いまごろなのだが、「結婚」というのは基本的に生活を共にするので、ありゃま、「好き」というだけじゃうまくいかないかもねえと思い至った。
とくにシニア婚なら子どももできないし、ふたりだけでの生活というのがつづくわけだ。
なんかさ、「好き」だったらうまくいくと思い込んでた。「うんと好き」なら「うんとうまくいく」と思ってた。だから「バッハ越え」のひとならいいなあって思ってた。
ハイドン、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、ショパンは「好きさ加減」が足りへんねん。みんな好きなんだけどさ、ここらへんのひとは「どの作品もぜーんぶ好き」じゃない。すごく好きな曲もあるけど、べつにーってヤツもたくさんある。
ところが、だ。バッハは す べ て 好き。ちっせえのもでっかいのもぜーんぶくまなくもれなくあますことなく大好きなのである。だいたいピアノ曲なんて一曲もないしさ、でもチェンバロだろーがバイオリンだろーがリュートだろーが協奏曲だろーが管弦楽曲だろーが受難曲だろーがオルガンだろーが(オルガンあんまり知らん)、ぜんぶ好きっ!
こんなに好きになれたのは、ひとえに服部幸三さんのおかげである。中学高校のとき、FMラジオ「バロック音楽のたのしみ」で、服部さんがバッハ愛を込めて感極まるような解説をしてくれたからだよぉ~
で、なんの話だっけ? バッハと心中する話じゃねーよな?
そうそう、だからそのぐらいバッハが好きだと、自分でピアノ弾いてたらもう止まらなくてさあ。なんかずっと言ってるよね。バッハ偏重でほかの曲がぜんぶ手薄ってほぼ毎回だよね。バッハ弾いてたらしあわせすぎてやめられへんねん。
もうバッハは完璧に好き! 完全無欠! じゃあ、バッハぐらい好きなパートナーができたら「ぜーんぶ好き」でうまくいくかと思ってた。
でもそれはちがうんだろうか? バッハ級のひとを探すのはまちがいか? モーツァルトやショパンで妥協するのが結婚なんだろうか?(何様だよ?) てか、そもそも好きとか嫌いって問題じゃないのか?
そしたら、堀江さなえさんがFacebookでこう教えてくださった。
「『どんな人がいいのか?』というのは、自分とは何が好きで、どう過ごしたくて、どんな風に人と関わっていきたいのか、が明確になると分かります。
『どんな人がいいのか分からない』は、『自分の感覚が分からない』『好きなことが分からない』とイコールなんだよね」
そっかー、やっぱり! 好き嫌いの話じゃないんだ!
じゃあ、いっこずつよく考えてみよう。
1.自分は何が好きか?
そりゃま、バッハですたい。以上。
で終わっちまわないで、ピアノ好きっすよ。クラシック音楽。とくにバロック。
心理学もやっぱり好き。セミナー大好き。「ビリーフリセット・リーダーズ講座」再受講したい。
別格で、山好き。放浪もいいねえ。
2.どう過ごしたいか?
ひとりでぼーっとしていたい。
え?ってびっくらこいたけど、やっぱりひとりは好きだね。
だから、パートナーがいたとしてもずーっといっしょはしんどいな。
あ、でもドライブはいいなあ。見晴らしのいい丘とかパートナーといっしょに行ってぼーっとしたい。それはぜひやりたい。
3.どんな風に人と関わっていきたいのか?
これがむずかしいんだよね。
そもそも人を避けて生きてきて、関わった経験がほとんどない。やったことがないからイメージが湧かない。
ひとといっしょにいてすごく楽しかったのは「ビリーフリセット・リーダーズ講座」だなあ。あと、職業訓練校も2回ともかなり楽しかった。ということは、だ。「だれかといっしょに勉強する」というのが好きなんだな。そうか、だから大学行きたいんだよね。
う~ん、悩ましいなあ。
何十年もひとりで生活してきたから、だれかといっしょにどうするか?はわかりにくい。なにをしたら楽しいのかもわからない。
そうだ。妹といっしょに過ごすのは楽しい。数年に一度ぐらいしか会えないけど、話をするのがおもしろい。でも彼女の話題は「こじれた男関係うんぬん」が大半だ。そうじゃなくて、私が楽しい話題は「文学、映画」だなあ。自分がまだ知らない芸術の魅力を教えてもらうのはすっげー楽しい。
そうそう! わかったっ!
私は、芸術や自然に感動するのが大好きな生きものなんだなっ!
いまごろわかったよ。
でもさ、パートナーが同じ趣味嗜好であって欲しいとは、それほど強く思わないな。そこはさ、すでにひとりでやって間に合ってる分野だからね。ま、同じってのも楽しそうだけど。
自分とはまったく正反対のタイプというひとにも興味があるね。「そんなん好きなんっ?!」って仰天してみたい。
せっかくだから、脳ミソ攪拌されてみたいかな。それもおもしろそう。