午前10時から退院手続き開始。
もうそれだけで私が疲れて、1度15分休憩させてもらった。
昨日のてんやわんやが尾を引いていて、さすがにしんどい。
だが、母は自力で、クルマの助手席にも乗り込んでくれた。
ようやく自宅にもどり、高い段差を乗り越えて、室内に入る。
母は、いつもの定位置のイスに座れて、とてもよろこんでいた。
しばらく話し込んでいるうちに、トイレに行きたいというので、シルバーカーで移動しはじめる。
念のため、私がそばについていたら、数歩歩いたところで、バランスをくずす。
あやうく転倒しかけたが、かろうじて踏みとどまった。あぶねー。
じきに12時になったので、胃ろう注入開始。
先日1度実習しているから、難なくスムーズに白湯も栄養剤も注入できた。
ボトルやチューブの洗浄がタイヘンかな?と思っていたが、あらかじめキレイにしておいた洗面所で、中性洗剤で洗い、そのあとよく水洗いで、あ、どうってことなかった。
チューブでも、蛇口からのお湯が、ふつうにそのまま通過するんだね。
ちなみに、ボトルは食洗機にかけてOKなので、次回からは食洗機に突っ込むことにした。
午後2時、ケアマネさんが訪問してくださる。
急な退院で、ケアマネさんにもすごくムリさせてしまったが、
「お元気になられて、よかったです。
あとは、ころばないようにだけ、どうか気をつけてください」と言ってくださった。
さて、ケアマネさんが帰られると、母はおしゃべりに夢中だった。
3ヵ月も入院したので、まあ、多少認知力が落ちてもしかたないと思っていたが、
いやいや、入院まえと変わらず、しゃべりは達者だった。
ただ、以前よりは、少し口調が緩慢になったかな。
でも、話したいことが山ほどあるようで、私も楽しいし、ついつい長々と話し込む。
あっという間に夕方になり、もう夕食としての注入を準備することになる。
そのときだった。
シルバーカーでゆっくり歩いていた母が、グズグズッと倒れ込んで、ああ、転倒してしまった。
ひゃあ、初日でころんじゃったねえ。
さいわい、上手にころんでくれたので、骨折ほどの痛みはなく、お尻の打ち身ていどで済んだ。
でも、私の力では、母をベッドまで持ち上げられない。
どうしようかと考えたが、踏み台を使うことを思いつく。
これを1段にして、まず踏み台にまで母を引き上げる。
つぎに、踏み台からベッドに引き上げたら、イケるんじゃねーの?
で、まずは踏ん張りが効くように、母に外靴を履かせて、
「ワン、ツの、スリっ!」で、母に力を入れてもらい、私が両脇を上方に持ち上げた。
すると、高さ10センチの踏み台まで、あ、座れたよ!
しばらく休んで、踏み台からベッドまでも、「ワン、ツの、スリっ!」で無事ベッドに座れた。
あれれ、いまのうちなら、この方法でイケるじゃん?!
う~ん、やっぱり人工栄養摂って、ほぼ毎日リハビリしていると、ちがうなあ。
ほんと、入院直前の弱り切った状態とは、見ちがえるほど、力が入るようになっていた。
ただ、やっぱりころぶねえ。
バランスが取れないんだろう。
けれども、これからユルユルでもリハビリをつづけて欲しくなった。
まあ、けっしてムリ強いはしない。
母の希望は「自力でトイレに行けて、自宅のお風呂に入ること」。
だったら、母の気もちがリハビリに向いたら、ウマく折り合いをつけていこう。
入院していたメリットとして、理学療法士さんの存在が大きい。
いまは、在宅で訪問リハビリもしてもらえるので、もし母がその気になったら、来てもらおうかな。
残念だったのは、今日はまったくピアノを弾けなかったこと。
コレはイヤなんで、明日からは練習時間を確保するぜ!