母が入院して以来、私は膨大な枚数の紙を印刷してきた。
ま、あくまでも、私にとっては、だけど。
母への手紙がいちばん多い。
けれども、ほかにも病院やらクリニックやら、介護関連やら、そういうところへの手紙も、かなりあった。
病院、介護は、メールでとか、ファイルをピッと添付するとか、そうはいかないところが多い。
いちいち紙に印刷したり、手で記入したり、封筒に宛名を書き、切手を貼り、封をして、ポストに投函。
ちょっと前までは、それが当たり前だったが、いまになってソレやると、めんどくせー。
とくに、宛名書きが非常にメンドーだった。
裏の差出人は、自分の住所・氏名を、あらかじめ宛名シールに印刷してあるので、それを貼ればいい。
けれども、表面の宛名がねえ。
それで、一大決心して、プリンターで「封筒に印刷」ってのをようやくマスターした。
いや、私はなにもしていない。
ユーチューブで「封筒に印刷する方法」を、めちゃくそわかりやすく解説しているコンテンツがあったのだ。
▼Wordで縦向きの封筒の作り方・印刷する方法【宛名面】
そのとおりにやったら、うわっ、百均の封筒なのに、ピシャーッとじつにうつくしく、惚れ惚れするほど、ウマく印刷できた。
あ、いちおう試し印刷して、微調整を2回した。
だけど、あのやっかいな郵便番号ですら、ど真ん中に収まっていて、うーむ、出すのがもったいないほど、いい出来だ。
いやあ、解説動画ってすばらしいねえ。
さいしょは、動画以外で検索していたけど、どれもココまで仕上がるような記事はぜんぜんなし。
そういえば「プリンターで封筒に印刷」って、たぶん20年はあこがれていたが、結局しらべるのがメンドーで放置していた。
たまにしか使わない封筒だが、これからは印刷するのが超楽しみになった。
しかし、たかが「封筒印刷」でも、それは「自分のやりたいこと」のひとつ。
「やりたいこと」が実現すると、こんなに晴れ晴れとした気分になるんだね。
だとしたら、やっぱり弾きたいバッハは、あきらめずにネチネチと。
いやま、バッハはなんぼネチネチやっても、あきらめようとは思わんが、封筒印刷みたいにシャーッとはいかねえ。
だいぶん前だけど、ピアノの先生に、こう言われた。
「そんなにあせらないで。
ピアノはすぐにうまくならないから」
うん、ほんとそのとおり。
それに、やればやるほど、ああしたいこうしたいって欲も出てきて、余計に難航するんだよ。
「かそけき弱音」をどうしても出したくて、あーあ、もうじき5ヵ月か。
「かそけき弱音の和音」なんて、生きてるうちに出せそうもないのに、でも出したい。
それがホンネ。
欲しいモノは手に入れたいから、ふふ、やっぱりちみちみ練習しよう。