上にのびるように、踊りでフッと優雅に真上に上がるように、拍のアタマをきれいに響かせる。強拍以外のこまかい音はかるーく、鍵盤の上四分の一をねらって弾く。で、うつくしい音色で。

そして、両手の動きは左右対称に、これもうつくしくムダのない動きで。グランドピアノは、鍵盤のフタに手の動きが映る。まるで鏡でチェックするかのように指や手首、腕をできるだけ厳密に確認しながら弾く。

私は踊りが好きだから、バレエのバーレッスンもこんなんかな?って思いながら、いつもハノンを弾いている。教わっている奏法は、ふんわりくるんくるん回転させる弾きかたなので、ちゃんとできれば見た目もきれい。


で、つぎはスケールをいかにレガートでシームレスに弾くかの練習。小さめの音で鍵盤を這うようにつなげていく。「指くぐり」をさせない弾きかたなので、慣れてくるとレガートにしやすい。

スケールって親指をよっこらせとくぐらせるものだとばかり思っていたが、そうじゃない奏法もあるんだねえ。それに、スケールの練習ってのもダダダーッと上がって下がって、じゃんじゃんカデンツでおしまいじゃないんだ。

まるでグレゴリオ聖歌のようにうつくしく静謐に、いい香りが立ちのぼるかのように、そんなふうにスケールは弾くんだ。カデンツもそれにふさわしく、ひとつの曲が終わりを告げるかのように荘重に和音を響かせる。

というような練習は、ほんと楽しいよね。どうしたらうつくしくなるか、きれいになるか、そんなことばかり考えるって、ああ、いいもんだなあ。


私のなかで、長らく「第1位の座」を占めていた「山」は、その席を「ピアノ」に明け渡した。いや、その「自然のうつくしさ」は変わらない。それは永遠不変のものとして、神様とかお天道様とかのレベルに存在している。

ただ私が、山に逃げるのをやめたのだ。すでにじゅうぶん山になぐさめてもらったんだから、もうそろそろ下山して、これからはピアノにしようと思ったのだ。

「第1位:ピアノ」っていうのは、なかなかキビしくもある。わわっ、これからソレで生きていくってほんま?

けれども、たぶん「ムリなことを強いられる」わけじゃないからね。「いま、できること」をひとつひとつ積み上げていくだけだもんね。それは、楽しいことだしね。うつくしさをただ愛でるんだからね。

そしていつか、その「うつくしい花束」をだれかに「はい」って渡してあげられるようになれたらいいんだ。ちっちゃくてもいいんでね。

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