え?結局、なんもせえへんのっ?!│主治医のケッタイな説明│その9(最終回)

日々のあれこれ

主治医先生「なかなか直接胃ろう希望となると、

ここではちょっと、もう太刀打ちできないかなと思うので」

私「はい」

「ご希望に沿えないようであれば、早めに撤退すべきかな、ということが言えると思います」

お手数ですが、どれかをポチして → またお戻りください。とっても励みになります!

にほんブログ村 シニア日記ブログへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ シンプルライフへ にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ

私「そうですね、はい。

で、そうであっても、まあ、あのう、これもシロウト考えなんですけどね、

あのう、経鼻胃管は明日にでも、まあ、やっていただけるんですか?」

先生「けど、鼻から管入れて退院って、現実的じゃないんで、いったん家へ帰るときに、

それの管理は、たぶんなかなかむずかしいと思うんですけど」

「はい」

「あのう……長女さんひとりで看はるわけですよね?」

「そうなんです、はい」




先生「なかなか知識とか、そういうものがないとね」

私「それはまあ、シロウトですからね」

「それはできないんじゃないか、と思うので。

それだったら、経鼻入れずに帰るほうがいいんじゃないかな、と

「あ、そうなんですか?

でも、たとえば……、あー、これもすいません、あのう、失礼なんですけど、シロウト考えで。

まあ、そのあいだ、私もすぐには病院を探しきれないと思うので。

そのあいだにも、ある程度栄養を摂ることができるのではないか?とも思うんですが、それは、いかがでしょうか?」

「う~ん…………なんか、やっぱ、まちがっているような気がするな、う~ん……」

「あ、まあ、それは、たとえば明日すぐにでも、そういう病院があれば、

すぐに転院するのがベターかもしれませんけど。

やはり探すのには、何日か時間がかかると思いますのでね」




先生「う~ん……」

私「ま、その間、あのう、数日であっても、多少なりとも栄養が摂れる状態にする……」

「簡潔に言うと……」

「はい」

「……まあ、本人さんの、娘さんやなくて、本人さんの考えは、ええと、

『なんも食べたないけど、長生きはしたい。でも、鼻から管入れるような痛いのには、して欲しくない。で、胃ろうは造って欲しい。』

と、いうことですよね?」

「あ、そうですね。

ま、そのう、胃管が苦しい、胃ろうはどうかっていうのは、母はどっちも経験がないので、

単純に、ほんとにイメージだけで考えているんだと思いますけどね」

「……」

「医療的な知識が、あるわけではないですからね」




先生「……う~ん、ちょっと添えへんかなあ、むつかしいかなあ」

私「あー、そうすると、経鼻胃管をする、ってこともですか?」

「うん、うん」

「ふうん」

先生「なんか、やっぱ、ちがう気がするなあ」

「それは、すみません、しつこくて申し訳ないんですけど。

『ちがう』というのは……、

じゃあ、『ちがわない』っていうのは、どういうことなんでしょうか?

やっぱり『なにもしない』ということが、ベターだとお考えですか?」

「……いや、その『痛いのがイヤ』っていうのが、ずっと引っかかってて……、

いや、そのう、鼻から管入れるのは、ある程度長くなりますよ。

その、胃ろう入れる前に、いきなり、はい、今日胃ろうとはならない」




私「あ、そうでしょうね」

先生「……う~んと」

私「ま、そのう、痛みがね、申し訳ない、なんかしつこくてアレなんですけど。

痛みがイヤなんですけど、それを上回って『生きたい』わけなんですよ、本人は。

ま、文句は言うんですけど、『痛い』と。

でも、『生きたい』わけなんですよね。

だから、まあ、そのう、アレですよ、

『痛いのはガマンするから、なんでもします』っていう表現だったら、わかりやすいんですけど。

『アレもイヤ』とか『コレもイヤ』とか言うものだから、

ちょっとわがままに見えてしまうんだ、と思うんですよ」

「………………」




と、先生はしばらく黙ったあと、そばにいた看護師さんに、

「なんかある?」と尋ねた。

看護師さん「とりあえず……」

私「はい」

看護師さん「本人さんが、どう思ってはんのかを訊いて、もういっかい」

私「はい」

「ま、胃ろうしたいと言っても、やっぱり先生が、いまおっしゃられたように、段階があるんですよね」

「はいはい」

「いま、ぜんぜん食べられてへんなかに、おなかがびっくりするやろ、ていう話とかもあるから」

「はい」

「やっぱりいろいろ試すことは必要やと、思うんですけど」

「はい」

「もし『食べたいねん』と言いはったとしたら、もう食べてもらうことに集中するしかないと、思うんですよ」

「はい」




看護師さん「なので、もう一回、本人さんとこ行って、訊きましょか?」

私「あ、はい。

いまさっきも、おんなじ話はしました」

「あ、ほんとですか」

「で、私は『一回、鼻、試してみたらどう?』って言ったんですけど、『イヤなら抜けるし』」

「だから、それやったら、しっかりしてはるのに、管を入れたら、たぶんずっと抜きっぱなしです」

「はあ」

「ちょっと、本人さんも納得できる、歩み寄らないと」

「はい、すみません、申し訳ないです」

主治医先生は、ここで退席された。

あとは、この看護師さんといっしょに、母のベッドへ行く。

そして、看護師さんは「食べないかんよ」と、強い口調で延々繰り返しハッパをかけていた。

で、それに対して、母はただ「はい……はい……」と返答するだけだった。

とまあ、以上、12月14日の時点では、鼻チューブ(経鼻胃管)をするかどうか、結局あいまいなままだった。

同じカテゴリーの、つづきはこちら
母ちゃんの遺書か?!│病院から渡された母の手紙
夕方、いつものように、病院へ手紙を届けに行った。 12月7日以降、私は毎日病院へ行き、手紙を渡し、たまに洗濯物の交換をしている。 すると今日は、受付のヒトが、 「本人さんから預かっているモノがあります」と言う。 お手...
同じカテゴリーの、前回はこちら
「あんたら、フツウじゃない!」と呼ばわるお医者│主治医のケッタイな説明│その8
私「はい。あの、栄養の状態っていうのは、どんな感じですか?」 主治医先生「えっとね、ちょっと待ってね」 先生、検査票を探しておられる。 「すいませんね」 お手数ですが、どれかをポチして → またお戻りください。とって...
「主治医のケッタイな説明│その1」はこちら
「家族の差し入れで治せ」と言われても│主治医のケッタイな説明│その1
電話を終えたS山先生は、私に、 「どうぞおかけになってください」と丸イスを勧めてくれた。 先生「あのう、入院後の経過ですね。 まずは、ちょっとお話させていただきます」 お手数ですが、どれかをポチして → またお戻りく...
タイトルとURLをコピーしました