【大損|悲惨】「狭小中古マンション」の購入と売却 その2|売り主さんが激怒、まるで悪夢のような物件引渡しに

「売り主さんマジギレ」という文字と、「激怒するライオン」のイラスト 【大損|悲惨】「狭小中古マンション」の購入と売却

もともと「賃貸で入居したい」と思っていたマンションが、99万円で売りに出された。

私は「なんという幸運! このマンションとは格別のご縁があるんだ」なーんて、感激していたよ。

2013年1月 売買契約

内覧・申込金支払いから10日後、売買契約書に署名捺印する。

ものすげえぶ厚い「重要事項説明書」に仰天した。厚み1センチぐらいあるかね。

す、すごい書類ですねえ。

不動産屋さん

ああ、はい。
99万の物件でも、1億円でも、書類の中身はおんなじですからね。

す、すいません。申し訳ないです。





だってねえ、不動産屋さんに支払う「仲介手数料」って、51,975円なんだよね。

なんやねん、それ?

賃貸アパート仲介のほうが、不動産屋、儲かるじゃん、みてえな額でさ。

ほんま、99万なんて、中古の軽自動車かよっ?!なのにさ、はい、億ションとおんなじ手間かけさせちゃってねえ。

けれども、不動産屋のKさんは、とても行き届いた対応で、鍵交換業者の探し方まで教えてくれた。

あ、「この業者がいいですよ」とか、やらないんだ。エラいなあ。

それで、午前中に私がまず署名した売買契約書を、Kさんはすぐ売り主さんのところへ持って行ったらしい。

当日の夕方、Kさんが私の自宅にわざわざ届けに来てくれた。

見ると、もうちゃんと「売り主さんの署名・捺印」があった。

へええ、これで中古マンション、買えちゃったのか。すっげえかんたん。



2013年2月 物件の引渡し|売り主さんのありえない態度に震えあがる!

とくだん何事もなく、引渡しの日がやってきた。

不動産屋さんの店舗へ、さすがの私も早めに行き、司法書士先生も来られて、席についていた。

しかし、売り主さんがなかなか現れない。

まあ、だが、20分ほどのちに、売り主さんご夫婦が到着した。

一同、売り主さんのほうを眺める格好になっていたものの、ご主人は、クルマを降りると、つかつかとやってきて、不動産屋のドアをグイッと開けた。

バァン!と大きな音を立てて、ドアがはねかえる。

私は、ギョッとした。

不動産屋のKさんが、売り主さんに「どうもこのたびは」とあいさつされたが、ご主人は無言だ。

私は、一瞬迷ったが、いちおうご主人のほうへ向き直って、「お世話になります」とアタマを下げた。

しかし、ご主人は、私の姿をチラと見ようともせず、空いているイスにドッカと腰を下ろすと、カバンからガサガサ書類を取り出し、机のうえに乱暴に放り投げた。




これはもう、だれが見ても、

「こんなハシタ金で売る気はなかったんだよ! おめえら、ええ加減にせえやっ!」である。

まあ、そりゃそうだ。いくらワンルームであっても、鉄筋コンクリのオートロックマンションなのだ。

たしかにね、99万で処分するのは、しのびないよなあ。

ご主人がカンカンに怒っているのは、火を見るよりも明らかだったので、一同全員、猛スピードでやることだけやっちゃおう、みたいな雰囲気になった。

で、はい、ここに記入してください、はい、ここにハンコ、はい、おカネ、〇円はこっちへ、〇円はそっち、ほい、領収書、ほれ、ここ書いてハンコ押して。

みんなで、わーっと書類とおカネを、あっちやってこっちやって、そうこうしているうちに、残金90万円を受け取ったご主人は、さすがにその枚数だけは、一枚ずつ丹念に数えていた。

その最中、奥さんが私に、そっとていねいに渡してくれたモノがあった。

ゆるいさん、これ、マンションの鍵ですよ。

その様子は、ご主人の態度を気遣ってくれているようでもあり、私はホッとした。



嵐が過ぎ去ったあと

バタバタバターッと、15分ぐらいで、引渡し手続きが終わるやいなや、売り主さんご夫婦は、すぐさま立ち上がって、不動産屋を出て行った。

結局、ご主人はひと言もしゃべらなかった。終始無言だった。

さすがに、司法書士先生が、不動産屋のKさんに、「あのう、どうしたんですか?」と尋ねた。

不動産屋さん

ええと、まだ他にも物件を、いくつか持っているかたなんです。

ああ、なるほどねえ。

つまり、たぶん不動産投資が、どれもウマくいかなくて、ハラが立ってしゃーないわけね。

けど、奥さんは落ち着いていたなあ。

そんなふうに当たり散らしているご主人に、ちっとも巻き込まれていなかった。

でも、ちゃんとご主人の気もちをわかってあげているようでもあり、しかし同時に、私にも配慮してくれた。

いま思い出しても、やわらかい佇まいが、すてきなひとだったなあ。



買ったばかりのマンションへ行ってみる

不動産屋さんをあとにして、私は、そのままマンションへ直行した。

なにはともあれ、もはや自分のものとなったのだ。

ちっさいワンルームは、冷え冷えとしていた。

寒さに参りながらも、ひと通りメジャーであちこち寸法を測る。

トイレの給水管から水漏れしていたので、元栓を閉めておく。網戸は破れ放題。

なにかと痛んでいるなあ。

荒れてすさんだ部屋は、そう、ちょうどさっきのご主人のようだった。

古めかしい3点ユニットバスもイヤだな。キッチンの電熱コンロもありえない。

鉄製折れ戸も、大キラい。なんで、洗濯機置き場に折れ戸があるのさ?

コンセントの位置も、ぜんぜん合わない。室内、コード引き回すなんてやりたくない。

さぁて、それじゃあ、つぎはリフォーム開始だね。

つづきはこちら
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