今日午後3時52分、母が入院している病院から電話がかかってきた。
なんだろう?
もしかして、コロナ制限が解除されるメドがついたのか?
あわてて出たら、ちっともそういう話じゃなかった。
たぶん看護師さんだと思うが、女性のかたが、
「『歯が痛い』というので、Y歯科に訪問診療に来てもらいます」と言われた。
「それはそれは、わざわざご連絡をありがとうございます。
あのう、母はどのあたりの歯が痛いと言っておりますか?」
「それはわかりません」
「そうですか。
あのう、入院しておりましたら、自費診療になりますか?」
「いいえ、保険証のコピーがありますので、それを見せます」
「はあ、ありがとうございます。
診療費のお支払いは、私が持参すればよろしいですか?」
「いえ、こちらで含めておきます」
忙しいだろうに、えらくまた、こまやかに電話をしてきてくれたもんだ。
ちょうど、母宛の手紙を書いていたので、病院からそういう電話があったことも含めて書いておいた。
私は、たまたま体調がすぐれなくて、グズグズグズグズ、永遠にダラダラしていたい気分だった。
なので、病院へ手紙を持っていったのは、夕方5時31分になってしまった。
こんなに遅く、受付のヒトにも迷惑だろうが、謝りながら手紙を渡した。
すると、受付さんが、母からの手紙を私にくれたのだ。
おや、どうしたんだろう?
待合い室の隅っこへ行って、広げて読んでみる。
是非、聞いてほしくて書いています
四~五日前から、左の下の前歯二本と、周囲のあごのあたりが痛くてたまりません
病院に出入りの歯科は、今はコロナで駄目だそうです
仕方がないので、痛み止め「アセトアミノフェン」を一回につき二錠飲んでいます
今迄で五回飲みました
しかし痛み止めで治らないでしょうし、痛くて飲まないと眠れません
痛み止めの回数制限等、春ちゃんに調べてもらえますか
今後もどうしたらいいでしょうか
誰も教えてくれないので困っています
よろしくお願いします
ひえーっ! そ、そんなことになっていたとはっ?!
う~ん、そこまで痛いのなら、痛み止めじゃムリ……?
てか、ああそうか、たぶん母は看護師さんかだれかに、
「痛くてどうしたらいいかわからないので、娘に手紙を書きました。
必ず渡してください」と頼んだのだ。
そうか。
それできっと、病院のほうで訪問歯科を依頼することにしたんだな。
で、例のバアサン(娘)がやってくるまえに、電話をしておこう、となったんだと思う。
なるほどねえ。
う~ん、かわいそうにねえ、また痛い目にあっちゃって。
病院からの電話のとき、Y歯科がいつ来てくれるのか、尋ねそこねてしまった。
「今日に訪問診療」とは、聞いていない。
う~ん、母はいまもまだ、ずっと痛みに苦しんでいるだろう。
患者家族から、病院への電話は禁じられている。
しかしなあ、いつ訪問診療に来てもらえるか、それを伝えないとなあ。
私は、禁を犯して、病院に電話をかけた。
意外にも、代表電話から、母の病棟へ電話をつないでくれた。
しかし、私に電話をかけたヒトは、もう帰ったあとだった。
ほかのヒトは、だれもわからないらしい。
そして、そのヒトは明日は休みだと言う。
「どなたか、母についておわかりになる方はおられませんか?」
「いません。
あの、いま人数が少ないので、ちょっと切らせてもらいます」
「あ、はい、申し訳ございませんでした」
本当に切迫した忙しさが伝わってくるような様子だった。
タイヘンだなあ。
だから、母が痛みを訴えても、クスリで対応するしかしょうがなかったんだな。
ただ、そこまで痛いのなら、退院するまで待つのは無理だろうし、
忙しくても、訪問診療を手配してくれて、非常に助かった。
それダメだったら、またいったん退院して、どこかの歯科へ連れて行って、また入院して、
ってのをやらないといけなかったよ。