母は、入院中のリハビリも、退院後の訪問リハビリも「やりたくない」と言いつづけている。
そんなにやりたくないのをムリ強いするのもどうか?
ただし、母の身体を客観的に評価できるのは、プロの方々である。
私でもないし、母本人でもない。シロウトにはわからない。
まずはケアマネさんのご意見。
「歩けるうちはぜったい歩いたほうがいいです。
リハビリもやったほうがいいです。
やるヒトは何歳でもやっていて、ちゃんと効果が出ています」と力強く断言された。
つまり、ケアマネさんのお考えでは、
「リハビリをつづけて、自宅のトイレまで歩けるようにする」という目標設定だね。
で、介護用品事業所スタッフさんのご意見。
「いままで転倒7回というのは……ちょっと聞いたことがなくて。
もうとっくにポータブルトイレを入れている……場合がほとんどかもしれません」
断定はされていないが、そこまで危険なら、もう歩く以前にポータブルトイレ導入、という感じ。
みなさん、やっぱり骨折を恐れている。それは、ケアマネさんももちろん。
私も「骨折 → 入院 → 寝たきり確定」がいっちゃん哀れに思うよ。
さて、母自身がリハビリをイヤがっているのは「必要性を感じていない」のが大きな理由だ。
そもそも、自分は「もうコロばない。骨折もしない」と信じている。
なので「リハビリ嫌い、やりたくない」と公言するのだ。
私「リハビリをすると → 転倒予防になる → 骨折の危険性が少なくなる、ってつながってる?」
母「ううん、ぜんぜん!
理屈じゃそうなるとわかるけど」
私「母ちゃん自身がね、骨折した!とか想像できる?」
母「ぜんぜん」
そっかー。まあ、そうだろうと思っていたけど、やっぱり「まさか自分が骨折する」とは、いちども考えていないんだ。
ちなみに、私自身は骨粗しょう症の診断を受けて以来、かなりビビッて、カルシウムの総摂取量とか厳密に計算している。
歩くときも、コロばないようにわりと慎重だ。とくに外では一歩一歩確実に歩くようにしている。
けれども、母はまったくそうじゃないんだな。
ただし、理学療法士のY先生が教えてくれた「寝てやれる体操」を「ふたつなら、やる」と言ってくれた。
なので、この三日間、イヤイヤながらもやってもらっている。
私としては、せっかく週に1度、理学療法士さんに診ていただいて、課題を出されているのが気になる。
ウチの母ちゃん、週1度、理学療法士さんに来てもらうだけで、リハビリOKだと思っていたらしい。
ちゃうちゃう!
そのとき出してもらった課題を、つぎの週まで毎日やらんとなっ!
週1回、そのときのリハビリだけじゃ、筋力も柔軟性もちっとも向上しねーよっ!
私「つまり、ピアノのレッスンとおんなじだよ」
母「あ、そうなの?」
私「レッスン行くだけじゃウマくなんないでしょ?
つぎのレッスンまで、毎日練習するのがピアノでしょ?」
母「そうだよねえ」
などと、私は母にエラそうに言いながら、でもねえ、大むかし、私が子どものころ、ピアノのレッスンに連れて行ってくれて、練習する習慣を付けてくれたのが、まさに母だよねえ、って思った。
そのときの恩返しとして、そっかー、毎日のリハビリ、私がそばについて見てあげんとな。