新居三日後│「謎の家」の男の怒鳴り声が響き渡る│借金を返せなくなった恥ずかしい真相│その16

音楽

ゴミ屋敷にお住まいの女性、もうひとつ気になることがあった。

それは「謎の家」の住人のことを、かなり口汚くののしっていたのだ。

血相変えて、目を吊り上げて、声を荒げてまくし立てていた。

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▼最新版│ご近所の配置

「謎の家」は、私が外から見たかぎりでは、まあまあの汚さで、玄関周りにいろんなモノが散乱している程度。

ま、お隣が失礼ながら、りっぱなゴミ屋敷だから、すんごくマシに見えるんかいのう。

けど、「ふつうの住宅街」にこの「謎の家」があったら、やっぱり「異様」に見えるレベル。

で、どうやら「謎の家」には「ヘンな男」がひとりで住んでいるらしい。

なんだけど、女性があまりにも怒り狂っていて、いったいどうヘンなのか、ほとんど聞き取れない。




かろうじて「女癖が悪い」「女を連れ込む」「怒鳴る」「モノを壊す」「ケンカ売る」といったコトバをとらえられた。

たぶん、「ゴミ屋敷親子」と「謎男」は、非常に仲が悪いと推測される。

さて、ココに引っ越してきてから三日後。

外からとんでもない大声が聞こえて、ギョッとした。

ちなみに、すき間だらけの家なので、窓を閉めていても外の音は筒抜けだ。

大声、というかとてつもない罵声が、あたりに響き渡っている。

すると、それに応じて、こんどは声色のちがう罵声が聞こえた。

それを皮切りに、ふたりの人物ががなりあっており、つまりケンカでございます。

私はすぐさま、台所の窓を1cmほどそうっと開けて、外の様子をうかがった。

なにを怒鳴っているんだか、さっぱりわからんほど、ものすごい勢いで争っている。

「ええかげんにせえ、どあほ」とか「おんどれ、しばくぞ」とか、そういうたぐいだと思うが、もう聞き取れない。




ああ、こりゃあきっと、あの息子さんと謎男がやり合っているんだろうな。

じきに、モノがぶつかる音が立て続けに聞こえる。

ああ、ああ、派手にやっとりますのう。

けれども、まあ、5分もしないうちに収まった。

う~ん、こういうのがしょっちゅうかな?

事前にあの女性から聞いていたから、なるほど、事情がわかって助かったよ。

とはいえ、こういう環境で、私が「ピアノという騒音」をまき散らすと、いったいどうなるんだろう?

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