母の胃ろうケアをはじめて、ちょうど一週間。
まあまあ慣れてきた。
ええと、失敗するとコタえるもんだから、覚えるね。
病院で指導してもらったときも、ひとつ失敗した。
注入のまえに「滴下筒」をつまんで、半分ほど液を満たさないといけないのだが、それ、忘れた。
出典 https://kawagoe.karugamonoie.jp/kakehashi/about/index3_1.php
看護師さんがボソッと、「忘れてますよ」と言った。
だもんで、退院してからしばらくのうち、私が滴下筒をブチュブチュ押していると、
母ちゃん「看護師さんが、モソッと言ってたの、思い出す~」と笑うのだ。
その看護師さん、もともと口数の少ないかたで、だのに「忘れてますよ」と言ったもんだから、おかしいと笑っている。
さて、胃ろうケアについては、あらかじめユーチューブも見ておいた。
「ボトルに栄養剤を入れるとき、クレンメ(点滴の速度調節をする器具)を全開にしていて、栄養剤が一気に床に飛び散り大惨事」と言っているユーチューバーさんがいた。
だれでも1回は、その大惨事を経験しているらしい。
おかげで、ボトルとチューブ類をつなぐときから、「クレンメ閉じる、クレンメ閉じる」とつぶやいているので、そっちの大惨事は、いまのところ無し。
だけど、注入が終わったとき、母ちゃんの胃袋側のクレンメを閉じ忘れたことがある。
うっかりそのまま、途中のチューブをはずしたら、ブブブブーッと栄養剤が出てきて、シーツやパジャマがけっこう濡れてしまった。
あうう。
母ちゃんに平謝りして、拭き取ったり、シーツやパジャマを取り替えたが、母は「ちっともかまわないのよ」とニコニコしていた。
アノ吹き出した栄養剤は、母ちゃんの胃袋から逆流してきたんだなあ。
結局、去年12月半ばからずーっと、母は経管栄養(鼻チューブ→胃ろう)だけで生きている。
私がたまに「なにか食べたくない?」と訊いても、
「そうよ、なんにも欲しくないの」と答える母ちゃん。
お医者さんからは「積極的に口から食べるようにしてください」と言われているが、ムリ強いしたくないので、とくに勧めていない。
やっぱり「老衰」かなあ、ほんとは「お迎え」の時期かなあ、と思ったりもする。
だけど、今日お昼の注入のとき、
母「ねえねえ、アマゾンの倉庫ってスゴいのよ!」とか、以前テレビで見た話を、目を輝かせて夢中で話している。
私「はは、ふつう90のヒトって、アマゾンも知らないんじゃない?」
「えーっ?! ずっと前から知ってるわよ」
ふふ、ヘンな老衰のヒト。
ただ、ほんの少し、デキることが増えてきた。
トイレへの移動が、ちょっとだけ慣れてきて、前のようにぜんぜん動けなくなることがない。
手すりも2本増やしたので、それにつかまる手順が、ほんのわずかスムーズになった。
もちろん、私が腕をガッチリつかんで介助しているものの、このごろは全体重がかかって来ない。
そして、口もやや開けられるようになって、今日からは、自分でクスリを飲んでいる。
いやあ、リハビリにもなるし、私も助かるなあ。