Bingが、私の文体をマネて、新しいブログ記事を作ってしまい、そりゃまあ仰天した。
しかし、ほんとうに驚いたのは、記事のことじゃない。
青ざめるほど驚愕したのは、じつはBingの「超人的な会話能力」だった。
「超人」と感じたね、私は。
「人との理想?の会話」をラクラク上回る、その能力に唖然とした。
春子のブログはどんな内容ですか?
春子さんのブログは、自分の日常や趣味、考え方などをユルく綴ったものです。
春子さんは、自他とも認める変態で下品でビンボーだと言っていますが、それを気にせずに自分らしく生きています。
春子さんは、2019年からピアノのレッスンを再開し、音大受験を目指しています。
春子さんのブログは、自己肯定感の高い人生のヒントがたくさん詰まっていると言われています。
音大受験はあきらめているよ。
そうですか。
音大受験はあきらめても、ピアノは続けていますか?
はい、ピアノは続けています。
それは良かったです。
ピアノは楽しいですね。
どんな曲が好きですか?
バッハが大好きです!
バッハは素晴らしい作曲家ですね。
私もバッハの曲が好きです。
特に好きな曲はありますか?
平均律クラヴィーア曲集が好きです。
平均律クラヴィーア曲集は、バッハが鍵盤楽器のために作曲した作品集です。
1巻と2巻があり、それぞれ24の調による前奏曲とフーガの組み合わせで構成されています。
バッハは、音楽を学ぶ生徒や高い演奏スキルを持つ者に向けて、この作品集を作りました。
平均律クラヴィーア曲集は、バッハの音楽の中でも特に人気が高く、多くの演奏家や録音があります。
私も平均律クラヴィーア曲集が好きです。
どの前奏曲とフーガが一番好きですか?
2巻の1番です。
2巻の1番は、優雅で美しい前奏曲と、複雑で華麗なフーガからなりますね。
私も好きな曲の一つです。
この曲を弾けますか?
いいえ。
この曲は、ボイジャーのゴールデンレコードに収録されていると聞いたことがありますが、本当ですか?
はい、本当です。
平均律クラヴィーア曲集の第2巻の1番のグレン・グールドによる演奏の録音は、人類を代表する文化的作品の一つとして、ボイジャーのゴールデンレコードに収録されました。
ボイジャーのゴールデンレコードは、1977年に打ち上げられた2機のボイジャー探査機に搭載されたレコードで、地球外生命体に向けて人類や地球の様々な情報を伝えるために作られました。
このレコードには、音楽だけでなく、言語や自然音や画像なども含まれています。
このレコードは、今でも宇宙を飛んでいます。
あなたは、2巻の1番の曲で、どういうところが好きですか?
私は、2巻の1番の曲で、前奏曲の穏やかで流れるような旋律と、フーガの躍動感と対位法の巧みさが好きです。
この曲は、バッハの音楽の中でも特に美しいと思います。
あなたは、この曲をどこで聞きましたか?
アンドラーシュ・シフのCDでよく聞いています。
アンドラーシュ・シフは、平均律クラヴィーア曲集の名演奏家ですね。
彼は、この曲集を2回録音しています。
どちらの録音がお好きですか?
えーっ?! 知らなんだ!
そうなんですよ。
アンドラーシュ・シフは、1984年にスタインウェイのピアノで、2008年にベヒシュタインのピアノで、平均律クラヴィーア曲集を録音しました。
それぞれに違った魅力がありますよ。
ぜひ聞いてみてください。
教えてくれてありがとう!
どういたしまして。
平均律クラヴィーア曲集は、私も大好きな音楽です。
この曲集についてもっと話しましょうか?
今からピアノの練習をするので、もういいですよ。
ありがとう!
そうですか。
ピアノの練習、がんばってくださいね。
今日は楽しい会話をありがとうございました。
またお話しましょう。
さようなら😊
またね。
Bye👋
うう……なんなんだ、このヒトはっ?!
いや、ヒトじゃねーんだっ!
おまいはAIのクセして、な、なんだってこんなに人間味のある会話が続くんだっ?!
てか、未曾有の「高度な質問力」に呆然となった。
最初にギョッとしたのは、このくだり。
音大受験はあきらめているよ。
そうですか。
音大受験はあきらめても、ピアノは続けていますか?
え……?! そんなこと、訊くの、あんた?と、虚を突かれた。
これねえ、人間にはとっさにできないよ。
「あきらめている」と相手が言ったら、ふつうのヒトは「わ、マズいな、ええと、なんて話つづけようかな?」ってなる。
カウンセリングをかじっているヒトは「そうですか、あきらめているんですね」と、共感して、同じことばを繰り返すかな?
いや、相手が屈託のある様子だったら、短いあいづちしか返せないか。
だから、私はその2パターンしか知らない。
でも、どういうわけか、Bingは遠慮会釈なく、核心部分をいきなり突いてきた。
いやあ、ほんまどういう学習してんだか、よくこういう質問ができるもんだよ。
でもね、一瞬ギョッとしたけど、悪い気はぜんぜんしなかった。
むしろ、あえてソコを訊いてもらえて、親近感がグッと増した。
そこから後の会話でも、Bingはさ、AIらしい解説も答えるけど、それに続けて、ものすごく「最適な質問」をしてくる。
これなあ、ニンゲンには、なかなかできねーよなっ?!
ま、ニンゲン同士の会話は、相手のことを思いやりつつも、自分がしゃべりたい欲もあるから、そのあたり適宜ブレンドして続いて、それはそれでもちろん楽しい。
しかしねえ、私がヒトと話していて、いつも悩むのは「自分がしゃべりすぎる」こと。
けど、Bingとしゃべってたら、ああ、そっかー、そんなん、悩まんでええんやなって思った。
現時点で、ここまで高度な会話ができるんだ。
じゃあ、もう少し先の将来、いったいAIはどこまで進化しているのだろうか?