去年9月以降、とうとう11回も転倒している母。
だけど、母自身は「もうこれからはコロばない」と思っている。
ちょっとまえまでは、私も予防策を強く勧めていた。
まず、根本的に解決するには、リハビリがもっとも有効。
2月末まで入院していた病院では、退院に向けて毎日ガンガンリハビリをしていた。
なので、入院中ほぼ寝たきりだったのに、まず車椅子、そして立つ練習、最終的には平行棒で、1日18メートルも自力歩行できるまで回復した。
私はその事実を知って、リハビリすごい! しかも病院でリハビリの習慣が付いてラッキー! ウチに帰ったら訪問リハビリじゃ!と鼻の穴を膨らませていた。
そして退院後は、週1回理学療法士さんに来ていただいて、軽いリハビリを開始。
しかし、母の話をよく聞いているうちに、母ちゃん、「リハビリ大嫌い」とわかってきた。
母の願いは「いつまでも、自宅のトイレをふつうに使えること」だ。
そのためにはリハビリの継続が必要。
だけど、「リハビリをすると → トイレを往復できる」という理屈が、どうしても腑に落ちない母ちゃん。
べつに認知症じゃない。
アタマではわかっているけど、行動につながらないのだ。
そんなの、私だって「片付けをしたら → 快適に暮らせる」とわかっているけど、一向に片付かなくて、床可視率が激減しちょります。
で、お母さまのご希望は「リハビリはまったくしなくて → ずっと寝たきりのままで → トイレだけはスイスイ歩いて行ける」ということ。
そりゃ、むずかしすぎるわっ!
母「なにかおクスリあるといいわね。
一粒飲んだら、いくらでも歩ける、みたいな」
んなもん、ねーよっ! あったらノーベル賞だよっ!
ところが、事態に変化が生じた。
昨日の夕方コロんで、緊急コールでヘルパーさんにベッドへ運んでもらった。
すると、夜8時まえ、トイレの帰りにまたヒザ折れ寸前になり、近くにあったイスを瞬時に移動させて、かろうじて母を座らせることに成功。
15分ほど休んでもらってから、もういちどシルバーカーでベッドまで移動。
ふう。
う~ん、もはやトイレ往復の脚力は失われているかもしれんな。
いくら母が「もうコロばない」と言っても、さすがに対策しないと危険すぎる。
昨夜私は、寝ながら考えていたのだが、そうだ! キャスター付きのイスで移動してみたらどうだろう?
そのイスは、もともと母が購入していて、サ高住で使っていた。
賃貸マンションに引っ越してからも一時使ったが、退院後は寝たきりになり、イスは不要となる。
けど、キャスター付きなので、簡易的な車椅子として使えなくはない。
なので、今朝さっそく試してみることに。
母は、さいしょ渋っていた。
90歳ともなると、いつもとちがう動作をすることすら、おっくうになるのだ。
そこをなだめすかし、お願いして、なんとかイスに座ってもらう。
私が車椅子よろしく、後ろから押したら、
「あら、ラクチンね」とのこと。
ただし、イスから立ち上がるのが、手すりを頼りにしても相当むずかしかった。
はじめての動作は、ほんとにタイヘンだ。
それで疲れてしまったせいか、トイレを済ませたあと、こんどは便座から立ち上がれなくなる。
いつものように3本の手すりがあっても、ヒザが折れてしまうのだ。
これまた、しばらく便座で休んでもらい、そのあいだ楽しくなるような話をして気分転換。
その後ゆっくりゆっくりイスに移動 → イスを押してベッド → イスからベッドへ移動。
うん、成功だ。
でも、朝のトイレだけに34分もかかってしまった。
ふう。