電子ピアノ周辺が、ごっちゃりのままだった
結局のところ、「1000個捨てチャレンジ」の目的も、「できるだけ早く調律してもらいたいから」だった。
なので、片付けは、まだまだ不完全だが、
まあ、調律師さんが、部屋のなかを歩けて、グランドピアノ周辺で機材を広げられたら、いいよね。
ということで、見切り発車で、調律を予約してしまった。
だから、グランドピアノ周りは、ある程度キレいにしたものの、電子ピアノ周辺は、ごちゃごちゃのままだった。
片付けていなかった「アレ」がバレてしまった
しかし、グランドピアノ周りが、わりとスッキリ(本人としては)したから、私は油断していた。
調律師さんが来られても、すぐに調律に取りかかってもらえると、信じて疑わなかった。
だのに、調律師さんは、ごあいさつのあと、調律の機材を準備しながら、こうおっしゃった。
あ、〇〇〇〇〇がありますね!
い、いやあ、そこらへんは、まさに手付かずのところだった。
▼いったい、調律師さんは、ここらへんを見て、なにに目をとめられたのか?
▼じつは、この「箱」である。
▼拡大すると、コレ。
アルフレート・ブレンデルのボックス・セット(CD114枚)だ。
ブレンデル85歳記念限定ボックスね。
ブレンデルは1931年1月5日生まれで、もうじき91歳になるけど。
出典 アルフレート・ブレンデル~フィリップス録音全集(114CD)│HMV&BOOKS online
ブックレットだけで、219ページもあるのよ。
ただ、このブックレットには、「ブレンデルが自薦している録音」にマークが付けられている。
これが、ものすごく興味深い。
なぜに、どうして、あんなにすばらしいモーツァルト・ソナタに、ぜんぜんマークが付いてへんねん?とか。
ブレンデルは、複数録音がとても多いが、2回3回ある録音で、ああ、ご本人はこれを自薦しているのかとか。
でも、114枚あるCDのうち、まだ80枚ぐらいしか聴けていないよ。
いやね、ほかにもCDやDVDは、ウンザリするほどぎょーさんあるから、まだぜんぜん片付けてなかったんだよ。
たぶん、ぜんぶで300枚以上あるんじゃないか?
そのほとんどを、聴いていないし。
調律師さんから、意外なお話がつぎつぎと
しかし、さすがは調律師さんだねえ。
このゴチャゴチャのなかから、目ざとく見つけられて、
あ、ブレンデルがありますね。
お好きなんですか?
あ、はい。
ブレンデルも、引退してから、もうずいぶんになりますね。
2008年引退ですからね。
私は、引退後にファンになったので、コンサートは聴けずじまいなんです。
ああ、そうなんですね。
私は、いちど聴きましたよ。
えっっっ!
聴かれたんですかっ!
いつの来日ですか?
おお! まさか、ブレンデルの生演奏を聴いた話を、じかに聞けるとはっ?!
あ、いえ、ザルツブルク音楽祭で聴いたんです。
えっ?!
ザルツブルク音楽祭ぃ~っ?!
調律師さんが、ヨーロッパで研鑽されていたことは、以前にもちょっと聞いていた。
だからかあ、はああ、ザルツブルク音楽祭とはねえ。
オーストリアのザルツブルクで毎年夏に開かれる音楽祭。モーツァルトを記念した音楽祭として、世界的に知られている。ウィーン・フィルを始め、世界のトップオーケストラ、歌劇団、指揮者、ソリストが集い、世界でもっとも高級かつ注目を浴び規模でも世界最大の音楽祭の一つである。
出典 ザルツブルク音楽祭│ウィキペディア
な、なにを演奏したんですか?
モーツァルトの協奏曲ですか?
いえ、ベートーベンの「皇帝」でした。
ものすごくすばらしかったです。
それに、ウィーン・フィルが、もうやっぱり別格ですね。
で、ホールの残響が……
ということで、まず調律のまえに、たっぷりと「別世界」のお話を聞かせていただいた。
調律師さんは、ピアノをポロンポロン少し鳴らすと、
音の輪郭が、ボヤけていますね。
それに、これでは、メゾフォルテより小さい音が出しにくいでしょう?
あ、はい、そうです!
ピアニッシモが、とてもむずかしくて。
私がヘタクソなんですが。
調律のあとに、べつの作業も加えてみます。
お時間取って、申し訳ないのですが。