ついに来た!夜11時に私の玄関を激しく叩かれて│借金を返せなくなった恥ずかしい真相│その17

音楽

新居には、すでにグランドピアノが運び込まれていた。

調律師さんからも「いつお伺いしましょうか?」とメールが来ていた。

しかし、まだ私は、いちどもピアノを弾いていなかった。

ご近所の面々が怖ろしくて、とても弾く気になれなかったのだ。

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といっても、怒鳴り合っている方々というのは、「ゴミ屋敷の親子」と「謎男」の3人だけなのだが、う~ん、どないでっしゃろ?

たかだか3名ほどが、しょっちゅうケンカして罵声を上げて、モノを投げ合っているという状況は、「大したことない」か?

どうやら殴り合いのケンカとまではいかないようで、うん、ケガさせてるわけじゃない。

だったら、わりとフツーなのか?

とりあえず「ごく普通の家」は1軒のみ。

あとは「ゴミ屋敷」「謎の家」「崩壊寸前廃屋」「私(←こいつもヘン)」「空き家」という構成だ。




そうこうするうちに「ごく普通の家」の外壁工事がはじまった。

家の周りぐるっと足場を組んで、大々的に外壁を工事している。

はい、それで工事の騒音がそれなりに響きはじめた。

すると、くだんの「謎男」が「じゃかぁしぇっ!」と怒鳴った。

猛烈な勢いで、工事スタッフをののしっているが、まあ、工事は止めないよね。

だもんで、謎男はますます怒り狂って、雄叫びをあげるは、モノを投げつけるは、タイヘン張り切っていた。

けどねえ、まあ怒鳴る投げるは、連続10分間ほどかね。

いくらがんばっても、ぶっ通しで1時間怒鳴るとか、やっぱりデキないもんだ。

だから、謎男さんが毎日怒鳴るといっても、せいぜい1~2時間に1度、突発的に「怒鳴る投げる」をがんばっていた。

そこで、私はつくづく思った。

なるほど、こういう「怒鳴り声」というのも、たぶん騒音かもしれないが、それでも「ピアノ練習の音」よりはずっとマシだよねって。

だって、ピアノの練習って、一日合計3~4時間になっちまうから、それに比べたら謎男さんなんて、時間でみたらぜんぜん大したことない。




しかし、だ。

「工事の音」に対して、毎日怒鳴りつづけるというのは、ちょっとヘンかもしれない。

ふつう、工事の音をうるさいと思うものの、多くのひとは「まあ、工事だからしゃーないか」とガマンするんじゃないか?

けれども、謎男は根気よく?毎日工事スタッフを怒鳴りつけ、そこいらのガラクタを投げつけていた。

う~ん、もしかすると「変わったヒト」かもしれない。

あまり居心地のよくない新居でモンモンとしていたら、夜間とつぜん、私の家の玄関を激しく叩く音がした。

うわっ、ついに来たか?!

時計を見ると、夜11時すぎである。

あ、あたしゃ、まだなんにもしてないよと、うろたえる。

しかし、玄関扉をガンガン叩く音は、一向にやまない。

いったいダレが叩いているのだろう?!(泣)

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