そういえば、母ちゃんは、あらかた専業主婦だったので、自分では年金を1円も払っていない。
にもかかわらず、88才である現在、遺族年金もふくめて潤沢な年金をもらって暮らしている。
遺族年金の手続きは、私がやったのでよく知っているが、多いねえ。そりゃもう、私の年金予定額の2倍以上もある。
なので、母ちゃんは、いまサ高住にいるけれど、お金にはちっとも困っていない様子だ。
で、またまた母ちゃんの「年金総額」をざっくり計算してみたら、いまの時点で、すでに 6,000万円以上受け取っている。
昭和ヒトケタ世代って、まだけっこう専業主婦が多かった。そういう女性たちは、自分で年金を払っていなくても、こんなに多額の年金をもらえてしまう。
てか、まあ、年金の設計そのものが、こんなに長生きするとは想定していなかったし、急に減額もできないし、てとこかねえ。
けれども、いま現在、非正規雇用のひとたちがあふれかえっており、そんなに高い年金保険料を納められないだろうに、え? じゃあ、その6,000万円は、いったいどこから出てきたのだ?
しかも、母ちゃんはまだ生きている。これからも年金は支給される。介護費も医療費も、9割は「だれかが負担」するというしくみが継続する。
だ、だいじょうぶかっ?! 日本!
ああ、なんと、40才以下のひとたちは、こんなにも先細りしているんだねえ。
対して、70才付近でいっちゃんボリュームがあるのが、いわゆる「団塊の世代」だ。このひとたちが、今後どんどん「健康寿命」を超えていく。
それを若いひとたちで支えなくてはならない。
わあ、たいへんだなあと思うと同時に、いや、じつはこの「団塊の世代」とは、日本で「ただ一度だけ」出現した「特異な集団」なんだろう。
だって、それ以前に、ここまで大量に、子どもが生まれ育つことはなかったし。
そして、これからは、おそらく決してこれほどの規模のベビーブームは起こらないだろうし。
引用元 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf
明治時代と比べたかったので、このグラフを。
2020年(令和2年)の出生数は、84万人で、1899年(明治32年)の調査開始以来過去最少らしい。
その1899年(明治32年)ですら139万人であり、よく調べたら、1986年(昭和61年) が138万人で、35年も前から、明治時代の出生数を下回っていた。
ああ、そう。
じゃあ、やっぱり「団塊の世代」って、日本でさいしょでさいごの「大集団」なんだねえ。
では、どうして「団塊の世代」(第一次ベビーブーム)が生まれたのか?
それは、第二次世界大戦が終わったからだという。日本にかぎらず、世界のほかの国でもベビーブームが起きたらしい。
ふうん、戦後まもなくで、みんな貧しいにも関わらず、結婚して子どもを産みたかったんだね。
いま、少子化に歯止めがかからないのは、「未婚・晩婚化」が原因という。
▲この記事は、とてもおもしろかった。
で、どんなふうに「お金が足りない」かというと、
なるほど、女性が高望みする傾向があり、もしかすると、男性もそれに応えるのがタイヘンかも。
おもしろいのは、すでに結婚しているひとたちの「結婚した理由」である。
実際の結婚にいたるキッカケとしては、「お金不足の解消」理由は非常に説明力が低く、むしろ「出会い(力)」が最大の結婚トリガーとなっていることが示唆されている。
結婚した理由が「お金とぜんぜん関係ない」のが、やっぱりだし、なんか笑える。
そりゃ、だって「お金のあるなし」が関係するなら、戦後のめちゃくちゃな時期に、だれも結婚しないでしょ?
経済力が乏しい国だって、ものすごく人口が増えているわけだし。
そしたら、「結婚できないのは、お金が足りないからだ」という理由は、もしかすると「表向きの言い訳」で、ほんとは「別の理由」があるのかもしれない。
いずれにしても、少子化の改善なんて、ひじょうにむずかしそうだ。
私も、結婚や出産と無縁だった。
「子どもを産まない」というのは、じつは「社会にかなり影響を与えている」面もあるとわかって、あららーと思っている。
そんなの、個人の自由なんだけどね。みんな自由でかまわないんだけどね。
しかし、みんなの望む自由が反映されると、日本の人口はどんどん減るんだね。
「むかし、日本には、1億2808万人もいたんだよ」
「むかし、年金って、自分が払わないでも何千万円ももらえたんだよ」
何百年か後、細々と生き残った日本人の末裔が、そんなむかし話をしているかもしれない。