母が「電動シュレッダーを欲しい」というので購入。
書類整理をしていて「名まえのところは、きっちりシュレッダーをかけたい」そうだ。
私はといえば、「名まえ、部屋番号、電話番号 → 書類から切り抜く → 手動シュレッダーをかけたい」という「希望」はある。
しかし、 いまだその望みは実現せずに、たぶん数年は経過。
私は、段ボールひと箱分の、未整理書類を抱えたまま、何度か引っ越してるよ。
母ちゃんは、もう3年前の書類でも、きれいさっぱり処分したいらしい。
彼女は、たいへん几帳面でございます。
アマゾンで注文したら、翌日に届いて、
母「へええっ! パソコンでこんなにかんたんにお買い物ができるのね」と驚愕。
うん、まあ、私らの世代はネットでポチポチ買い物が当たり前だけど、お年寄りはねえ。
さて、従来の私ならば、ネットでモノ買っても、段ボールすら開けずに放ったらかしが多かった。
しかし、バリバリ几帳面の母と同居してからというものの、届いたら即開けて、即使う準備となる。
が、説明書を読むのがメンドーで放置していたら、代わりに母が熱心に熟読してくれる。
大事なところは「大声で音読」してくれるので助かる。
彼女は、歌が好きなので大声を出すのが平気でございます。
シュレッダー買っただけなのに、「自動読み上げ機」まで付いてきたみたいだ。
それによると、このシュレッダーは、
「3分連続使用したら、約40分休ませないといけない」らしい。
モーター加熱保護のためで、自動停止するのだが、3分以上動く場合もあるとのこと。
するとまあ、母ちゃんのことだから、
「タイヘンだ! うっかり3分超えないようにしなきゃ!」と騒ぎはじめた。
母「3分は短すぎる、こんなんだと思わなかった」
私「いや、3分はけっこう長いよ。
ウルトラマンとかじゅうぶん暴れていられる」
「アレは、3分以上やってると思う。
シュレッダーは困るよ~」
なので、キッチンタイマーをシュレッダーの横に備え付けて、3分タイマーをスタートしてから、シュレッダーをかけることになった。
ふふん、こりゃきっと、タイマーがはじまったら1分ぐらいであわてるだろう。
案の定、てか、30秒ぐらいで、母ちゃんはアセりまくって、「早く! 早くしなきゃ、ダメになっちゃう!」と叫んでいる。
この調子で90年近く生きていれば、そりゃもう、「ダメになりそう案件」ばっかりに思えて、さぞタイヘンだったろう。
こんなの、「自動停止」におまかせで、ぜんぜんアセらないヒトもいると思うが、なるほど、何分何秒ぐらいでアセりはじめるのか、ちょうどいい指標になるかも。
などと、まるで母が悪いかのように書いているが、私もやっぱりタイマーを凝視して、緊張しながらシュレッダーかけるムキですよ。
でも、このシュレッダーは「2×10mmの微細なクロスカット」がウリで、わわっ! 出来上がったシュレッダーのクズは、見たこともない「ふわふわ、ふんわり、はかなげな山」。
思わずふたりで、ほほう!と感心して見とれる。
小ぶりで、音も小さいし、おもくそ細かくなるし、いいこと尽くめ。
たかが電動シュレッダーだけど、書類の片付けがずいぶん楽しくなった。
が、「3分働いたら、40分休憩」はどうなんだ?
いや、それ、あたしだけど。
ここ3ヵ月ほどフル回転でやってきたから、いまは疲れが溜まっちゃって、ほんま3分動いたら40分休んどります。
母ちゃんは母ちゃんで、4日後には90歳だから、数分動いたらすぐ休憩がデフォルト。
なので、おたがいに、
「ちょっと動くだけで、めっちゃしんどいね、休もう」
「そうそう、まるでシュレッダーだね」
「今日もシュレッダーでいこう」
と言い合っております。